道徳推進で岩内第二中 授業力向上へ研鑚積む 講師招き特設授業や理論研修
(学校 2016-11-29付)

岩内第二中道徳推進授業研修会
道道徳教育推進事業の一環として開催

 【倶知安発】岩内町立岩内第二中学校(安保幸司校長)は十五日、第九回校内研修会として道徳推進授業研修会を開いた。当日は、札幌市立平岡中央中学校教諭で日本道徳教育学会会員の磯部一雄氏が特設授業と理論研修会を実施。参加者は道徳の時間のさらなる充実や授業力向上に向けて研鑚を積んだ。

 同校は、道道徳教育推進事業の一環として研修会を企画。安保校長が旧知の磯部氏に授業者兼講師を依頼した。

 二年二組での特設授業は、教材『二通の手紙』を用いて展開。『二通の手紙』は、動物園職員が、幼い姉弟に対する同情心から規則を破り、入園させた。その後、職員のもとに、姉弟の母親から感謝の手紙が届くが、会社から停職処分にされてしまう物語。

 磯部氏は「きまりや規則」の意義を理解させ、正しい判断を考えさせる授業を行った。

 特設授業終了後、理論研修会を開会。開会に先立ちあいさつに立った安保校長は、磯部氏について、「本道はもちろん、全国各地で道徳の普及活動に努められている」と紹介した上で、「全国でもトップレベルの話を聞くことで、何かをつかんで、授業に取り入れてほしい」と成果に期待した。

 引き続き、磯部氏が講話。道徳の読み物教材は、「内容が平易」「登場人物が少ない」「ヤマ場がある」の三点の重要性を指摘。さらに、「良い教材は、大切なこと、肝心なことが書かれていない。心を行動や言葉で表すもの」と述べた。

 授業づくりで大切なこととして〝目線・距離・言葉〟を挙げ、「対話の中で受容と承認を繰り返し、共感的に理解に努めること」と強調した。

 また、よく聞かれる質問とそれに対する自身の回答を紹介。「教材は教師が読むのか」には「教師が読む」、「資料は通読か、分かち読みか」には「中学校は通読」、「一時間の授業での問いの数は」には「できる限り少なくする。価値そのものに向き合う問いを」、「生徒がなかなか発言してくれない」には「子どもの反応をしっかり受け止める。〝同じ〟という答えをさらに深める」、「話し合いが盛り上がらない」には「ワークシートを多用しない」、「授業の終わり方がすっきりとしない」には「考え続けることが大切。授業者がまとめることは絶対できない」などと返答していることを説明した。

 最後に、「どの子も、心の中ではより良く生きたいと思っている」とし、「道徳の授業ができるようになったら、授業力がアップし、子どもを見るまなざしが変わる」と締めくくった。

(学校 2016-11-29付)

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