4年間の研究成果示す 道教育大附属小・中が実践発表会―文科省指定
(学校 2016-11-28付)

附属旭川小伝え合う学習
教室内を歩き回り、友達や教師などと交流

 【旭川発】道教育大学と附属札幌小学校ほか七校は十八日、同大学附属旭川小学校(伊藤一男校長)と附属旭川中学校(安藤秀俊校長)で二十八年度研究開発学校実践発表会(最終年次)を開いた。両校で一授業ずつ公開し、文部科学省の指定を受け、外国語教育で同大附属小・中学校で取り組んでいる四年間の研究開発の成果を示した。

 同大附属小・中学校(札幌、旭川、函館、釧路)は、二十五年度から文部科学省の研究開発学校指定を受け、今後の教科化に向けた独自のカリキュラムを編成している。

 小学校では、一年生から「小学校英語」を導入。国際社会において主体的に活躍できる英語のコミュニケーション能力と積極的な態度の育成を目指している。

 このため、小学校英語の目標と評価の在り方や、系統的なカリキュラムや文法指導、小・中学校での教師間および児童生徒間交流を追究。このほか、小学校卒業時の到達目標を定めた「CAN―DOリスト」を作成した。

 中学校では、英語の時間の一部を小学校英語や高校との接続を目指した指導に充てる「スパイラルタイム」を教育課程内に設定。英語科における指導計画と指導方法の見直しを検討した。

 小中共通の研究として、ICT機器を利用した個別学習や遠方の児童生徒との英語を介した協働学習を模索。研究成果を誰でも利用できる蓄積発展型教材としてウェブ上でデータベース化した。

 実践発表会は、これまでの成果や課題を明らかにし、今後の研究開発や外国語教育の在り方について検討するもの。

 この日は、道内外から約八十人が参加した。附属旭川中、附属旭川小でそれぞれ一授業を公開。授業後は研究討議を行い、これまでの成果や課題を明らかにし、今後の研究開発や外国語教育の在り方について参加者で考えた。

◆行きたい国を表現しよう―附属旭川小5年生英語「伝え合う学習」

 道教育大学附属旭川小学校では、五年一組小学校英語「行ってみたい外国は」(中野泰明教諭、ディーン・ゼンキ教諭、西田ひで子教諭、児童数三六人)の授業を公開した。「I want to go to~」を使いながら、行ってみたい国とその理由を友達と積極的に伝え合う学習を展開した。

 本時は、五時間扱いの4時間目。単元を通して、自分が行きたい国を記した「世界の果てまで、行ってみたいマップ」の作成をゴールに設定。児童はマップづくりに必要な表現を学び、行ってみたい国で食べたいものや見てみたいものについて考える学習を展開してきた。

 本時では、チーム・ティーチングを採用した。

 中野教諭は導入で、各アルファベットに対応した単語をもとにした歌を動画教材で紹介し、英語に親しませた。

 中野教諭は、児童に前時の学習を振り返らせ、「What country do you want to go to?」「Because I want to~」などの表現を確認させた。

 続いて、「〝I want to go to~〟を使って、行ってみたい国とその理由を友達と伝え合おう」と課題を示した。児童たちは各自、ipadで国名や尋ねたり答えたりする表現などを練習したあと、ペアや列の児童同士で伝え合ったほか、教室内を歩き回って、友達や中野教諭、西田教諭、ゼンキ教諭と交流した。

 おわりに、中野教諭は本時の学習を児童に振り返らせた。

◆交流し違いを知ろう―附属旭川中1年生「外国の学校と日本の学校」

 道教育大学附属旭川中学校の公開授業では、一年C組英語「Lesson6〝外国の学校と日本の学校〟」(小野祥康教諭、生徒数三七人)の授業を公開した。生徒がペアでALTなどと交流し、自分の学校生活について説明したり、外国の学校生活について「やりとり」したりする本時の目標に迫った。

 本時は、十六時間扱いの十一時間目。単元では、「when」などを使った疑問文を用いて、アメリカなどの学校生活について生徒同士で説明し合い、内容について問答し、外国と日本の学校生活の違いについて興味・関心をもたせることをねらっている。

 本時でははじめに、小野教諭がアメリカの学校生活と自分たちの学校生活について、部活動や昼食時間などを話題に、生徒にペアで話し合わせ、教科書の内容を確認させた。

 つぎに、「which do you like the American schoool life or the Japanese school life?」と発問。小野教諭はALTのデビッド・フェアウェザー教諭と問題について話し合い、見本を示したあと、生徒にペアで交流するよう促した。

 小野教諭は「英語でのやりとりを上手にするには、〝How about you?〟〝Me too〟などつなぎ言葉を使って共感し、感想を伝えることが大切」と指摘。その上で、「Get more information about school life」と課題を提起した。

 生徒たちは、机間指導するフェアウェザー教諭と道教育大学釧路校のクリス・ノップラー講師の二人に、母国の学校生活についてペアで質問し、自分たちの学校生活を紹介。また、ALTが来るまで、どんな内容を尋ねるか、やりとりの手順などについてペアで確認していた。

 このあと、ペアのうち一人を隣のペアの一人と入れ替え、ALTとのやりとりで分かったことを交流した。

 まとめとして、小野教諭は日本と他国の学校生活のどちらかが好きか、生徒に尋ねた。最後に、生徒に本時の学習を振り返らせるとともに、道教育大学附属札幌中学校の生徒による同校の行事紹介映像を見せ、次時への見通しをもたせた。

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附属旭川中外国の学校
生徒たちはペアになって、ALTなどと交流

(学校 2016-11-28付)

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