自分で決められる人に　道教育大附属札幌中が７０周年記念講演会

（学校 2016-12-13付）

生徒や教職員、保護者など４００人が参加

　道教育大学附属札幌中学校（佐々木貴子校長）は二日、同校で七十周年記念道徳講演会を行った。生徒や教職員、保護者など約四百人が参加。自分の志に基づいて意思決定することの大切さを学んだ。

　講演会は、道徳「附属での学びとこれまでの仕事」の一環として実施。「学校に受け継がれている先輩たちの思いや伝統を大切に思う気持ちを再認識させる」「学校のために自分の役割と責任を果たし、集団生活の向上に努めようとする心情を育む」をねらいとした。

　この日、同校卒業生で㈱日立製作所前会長の川村隆氏が「人生は自己実現」と題して講演した。

　はじめに、自身が乗っていた飛行機がハイジャックに遭ったエピソードを紹介。危機的な状況のさなか、乗客の命を救うため、マニュアルにとらわれずに行動したパイロットの決心に感銘を受けたことから、「世の中の状況は変わっている。普段から自分のことは自分で意思決定できるようになってもらいたい」と訴えた。

　二十一年には、「今にも沈みそうな巨艦を救い上げなければ」との思いで日立製作所の社長を引き受けたことも紹介。早い意思決定や会社を第三者的にみる目など、グループ会社で得た経験を生かして業績を回復したことにふれ、「マニュアルにないことでも確信をもってやることが大事」と伝えた。

　川村氏は、会社の生み出した付加価値が社会を支えていることに言及した上で、自分の志を実現する場所として大学や会社を選ぶことの大切さを強調。「企業として社会を盛り立てることも選択肢の一つにして」と呼びかけた。

　このあと、三年生の橋本拓人君が「自分の意志をもつことで新しい道が開けると感じた。広い視野をもつことを大切にしていきたい」と謝辞を述べ、全員で校歌を披露した。

(学校 2016-12-13付)