札幌市教育地図研究会　地図学習の充実へ研鑚　元町中２年の授業を公開

（関係団体 2016-12-14付）

ＩＣＴを活用し授業を展開した

　札幌市教育地図研究会（永宮愼也会長）は二日、札幌市立元町中学校で中学校授業研究会を開催した。同校の授業を公開したほか、研究討議を実施。地図を使った社会科学習の研究推進に向け、研鑚を積んだ。

　同研究会は、小・中学校の授業研究会のほか、児童生徒が夏休みの自由研究等で作成した作品を展示する札幌市児童生徒社会研究作品展など様々な活動を実施している。

　この日、同校の吉田篤史教諭が二年四組の社会科「日本の諸地域②日本中央部　関東地方～他地域との結びつきを中心とした考察」を指導した。

　本時は五時間扱いの五時間目。目標を「交通網に関する資料をもとに意欲的に仲間と話し合う活動を通して、学びを進めることができる」「東洋は交通網の発達によって、他地域との結びつきが強いということを理解することができる」と設定した。

　吉田教諭は、パソコンの画面を大型モニターに映し出し、一年間で日本へ来る外国人観光客の数や、外国人に人気の観光スポット、東京に訪れる外国人観光客の数を提示。人気の観光スポット上位三つに東京は入っていないものの、半数以上の外国人観光客が東京を訪れていることにふれ、なぜ東京に外国人観光客が来るのか疑問をもたせた。

　その上で、「外国人観光客はなぜ東京に集まるのだろうか。交通の面から考えてみよう」と学習課題を提示。グループで東京から日本各地の観光地へ日帰り旅行ができるかを調べさせた。

　全体交流では、生徒に京都や広島、秋田などの観光地に行くための交通機関や観光できる時間、観光スポットなどを発表させた。

　また、吉田教諭は休日一日を使って北海道から東京へ日帰り旅行に行った際のビデオを上映。実際に日帰り旅行が可能ということを理解させた。

　その上で、東京以外の場所から日帰り旅行ができるかどうか問いかけた。生徒が調べたデータをもとに東京から他都市へ観光できる時間と東京以外から他都市に観光できる時間を比較。東京の方が観光時間を多くとれることにふれ、東京が日本の交通網の中心ということを理解させた。

　授業後は、研究討議を実施し、授業の改善点などを話し合った。

(関係団体 2016-12-14付)