道小、道中、札幌市小・中校長会が連名でアピール 不祥事根絶へ強い決意 道教委・柴田教育長に提出(関係団体 2016-12-15付)
厳しい表情で柴田教育長にアピール文を手渡す松井会長(右)と赤岩会長(中央)
道小学校長会(松井光一会長)、道中学校長会(赤岩輝雄会長)、札幌市小学校長会(渡辺元会長)、札幌市中学校長会(大塚伸一会長)は十三日、道教委の柴田達夫教育長に「不祥事根絶に係わるアピール」を手渡した。飲酒運転や、わいせつ行為などで教職員が逮捕されるといった事案が相次いで発生したことを四校長会として厳しく受け止め、不祥事根絶の意志を示したもの。アピール文を受け取った柴田教育長は「教職員を巻き込んで、改善していかなければならない。意識改革をどのように進めるかに尽きる」と語った。
この日、道小の松井会長と道中の赤岩会長が教育長室を訪れ、柴田教育長にアピール文を手渡した。
松井会長は「事件、事故を起こすと、人生や家族をなくしてしまう。大変なことになると言い続けている」、赤岩会長は「現場では緊張感をもっており、若年の教員、管理職も含めてコミュニケーションをとるようにしている」と述べ、それぞれ危機感をもって対処している状況を説明した。
柴田教育長は、道教委としても危機感をもち、研修等の機会を設けていることなどを説明しながら、「特に飲酒運転などは論外。自分で分かることなので、許されないこと」と強調。本年度に入ってからの道教委の懲戒処分の半数が交通案件の処分であることを示し、「地方の交通環境の中で、公共交通機関が整備されていることも少なく、自家用車で通勤することが多いにしても、酒気帯び、飲酒運転などはあってはならない」と述べた。
また、わいせつ行為などの事案に対して、赤岩会長は「まさに信用失墜行為。若年の教職員に対しては先輩や管理職からコミュニケーションをとる機会を、学校現場を離れた場面も含めて多く取るようにしている」。松井会長は「事件、事故は人生や家族をなくしてしまう。“絶対ダメ”と言い続けている」と、現場での対応を説明。
柴田教育長は「学校現場の改善は、皆さんに進めてもらっている」とした上で、「我々の職場でもコミュニケーションを図ることが難しくなってきている。意識改革を徹底していかなければならない」と、一人ひとりの自覚を促すことの重要性を述べた。
◆4校長会「不祥事根絶アピール」 教職員の自覚促す指導徹底
道小学校長会、道中学校長会、札幌市小学校長会、札幌市中学校長会の「不祥事根絶に係わるアピール」はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
校長会においては、各教育委員会と連携を図りながら、公務員倫理の確立および服務規律の確保について、これまで様々な機会を通じて徹底を図ってきたところである。
飲酒運転については、平成二十六年七月十三日に小樽市銭函でひき逃げ事件により三人が死亡するなど、相次ぐ死亡事故の原因となっており、後を絶たないことから、平成二十七年十二月一日に「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」が施行され、道民一人ひとりが飲酒運転の根絶に向け「飲酒運転をしない、させない、許さない」という強い意識をもち、飲酒運転の防止のために自主的に行動することが求められている。
こうした中、ことし六月に札幌市の小学校教頭、江別市の小学校教諭が、十一月に旭川市の小学校教諭が道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで逮捕されるという重大な事案が発生した。
加えて、ことし十月には札幌市の中学校教諭がわいせつ行為で、また、十一月には同市の中学校教諭が淫行の疑いで逮捕されるという事態も発生している。
このような不祥事の発生は、児童生徒、保護者のみならず、地域住民からの学校教育に対する信頼を著しく損なうこととなり、信頼を回復するためには、法令順守の徹底および服務規律の確保に向けて、さらなる取組を進めていかなければならない。
平成二十八年度の本道における教職員の不祥事の実態を、校長会として厳しく受け止め、危機意識を共有することが重要と考える。校長として、今一度、教職員による不祥事の根絶に向けて、教職員の意識改革や一層の自覚を促す指導を徹底する必要がある。
各地区校長会において、平成二十八年度の本道の実態に対する危機意識を共有するとともに、教職員の研修を充実し、不祥事根絶に向けた取組をより一層強化するようお願いする。
平成二十八年十二月八日
北海道小学校長会
北海道中学校長会
札幌市小学校長会
札幌市中学校長会
(関係団体 2016-12-15付)
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