札幌市学校図書館協議会が研究大会　図書館活用の在り方探る　平岡緑中で公開授業実施

（関係団体 2016-12-14付）

２年国語の授業では、読書案内作成を通して、考えを伝える能力を養った

　札幌市学校図書館協議会（荻原啓会長）は五日、札幌市立平岡緑中学校で第四十回研究大会を開催した。司書教諭や図書館担当者、学校図書館司書など約五十人が参加。研究主題「豊かな未来を拓く力を育む学校図書館の創造」のもと、公開授業や研究討議、実践発表を行い、図書館を活用した教育の在り方について考えを深めた。

　この日、二年一組国語「読書生活を豊かに」を石岡潤也教諭が指導。本時は読書案内シートを作成するに当たって、推薦する理由や調べたこと、考えたことがよく伝わるよう他者のアドバイスを生かしながら表現・構成を工夫し、自分の好きな本や読書生活について思いを深めることを目標とした。

　はじめに自身の作成例を紹介し、短い言葉で手に取った人の興味を引くキャッチコピーや印象深い場面を提示する有効性を説明。また、学校図書館司書の例示によって、作中のせりふを引用する良さにも気づかせた。

　筆が止まっている生徒には、「きれいじゃなくても書いてごらん」「何が一番面白いと思った？」などと投げかけ、意欲的に取り組むよう促した。

　続いて生徒は、配布された付せんを使いながら互いの作品における良い点、改善すべき点を交流。共感できるところがあると良いものになることなどを確認し、完成に向けてアドバイスし合った。

　このあと本時の振り返りを行った。石岡教諭は、互いの良かった点などを参考に読書案内を完成させ、グループごとに交流することを告知し、次時につなげた。

　授業公開後、荻原会長があいさつ。学校図書館司書との学び合いを重ねながら連携を模索してきた同会の歩みを踏まえ、「図書館についてともに考える時間を過ごすことができれば」と述べた。

　研究討議のほか、実践報告を実施。札幌市立東月寒中学校および西岡中学校で学校図書館司書を務める大久保真希子氏が、中学校の図書館がどのように変わったか、成果と課題について発表した。

(関係団体 2016-12-14付)