小中高９５校での実施目指す　アイヌ文化体験プログラム―札幌市が２９年度

（市町村 2017-01-19付）

　札幌市市民文化局はアイヌ伝統文化振興事業のアイヌ文化体験プログラムについて、二十九年度は小中高九十五校でのプログラム実施を目指している。児童生徒にアイヌ文化や歴史の理解を深めてもらうもの。アイヌ文化交流センター（サッポロピリカコタン）の施設見学や出前体験プログラムなど学校が事業を活用しやすいように工夫改善を図っていく。

　同局では、北海道の先住民族のアイヌ伝統文化の保存や継承、振興を図る活動を実施。アイヌ文化や歴史への理解を深めるためには、幼少期からプログラムを体験させることが重要と考え、十七年度から児童生徒を対象に同事業を行っている。

　これまでアイヌ文化交流センターに児童生徒を招き、アイヌ民族の家屋や倉など展示物の見学のほか、アイヌ伝統の踊りの体験などを実施。二十七年度の活用校は五十校だった。

　本年度は、さらに事業を活用してもらおうと、出前体験プログラムを実施。アイヌ民族の方が講師として学校を訪問し、踊りを披露するほか、アイヌ文化やアイヌ語を説明。また、子ども遊びの体験を行っている。

　出前体験プログラムの実施によって、事業活用校は七十三校に増加。今後は参加した学校のアンケートをもとに、より学校が事業を活用しやすいように工夫改善を図っていく。

(市町村 2017-01-19付)