札幌市北翔養護の環境負荷軽減活動 「さつ×みら大賞」を受賞 3年間でガス使用料960万円節約(学校 2017-01-25付)
表彰状を手にする後藤事務長(左)と阿部教諭
札幌市立北翔養護学校(佐藤昌弘校長)は、昨年十二月下旬に札幌市本庁舎で行われた二十八年度札幌×未来アクション報告会で最優秀賞の「さつ×みら大賞」を受賞した。三年間でガスの使用料金を約九百六十万円節約するなど、児童生徒の健康を守りながら環境負荷を軽減する取組が評価されたもの。二月十七日に広島県で開かれる第十一回全国都市改善改革実践事例発表会でその取組を発表する予定で、後藤邦昭事務長は「様々な学校で取り組んでもらえるように発表していきたい」と話している。
同報告会は、先進的な事務改善事例やサービスアクションの取組を札幌市全体に波及させるために実施しているもの。
同校には、重度重複障がい児が通学していることから、児童生徒の移動時の安全や体調管理のため、エアコンやロードヒーティングといった設備を配備。児童生徒に対してきめ細かな温度調整が必要なことからガスの使用料金は、年間で約一千万円となっていた。
環境負荷が高いことから、児童生徒の健康を維持しながらできる社会貢献はないかと考え、二十六年度からガス使用量削減に向けた取組を実施。夏は早朝に体育館・廊下の窓を開けるなど冷房の稼働時間を、冬にはロードヒーティングの場所を職員で雪かきをしてロードヒーティングの稼働時間をそれぞれ減少させた。
また、温水プールや給食室のために二十四時間フル稼働しているボイラー稼働時間の調整を実施した。三年間毎日ボイラー稼働時の温度を記録。稼働時間を減少させても授業時には適正な温度になることを職員に説明するなど理解を得ながら取組を進めてきた。
本年度は施設の老朽化によって、一部の教室が夏に高い温度となっていたことから札幌市教委施設担当課の齊藤晶夫機械担当係長と相談し、床暖房に冷たい水を流す“床冷”を実施。結露しないよう検証を重ね、適正な温度が保たれるようにした。
こうした日々の業務改善によって、児童生徒の健康を維持しながら三年間でガスの使用料金を約九百六十万円節約することができた。
報告会では、後藤事務長と阿部優教諭、神彩子教諭がプレゼンテーション。その工夫や取組の成果が評価され、さつ×みら大賞を受賞した。
また、十三日に開かれた札幌の豊かな環境の保全に貢献する個人、企業および団体を表彰する第八回さっぽろ環境賞表彰式においてもその取組が評価され、市民・団体部門の優秀賞を受賞した。
後藤事務長は「職員が三年間頑張ったことが評価されたもの」と話したほか、広島県で開かれる実践事例発表会について、「様々な学校で取り組んでもらえるように発表していきたい」と意気込みを語っていた。
(学校 2017-01-25付)
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