北大遺伝子病制御研究所研究教育プログラム 「こども研究所」始動! 科学の最先端に興味津々
(学校 2017-01-23付)

北大こども研究所・上
大学教授からがんの原因や生き物の進化など講義を受けた

 生命科学の最先端、肌で感じて!―。北海道大学に附属する遺伝子病制御研究所は十六・十七日の二日間、新たな研究教育プログラムの一環として、小学生を対象とした「こども研究所」を開設した。市内小学三~六年生四十五人が参加。子どもたちは生命科学に関する講義を受けたほか、大学における研究の一端にふれ、科学への興味・関心を深めていた。

 経済協力開発機構(OECD)が実施している二〇一五年のPISA調査結果によると、日本の子どもたちは、科学に対する理解力が世界の中で比較的高いレベルにある一方で、科学に関する本を読むことや知識を得ることに興味があると答えた割合は全体平均より大幅に低かったという。

 同所では、こうした結果を踏まえ、「子どもたちに対して、科学の楽しさを紹介することや学ぶ意欲を高めることは重要な課題」と位置付けた。その上で、同所における基礎医学研究の柱「免疫学」を中心とした生命科学にふれる機会を提供しようと、今回初めて小学生対象の研究教育学習プログラムを立ち上げた。

 同所によると、大学附属研究所による児童向け研究教育プログラムの開設は、全国的にも珍しいという。

 この日、市内小学三~六年生四十五人が研究所員として、白衣に袖を通した。二日間にわたって、「がんの原因」「生き物の進化」などの生命科学に関する講義を受けたほか、六グループに分かれて大学での研究を体験した。

 研究体験では、マウスや人のがん細胞を顕微鏡で観察したほか、細胞培養を体験。また、DNAの抽出実験やiPS細胞を観察。子どもたちは、初めて目にする生命科学の最先端研究に、目を輝かせながら顕微鏡を覗き込んでいた。

 また、二日目にはこども研究員認定書授与式を挙行。中学校進学後に遺伝子病制御研究所での研究活動へ優先的に参加できる権利が与えられた。

 同所では、今後も同プログラムを引き続き実施する。また、低温科学や電子科学など北大に附属する研究所は様々な種類があることから、各研究所と連携を図り、子どもたちがより多くの分野を体験できるようなプログラムの作成を検討していくこととしている。

 こども研究所所長の髙岡晃教教授は「参加した子どもたちは真剣に受講していた。科学に対して興味をもってくれたのでは」と話している。

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北大こども研究所・下
顕微鏡でがん細胞を観察するなど、最先端の研究を肌で感じた

(学校 2017-01-23付)

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