函館西高が国研指定事業研究協議会開く 授業の改善・充実へ研鑚 「公民」テーマに公開授業など(学校 2017-01-18付)
地域課題と向き合うことで、主体的に考察する態度を育成した
【函館発】函館西高校(小松信夫校長)は二十八年十二月中旬、同校で国立教育政策研究所教育課程研究指定校事業にかかる研究協議会を開催した。管内の社会科教諭など十六人が参加。公開授業や研究協議などを通して、授業の改善・充実に向けて研鑚を積んだ。
同校は本年度から、公民科「現代社会」において、国研教育課程研究指定校に選ばれている。
研究主題は、「論述や討論などの言語活動を通じて、現実社会の諸課題について主体的・協働的に課題を発見・考察し、検証・評価することで、より良い社会を築く主体としての自己が芽生えるような指導方法の工夫改善」に設定。特に、地元企業や自治体の協力を仰いだワールド・カフェなどを活用したキャリア教育の視点で研究を進めている。
開会式に続いて、三年四組「地域の課題解決のための行動計画」(高橋英典教諭、生徒数四一人)の公開授業が行われた。本時の目標は、「シンポジウムでの話し合いを踏まえ、各班で地域のために自分たちにできる行動計画を分かりやすく発表すること」「他者の意見を公正に評価できるようにすること」の二点。
事前に全校生徒が参加したシンポジウムを開催。地域活性化に向けて、自分たちができることを、①観光・国際②イベント③ボランティア④街づくり―の四分科会に分かれて話し合った。このほか、外部講師による函館のまちの魅力に関する講演会を通じて、函館の現状や課題などについて理解を深めていた。
授業でははじめに、高橋教諭が本時の流れを説明したあと、生徒たちが八グループに分かれて、「地域の課題と私たちにできること」をテーマにプレゼンテーション。函館を盛り上げていく上で考えられる課題として、「市の人口減少」「外国人に対する観光案内」などを挙げた。それらの解決策として、「外国人にも分かるような地図記号を使用した地図の制作」「バスや市電のなどの路線図の簡略化」「SNS等を活用した写真コンテストの開催で地域を盛り上げる」などを提案した。
このあと、各グループで他グループの発表内容について協議。質疑では、「どこの国の人にも伝わる地図記号の制作とは、どんな記号を使用するのか」「SNSを利用したイベントでは、信ぴょう性が薄いのではないか」などの意見が挙がった。
最後に、高橋教諭は「自分たちの住んでいる町について考える良い機会になったと思う。授業を通して、地元について考えたことや感じたことを今後に生かしてほしい」とまとめた。
授業後、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官・国立教育政策研究所教育課程研究センター教育課程調査官の樋口雅夫氏による「課題の発見と解決につながる主体的・対話的で深い学び~目標に準拠した観点別学習状況評価を踏まえて」と題した講演や、公開授業についての協議などを通して、授業改善に向けて研鑚を積んだ。
(学校 2017-01-18付)
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