国立教員養成大卒業者の就職状況　教員就職率は５８・９％　道教育大１．６ポイント減の５７％

（学校 2017-02-06付）

　国立の教員養成大学・学部（教員養成課程）の二十八年三月卒業者の昨年九月末現在における教員就職率（卒業者のうち教員就職者）は五八・九％と、前年に比べ一・六ポイント減少したことが文部科学省の調査で分かった。道教育大学は五七・〇％で、一・六ポイント下降した。

　文科省では、幼・小・中・高・特別支援学校などの教員養成を目的とする国立の教員養成大学・学部（四十四大学・学部）の教員養成課程卒業者の就職状況（九月三十日現在）を毎年取りまとめており、二十三年度からは、教職大学院二十五校の修了者の状況も併せて調査、公表している。

　国立の教員養成大学・学部（教員養成課程）卒業者の教員就職率は、昭和五十四年の七八％をピークに、少子化による児童生徒数の減少などに伴う採用減で、平成十一年には三二％まで低下。その後、教員採用者数の増加や、教員養成大学・学部の入学定員減などによって、近年は五〇％台後半から六〇％台前半を維持している。

　二十八年三月の卒業者数は一万八百八十八人。そのうち、九月末の段階で、五八・九％（前年比一・六ポイント減）に当たる六千四百十二人が教員として採用された。前年に比べ七十四人減少した。内訳は、正規採用が百二十一人増の四千百六十六人、臨時的任用が百九十五人減の二千二百四十六人。

　また、保育士への就職者が百五十三人、教員・保育士以外への就職者が二千三百七十四人、大学院等への進学者が一千二百二十三人、未就職者も五百八十九人いる。

　卒業者数から大学院等への進学者と保育士への就職者を除いた場合の教員就職率は六七・四％で、前年より一・三ポイント減少。

　教員就職率（卒業者から進学者と保育士を除く）が高い大学は、鳴門教育大学が八八・八％で前年に続き第一位となり、以下、大分大学八七・八％、兵庫教育大学八七・二％、滋賀大学八二・一％、上越教育大学八〇・〇％と続いた。一方、低い大学は、横浜国立大学四二・四％、岩手大学四三・四％、鹿児島大学四四・四％、山梨大学四六・八％など。道教育大学は五七・〇％で前年を一・六ポイント下回った。

　また、教職大学院二十五校の修了者総数は七百五十八人。うち、現職教員の学生を除く修了者は四百三人で、その九〇・六％（前年比一・〇ポイント減）、前年より十六人少ない三百六十五人が教員に就職。内訳は、正規採用が四人増の二百五十五人、臨時的任用が二十人減の百十人となっている。

※文科省が報道発表資料訂正　教員養成大学・学部卒業者の就職状況

　文部科学省は、先に発表した国立の教員養成大学・学部（教員養成課程）の二十八年三月卒業者の就職状況（六日付１面掲載）について、報道発表資料の一部を訂正した。教員採用者は六千四百十三人で前年に比べ七十三人減少、そのうち、正規採用は百二十二人増の四千百六十七人、教員・保育士以外の就職者は二千三百四十一人、未就職者は七百五十八人、教員就職率は鹿児島大学四四・八％とそれぞれ訂正。国私立の教職員大学院修了者の二十八年三月修了者の就職状況で、現職教員の学生を除く修了者は四百四人、教員就職率は九〇・三％、前年度比一・三ポイント減少と訂正した。

(学校 2017-02-06付)