岩見沢市明成中が公開研究会 ALの視点で授業推進 道徳の教科化に向け取組紹介
(学校 2017-02-08付)

岩見沢市立明成中道徳公開研究会
課題を明確に提示し、生徒の積極的な自己解決や集団解決を促した

 【岩見沢発】道教委の道徳教育推進指定校・岩見沢市立明成中学校(田中佳樹校長)は一月二十三日、同校で二十八年度道徳公開研究会を開催した。空知管内の教育関係者約九十人が参加。全学級の公開授業や研究協議を通し、道徳の特別の教科化に向け、授業の在り方を考えた。

 同校は、研究主題「”確かな学力”が身につく授業の創造」のもと、アクティブ・ラーニングの視点を取り入れた授業展開を推進。授業冒頭での明確な課題設定や、自力解決・集団解決の時間を定め、交流を通して考えを深める授業を行っている。

 本年度は、道教委が進める道徳教育推進事業の指定校となり、これまでの実践をもとに「特別の教科 道徳」に向けた取組を開始。

 ピア・サポートプログラムの活用や、各教科で話し合いのルールを統一・明確化し、生徒が発表しやすい雰囲気づくりに努めており、この授業スタイルを道徳の時間でも活用している。

 この日は、一~三年生の全学級で公開授業を実施。道徳の特設授業では、二年A組の畠山泰之教諭が「足袋の季節」の授業を公開した。

 本時は、貧しい青年時代を過ごした主人公が、物売りのおばあさんからおつりを多くもらったことで葛藤する心情を多面的・多角的にとらえ、誠実に行動することの大切さについて考えを深めることをねらいとしている。

 畠山教諭は、授業の導入に疑似体験的な活動を設定。代表生徒がお客と店員役となり、釣り銭を多くもらって自己申告する場面、黙って受け取る場面を演じてもらい、イメージを全くの他者から等身大の身近なものに転換。

 その上で、本時の課題「人としての在り方について考える」を明示し、生徒が自らのこととして考え、話し合う土台をつくった。

 そして、釣り銭を多くもらった青年の心情、励ましの言葉をかけたおばあさんの心情について尋ね、生徒はワークシートに記入して発表。

 つぎに、「自分が物語の青年だったらどのような行動をしたと思うか」、自分の考えをまとめ、グループで交流。

 生徒たちは「正しくない行動だと分かっていても、青年の境遇を考えるとおつりをもらってしまうだろう」「青年のように後悔して生きたくないので、正直に話せる人間になりたい」など、活発に話し合っていた。

 最後に畠山教諭は、「今後の生活で同じような経験をした場合、きょうの授業を思い出して、人としてどう在るべきか考え、行動できる人間になってほしい」と呼びかけた。

 授業のあとは研究協議を実施。道徳の特別の教科化と授業改善の在り方に関して話し合った。

(学校 2017-02-08付)

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