文科省SSH旭川西高が成果報告会 課題解決能力の向上へ 独自設定教科「探究」など紹介
(学校 2017-02-02付)

旭川西高SSH成果報告会
SSHの成果を生徒たち自身が堂々と報告した

 【旭川発】文部科学省のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)指定校・旭川西高校(今井悟校長)は一月二十七日、同校で二十八年度SSH成果報告会を開いた。課題解決能力向上を目指した同校独自設定教科「探究」や、大学訪問研修など本年度の取組の成果を生徒代表が紹介。研究の充実に向け、一・二年生約四百八十人で共有した。

 SSHは、高校等における科学技術・理科、数学教育に関する教育課程等を改善するための研究開発を行うもの。

 加えて、国際的な科学技術系人材の育成や高大接続の在り方を探ることをねらいとしている。

 同校は、二十二~二十六年度に続き、二期目となる二十七~三十一年度の指定を受けている。

 同校では、普通科と理数科の生徒を対象に、課題解決力の向上を図る学校設定教科「探究」を二十七年度から独自に設定。

 同教科では、一年次に研究の仕方や研究発表の仕方など、基礎的事項を身に付ける「探究基礎」を実施。二年次は「課題探究」で、それぞれのテーマに沿って課題解決に向けた研究を行うこととしている。

 また、理数科では発展的な学習として「SS研究」「SS数学」「SS理科」などの科目を設定。

 これらの取組を通し、研究開発課題に掲げた、「道北のSSHからの発信 未来へ導く科学技術系人材の育成」の実現を目指している。

 冒頭あいさつに立った今井校長は、他者と協働する力や課題解決力を備えた「21世紀型能力」が求められていることを指摘。そうした能力がSSHを通して養われることを説き、これまで学んだことを将来に役立てるよう呼びかけた。

 続いて、「探究」「SS研究」などの科目の実践内容や、大学訪問研修、様々な大学から講師を招いて行った講演会や特別講座、科学系部活動の成果について生徒が報告した。

 「探究」について発表した生徒は、興味のあるものについてグループをつくり、実験を行ったり、街頭アンケートを行ったり、企業訪問をしたりとアクティブに行動し、様々なことを探ってきたことを報告。

 また、その中で「大学から講師を招き、専門的な知識を学ぶことができた。この知識を今後の課題研究に生かしていきたい」などと振り返っていた。

中学生がSSH体験

「ジュニアドクター」

 このほか、地域の中学生が同校のSSH事業に参加することができる「ジュニアドクター」の取組について発表した生徒は、「本年度は六十人の中学生が私たちと一緒に大学の模擬講義などに参加した。私もジュニアドクターを経験して、旭川西高に入学したいと思うようになった一人なので、来年も多くの中学生に参加してもらい、SSHにふれてもらいたい」との期待を話していた。

 おわりに、同校SSH運営指導委員長を務め、首都大学東京客員教授の鳩貝太郎氏が講評。

 生徒の研究を高く評価し、「この取組で学んだことを今後の人生の糧にして、科学の分野で活躍する人材になってほしい」とエールを送った。

(学校 2017-02-02付)

その他の記事( 学校)

旭川工業高で道建協酸素欠乏講習 将来の仕事に役立てよう 発生原因や応急処置学ぶ

旭川工業高道建協酸素欠乏講習  【旭川発】旭川工業高校(小幡圭二校長)で三日、北海道建設業協会主催の「第一種酸素欠乏症にかかる特別教育」講習会が行われた。建築科三年生二十二人が受講し、将来の仕事に役立てようと、酸素欠乏の...

(2017-02-08)  全て読む

センター試験平均点最終集計 国語が前年度比22点減 生物基礎過去最高、化学過去最低

29年度大学入試平均点表  大学入試センターは二日、二十九年度大学入試センター試験の最終集計結果を公表した。全体の志願者数は、前年度より一万二千百九十九人多い五十七万五千九百六十七人で、このうち、実際に受験したのは前...

(2017-02-07)  全て読む

文科省が報道発表資料訂正 教員養成大学・学部卒業者の就職状況

 文部科学省は、先に発表した国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の二十八年三月卒業者の就職状況(六日付1面掲載)について、報道発表資料の一部を訂正した。教員採用者は六千四百十三人で前年に...

(2017-02-07)  全て読む

育児の大切さ学ぶ 札幌市陵陽中3年生が幼児と交流

陵陽中幼児交流  札幌市立陵陽中学校(平野まなみ校長)は一日と三日、同校で豊平区次世代育成支援事業「中学生とあそぼう!」を開催した。三年生が同校を訪れた幼児とのふれあいを通して、命の尊さや育児の大切さを学ん...

(2017-02-06)  全て読む

国立教員養成大卒業者の就職状況 教員就職率は58・9% 道教育大1.6ポイント減の57%

 国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の二十八年三月卒業者の昨年九月末現在における教員就職率(卒業者のうち教員就職者)は五八・九%と、前年に比べ一・六ポイント減少したことが文部科学省の調...

(2017-02-06)  全て読む

札幌市山の手南小で雪の学習会 ALで冬の暮らし学ぶ 雪がテーマの4年社会を公開

山の手南小雪の学習会  第十五回「雪の学習研究会~雪の学習もアクティブ・ラーニングで!」が一月二十七日、札幌市立山の手南小学校(東間義孝校長)で行われた。学生や教諭など約六十人が参加。雪を活用した授業を公開し、雪...

(2017-02-01)  全て読む

滝川高がSSH事業道外研修 自然、科学への関心深める 東北被災地、研究施設など訪問

滝川高SSH事業道外研修  【岩見沢発】滝川高校(中川秀樹校長)は一月上旬の四日間、スーパーサイエンスハイスクール(=SSH)事業の一環として道外研修を行った。東北コースと関東コースに分けて実施。参加した一・二年生は...

(2017-01-31)  全て読む

士別東高「夢を拓く」茶話会 笑顔でいること大切に ソロプチミスト会員が講演

士別東高国際ソロプチミスト茶話会  【旭川発】士別東高校(河合宣孝校長)は二十四日、同校で国際ソロプチミストアメリカ日本北リジョンによる「夢を拓く:茶話会」を開いた。全校生徒十四人がソロプチミスト士別会員の講演を通して、仕事...

(2017-01-30)  全て読む

岩見沢農業高が食育フォーラム 岩農食農塾の成果発表 グリーンツーリズム体験等―空知総振と共催

岩農食育フォーラム  【岩見沢発】岩見沢農業高校(西田丈夫校長)は十三日、空知合同庁舎で空知食育フォーラムを開催した。空知総合振興局との共催で、約百人の市民らが参加。食品科学科食育グループの生徒が食育事業「岩農...

(2017-01-27)  全て読む

羅臼町教委が第32次水産教室閉級式 地元の魅力伝える発信者へ 羅臼高3年生2人に修了証

羅臼高水産教室・ダイビング  【根室発】羅臼高校(渡辺祐司校長)の三年生二人が二十八年十二月中旬、羅臼町教委主催の第三十二次水産教室閉級式に臨んだ。山﨑守教育長が生徒に修了証を手渡し、これまでの努力をたたえた。  同...

(2017-01-27)  全て読む