旭川市が29年度当初予算案発表 新規に子ども未来応援費 教育費は3.5%減の86億円(市町村 2017-02-08付)
【旭川発】旭川市は七日、二十九年度予算案を発表した。一般会計は前年度と比較し、一・一%増の一千五百八十八億五千万円。教育費は三・五%減の八十六億八千七百十八万円となった。教育費の割合は五・四%。今回の編成では、特に、子育て・保育環境の充実に力を注いでおり、新規に子どもの貧困を解消するための実態調査や子ども食堂への助成、児童養護施設等の子どもに対する高校卒業後の支度金支給を盛り込んだ「子どもの未来応援費」五百五十五万円を計上。留守家庭児童会十一ヵ所の新規開設に一億二千五百二十五万円を充てたほか、児童が病気やけがをし保護者が対応できない場合のための施設整備を行う病児保育整備補助費一千六百一万円も新たに盛り込んだ。
病児保育整備補助は、児童が病気やけがをした場合、仕事等の保護者の理由で家庭で対応できないときに一時的に児童を保護し、保育や看護等を行う施設を整備するもので、一千六百一万円を措置した。
子育て・保育環境の充実ではこのほか、私立認可保育所等建設補助に十六億四千七百二十八万円を充当し、計十五ヵ所で施設整備を進め、約七百五十人の待機児童解消を目指す。
また、小学校一・二年生を対象とした三十人学級編制に七千三百八十六万円、同三年生以上を対象とした三十五人学級編制に一千百六十六万円を充て、少人数学級によるきめ細やかな指導体制の充実を図る。
特別支援教育の推進には一億一千七百七十八万円を措置。一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な指導のため、特別支援教育補助指導員を十人増員する。
また、次期学習指導要領に向け小学校の教育課程編成の手引作成に十万円を計上。
中央図書館の開館時間等拡充(平日午前九時三十分から午後七時まで)も盛り込んだ。
ハード関係では、小中連携・一貫教育をモデル的に進めている市立旭川小学校の増改築に二億八千五百十三万円、市立旭川中学校の大規模改造に一億四千五百七十万円を計上。
老朽化した市立東栄小学校の校舎・体育館の増改築に二千九百七十一万円を措置した。
このほか、旭川大学の公立化検討を進める高等教育機関設置検討調査には百二十三万円を充て、取組をさらに推進していく。
教育に関連する主な事業はつぎのとおり(単位・万円)。
▼すくすくと子どもが育ち、誰もが健やかに暮らせるまち
▽発達支援相談事業=三、〇六五
▽児童家庭相談事業=一、八六一
▽子ども総合相談センター管理=一、三〇八
▽私立認可保育所等建設補助金=一六四、七二八―既存保育所や認定こども園増改築八ヵ所、小規模保育事業整備三ヵ所、通年性保育園から認定こども園移行整備四ヵ所
▽子育て支援ナビゲーター活動=五〇二
▽留守家庭児童会開設=一二、五二五―一一ヵ所新規開設
▽病児保育整備補助(新規)=一、六〇一
▽児童センター管理=五、六七三
▽私の未来プロジェクト事業=三〇八
▽子どもの未来応援費(新規)=五五五―子どもの生活環境や家庭の実態把握調査の実施、子ども食堂実施団体への助成、児童養護施設等の子どもに対する高校卒業後の就職・進学等の支度金支給
▼たくましく未来を拓く人材を育み、生涯を通じて学べるまち
▽30人学級編制=七、三八六―小学一・二年生対象
▽35人学級編制=一、一六六―小学三年生以上対象
▽国際理解教育推進=二、九一三
▽小学校図書館活性化推進=三、二六七―学校司書一人増員
▽スクールカウンセラー活用推進=一、〇二四
▽中学校図書館活性化推進=一、四五三
▽小学校教育課程編成の手引作成(新規)=一〇
▽小中連携・一貫教育推進=五三七
▽特別支援教育推進=一一、七七八―補助指導員一〇人増員
▽高等教育機関設置検討調査=一二三
▽旭川小増改築費=二八、五一三
▽旭川中施設大規模改造=一四、五七〇
▽東栄小増改築(新規)=二、九七一
▽廃校校舎等利用推進(新規)=六
▽地域を支えるシニア世代人材育成費=五八四
▽読書環境整備促進=一一五
▽科学館企画展開催(新規)=五〇―夏・冬休み中に開催
▽中央図書館開館時間等拡充(新規)=一一八
▽彫刻美術館再開館(新規)=二一七
▽アイヌ文化振興=二一七
▽通年生涯スポーツ振興=三〇八
▽スポーツ大会開催負担金・補助金=一、〇〇〇
▽スポーツ大会等誘致推進費=二二七
▼活力と賑わいにあふれ、経済が力強く発展するまち
▽旭山動物園開園五〇周年記念事業(新規)=六〇〇
(市町村 2017-02-08付)
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