札幌市教委が全小学校算数に　指導者用デジタル教科書導入　新年度２学期から授業で活用　

（市町村 2017-02-09付）

　札幌市教委は二十九年度、全小学校に算数の指導者用デジタル教科書を導入する。教科書を効果的に活用するための教材で、立体の断面図を提示するなど、より分かりやすい授業の実施や、授業準備の効率化を図るもの。一学期中に整備を始め、二学期からの活用を目指していく考え。市教委では「教科書と併用しながら効果的に活用してほしい」と話している。

　市教委では、ＩＣＴを活用した情報化教育の推進に取り組んでおり、これまで市内小・中学校で実証研究を実施。また、各学級にタブレット端末を一台導入することも進めている。

　実証研究では、「動画等のコンテンツを活用することで、より分かりやすい授業が可能になる」ことなどが分かったため、二十九年度から算数の指導者用デジタル教科書を導入することとした。

　指導者用デジタル教科書は、教科書を効果的に活用するための教材。教科書の内容をテレビ画面に映し出して拡大したり、紙の教科書では伝わりにくい図形や立体などにアニメーションを用いたりすることで、児童に興味・関心をもたせ、学ぶ楽しさを感じさせることをねらう。

　また、画面上で図を動かしたり、線や文字を書き込んだりすることができるほか、何度も書いたり消したりすることが可能。児童が発表する場合にも、気兼ねなく書き込むことができる。

　教員にとっても授業準備の効率化を図ることができ、児童と向き合う時間の確保や時間外勤務の削減につながることが期待される。

　二十九年度の一学期中に整備を進めていく予定で、二学期から授業での活用を目指す。

　また、市教委では指導者用デジタル教科書の活用について効果を検証し、ほかの教科への導入も含めて検討していく考えだ。

(市町村 2017-02-09付)