札幌市議会文教委 夜間中学校設置を審査 満場一致で「採択すべき」(市町村 2017-02-09付)
札幌市議会文教委員会が六日、市役所で開かれ、「公立夜間中学校のすみやかな設置を求める陳情」について初審査を行った。公立夜間中学校設置に向けた具体的な取組がなされるよう求め、満場一致で採択すべきと決定した。
陳情提出者は、北海道に夜間中学をつくる会代表の工藤慶一氏。はじめに趣旨説明を行い、夜間中学校の整備に向け、市議会が道議会とともに全国で初めて国に意見書を提出したり、国勢調査の項目改善に関して提言したりするなど、先進的に取組を進めてきた経緯を紹介した。
つぎに、国の動きについて説明。文部科学省が、公立夜間中学校における形式卒業者や不登校生徒の受け入れなどに関する通知を発出しているほか、二十九年度の概算要求に夜間中学校新設準備にかかる調査研究として一ヵ所当たり三百万円を計上していることも伝えた。
教育機会確保法においては、年齢や国籍などにかかわらず教育を受けられると定めていることにふれた上で、学校の設置をはじめ、通学条件の整備および協議会の設置といった必要な措置を講じるよう要望した。 このあと質疑応答を実施。入学要件などに関する質問に対して、引地秀美学校教育部長が「未修了者については、中学校課程の記録がない場合がほとんどと考えられることから、入学希望理由をしっかり聞き取って判断することとなる」と答弁した。
委員からは、「様々な事情で学ぶ機会を得られなかった方に学びの場を提供できるよう、“誰一人取り残さない”という決意で取り組んでほしい」「多くの市民団体と教育委員会が双方向で話し合う協議会を設置し、市が主体的に取り組むことを強く求める」との声が寄せられた。
なお、陳情の採択については、二十一日から行われる第一回定例会で審議される予定となっている。
(市町村 2017-02-09付)
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