６割超が「ぎりぎり」「赤字」　貧困対策策定へ家計等実態調査―札幌市が中間報告

（市町村 2017-02-08付）

就学援助受給状況（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市は三日、「仮称・子ども貧困対策計画」策定に向けた実態調査の中間報告を公表した。家計状況について、二歳から高校二年生の子どもがいる家庭の六二・二％が、「（黒字・赤字の）どちらでもなくぎりぎり」「赤字」と回答。就学支援金を利用している高校二年生は六二・三％と六割以上を占めた。詳細に分析を進めた上で三月末にも最終報告を取りまとめ、二十九年度内の策定を目指す。

　市では、貧困対策計画の基礎資料として十月、十一月に、「二歳」「五歳」「小学二年生」「小学五年生」「中学二年生」「高校二年生」「二十歳」「二十四歳」を対象とした市民アンケートを実施。二歳，五歳、小学二年は保護者、小学五年、中学二年および高校二年は子どもと保護者、二十・二十四歳は本人が答えた。

　家計の状況をみると、「黒字」と回答したのは三二・四％。うち、「毎月貯金している」は二五・四％、「貯金していない」は七％だった。

　一方、「赤字」と答えた家庭は一九・七％。このうち、貯金を切り崩している家庭は一三・五％、借金をして生活している家庭は六・二％だった。「どちらでもなくぎりぎり」と答えたのは四二・五％と四割以上を占めた。

　また、過去一年間で子どもに病院等を受診させた方が良いと思いながらも受診させなかった（できなかった）経験のある親は一八・三％。「仕事や子どもの世話で時間がなかった」が主な理由となっている。

　就学援助を受けている家庭は一六・四％。小学二年は一三・三％、小学五年は一七・二％、中学二年は二〇・八％と、学年を重ねるほどに増加している。なお、就学支援金を受けている高校二年は、六二・三％にのぼった。

　今後は集計について精査を行い、最終報告を実施する予定。二十九年度内に対策計画を策定することとしている。

(市町村 2017-02-08付)