釧路市教委　冬季英語教育研修会など開催　英会話の強要は逆効果　ＡＬＴがプレッシャー懸念　

（市町村 2017-02-09付）

小・中学校教諭４０人がＡＬＴとともに授業改善について考えた

　【釧路発】釧路市教委は一月三十日、釧路教育研究センターで二十八年度冬季英語教育研修会兼二十九年度ＡＬＴ派遣担当者会議を開催した。小・中学校教諭四十人が参加。模擬授業やＡＬＴとの交流などを通して、授業改善について考えた。ＡＬＴからは、授業中や休み時間もＡＬＴに英語で話すことを強要することで「英語は難しいというメッセージを子どもに伝えないで」との声が寄せられていた。

　小・中学校における外国語活動および英語科の授業づくりのより一層の充実と、円滑な連携を目指す研修会。ＡＬＴ派遣担当者会議を併せて開くことで、ＡＬＴとの効果的なＴＴなどについて理解を深め、さらなる指導力の向上を図った。

　はじめに、市教委教育支援課の松永美和指導主事と、ＡＬＴのアンナ・マーティン氏、イザール・フセイン氏、ブレンナ・ソロコウスキ氏、アンドリュー・マリオン・カズ氏が講師となり、ＡＬＴとのＴＴの在り方や、小学校外国語活動および中学校英語科の授業の充実・改善について研修会を行った。

　松永指導主事の「ＡＬＴとＴＴを行う意義は何か」「ＴＴの意義を生かした授業を行うために授業前に行うことは」などの質問について、参加者がペアで考え、発表していく流れで進行。

　参加者は、ＡＬＴとＴＴを行う意義について「日本人教諭とのやり取りが聞ける」「ＡＬＴに英語が通じる喜びを感じることができる」などと回答。

　また、ＴＴの意義を生かした授業を行うために授業前に行うことについては、「子どもの状態を把握してＡＬＴに伝える」「ＡＬＴの役割をはっきりさせる」などと話していた。

　続いて、釧路市立湖畔小学校の津金澤浩司教諭と、アンナ・マーティン氏がＴＴの模擬授業を実施。参加者も生徒役となり、ゲーム形式の活動やペアワークを行った。

　松永指導主事は、ＡＬＴに任せきりの授業にならないよう呼びかけ、ＡＬＴの考えも聞き出していった。

　ＡＬＴたちは、「中学校では生徒にＡＬＴと英語で話すようプレッシャーをかけないでほしい」「休み時間は日本語で話しかけても良いことを子どもたちに伝えてほしい」など、ＡＬＴに英語で話すよう強要することで、生徒が委縮することを懸念。このような行為で、「英語は難しいというメッセージを子どもに伝えないでほしい」と、楽しみながら英語を学ぶ重要性を訴えていた。

　このあと、市教委が新たに作成した、外国語活動や英語科授業を充実・改善するためのチェックリストを用いて自校を分析させ、グループごとにＡＬＴと情報交換しながら、授業改善に向け話し合った。

　続くＡＬＴ派遣担当者会議では、二十九年度の派遣にかかわる事務手続きについて説明した。

(市町村 2017-02-09付)