道教委 体力・運動能力等調査の北海道版報告書 小中・男女ともに改善 課題共有し連携して取組を
(道・道教委 2017-02-23付)

 道教委は、『二十八年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査北海道版結果報告書』を取りまとめ、二十二日の教育委員会会議で報告した。体力合計点総合評価で下位層の割合が小・中学校の男女いずれも全国平均よりも高い一方、二十七年度と比較して改善が図られた。体力合計点は、小学校の男子で二管内、女子で四管内、中学校の男女各一管内で全国を上回り、いずれも桧山が最も高かった。また、十六市町村増の百七十市町村が結果を掲載した。道教委では、「情報や課題を共有するなどして、学校、家庭、地域、市町村教委と連携を図りながら、取組を進めていきたい」としている。=関連記事2面=

 二十八年度調査結果については、二十八年十二月にスポーツ庁が発表。本道については、実技に関する調査で、体力合計点が小中・男女とも、二十七年度と比較して改善し、全国との差が縮まったことなどが明らかになった。=二十八年十二月十六日付1面既報=

 道教委では、その後、本道の状況を詳細に分析し、『北海道版結果報告書』に取りまとめた。

 本道における特徴的なデータをみると―

▼全道の状況

 体力合計点を高い順からA~Eの五段階に区分した総合評価では、体力合計点が低いD・E層の割合が、小学校の男子三三・九%(全国二九・七%)、女子三〇・五%(同二三・七%)、中学校の男子三三・六%(同二八・一%)、女子二一・九%(同一二・六%)と、いずれも全国平均よりも高かった。

 一方、二十七年度との比較では、小学校の男子で一・七ポイント、女子で一・八ポイント、中学校の男子で一・八ポイント、女子で二・三ポイント改善した。

 「大都市・中核都市」「その他の都市」「町村」「へき地」の都市階級区分ごとにみると、体力合計点が最も高いのは、小学校の男子が「町村」(五三・六八点)、女子が「へき地」(五六・五九点)、中学校が男女とも「町村」(男子四一・四五点、女子四七・一一点)。最も低いのは、小・中学校の男女とも「大都市・中核都市」(小学校男子五二・四〇点、同女子五二・八九点、中学校男子三九・九〇点、同女子四四・八五点)。

 体力合計点の最も高い管内と最も低い管内との差が最も大きいのは、中学校女子の五・三二ポイントだった。

 全国の体力合計点を上回った市町村数は、小学校の男子が対二十七年度比増減なしの七十八市町村、女子が八市町村減の七十二市町村、中学校の男子が二十八市町村増の七十市町村、女子が二市町村減の三十八市町村。

 同じく学校数は、小学校の男子が三十六校増の四百五校、女子が三十四校増の四百九校、中学校の男子が二十九校増の百九十八校、女子が二十二校増の百四十一校と、いずれも増加した。

 全国と比べ、本道の児童生徒は、肥満傾向児の出現率が高い、また、中学校女子の一週間の総運動時間〇分の割合が高いなどの課題がみられる。そこで、児童生徒の体格と質問紙調査、中学校女子の一週間の総運動時間と質問紙調査とのクロス集計を行った。

 その結果、「肥満度が正常の児童生徒は、肥満傾向や痩身傾向の児童生徒に比べ、運動やスポーツに対する肯定的な考えをもつ傾向がある」「中学校女子は、運動やスポーツを実施する意欲や自尊意識が高い生徒が、運動時間が多い傾向にある」と分析した。

▼管内の状況

 体力合計点が最も高かった管内は、小・中学校の男女いずれも桧山。小学校の男子五十五・〇八点、女子五十七・一八点、中学校の男子四十三・一三点、女子四十九・八一点で、それぞれ全国平均を上回った。

 道教委では、質問紙調査などの結果から、桧山管内の児童生徒の運動意欲の高さや学校の取組が成果として現れているとみている。

 桧山以外にも、小学校の男子で胆振、女子で胆振、留萌、釧路が全国を上回った。

 児童生徒の体力・運動能力向上のための学校全体の目標を、学年の目標とは別に設定している学校の割合が最も高いのは胆振で、小学校九五・〇%、中学校九三・六%。

 調査対象学年以外(小学校四年、中学校一年)で新体力テストを実施している学校の割合が最も高い管内は、小学校が留萌と釧路の二管内、中学校が空知、桧山、オホーツク、釧路、根室の五管内で、いずれも一〇〇%。小・中学校ともに管内数が増加した。

 『北海道版結果報告書』には、同意を得た市町村教委について、市町村名を明らかにして掲載した。掲載数は、二十七年度より十六市町村多い百七十市町村。各種目の状況、分析、体力向上策を基本に、各市町村における児童生徒の傾向や学校の取組の特色を表す内容を掲載した。

 道教委では、分析結果を踏まえ、「今後とも、子どもたちの体力や運動習慣の定着、運動機会の充実に向け、情報や課題を共有するなどして、学校、家庭、地域、市町村教育委員会と連携を図りながら、体力向上に向けた取組を進めていきたい」としている。

(道・道教委 2017-02-23付)

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