『小学校専科指導の手引２』発行　学校体制づくりを重点に　分かる・楽しい授業推進へ―札幌市教委

（市町村 2017-03-16付）

研究推進校に指定された５校の取組も紹介している

　札幌市教委は、『小学校専科指導の手引２』を発行した。札幌市研究開発事業「小学校における専科指導」の実践研究について、学校体制づくりを重点に取りまとめたもの。きょう十六日にも市内各小学校に発送する予定となっており、市教委では「本手引を参考にしながら、専科指導を円滑に推進するための学校体制づくりの工夫に取り組み、分かる・できる・楽しい授業をより一層推進してほしい」と呼びかけている。

　市教委は、個に応じたきめ細やかな指導の一層の充実を図る観点から専科指導の実践研究に取り組んでいる。本年度は研究推進校を五校指定。前年度に作成した『小学校専科指導の手引１』を活用した学校体制づくりについて、研究を進めてきた。

　手引では専科指導の充実に向け、「年間を通じて、計画的に評価まで行うこと」「高学年を中心に、各学級において週二～三時間程度実施」「教科は主に外国語活動とするが、学校の実情に応じてほかの教科も可能」の三点を提示。専科指導を試行実施した学校の報告から、高学年以外の担任でも専科指導を行える例や小規模校での専科指導も紹介している。

　また、研究推進校五校の取組を提示。このうち、平岸高台小学校では、高学年の担任三人と担任外が四・五・六年生の専科指導を実施しており、成果として「専科担当が四・五・六年生の三学年を指導することで、発達の段階に合わせた指導を行うことができる」、課題として「より適切で過度な負担のかからない評価方法について、検討を続けていく必要がある」などを挙げている。

　発寒南小学校では、専科担当となる担任外の負担が増えることを懸念し、「授業者が評価を行うという原則から、評価を専科担当が行う」「担任外の専科指導中に、学級担任は担任外の業務の一部を代わりに行う」など担任外の業務を見直したことを紹介。成果として、「学級担任と専科担当の間で、子どものよさや課題についての情報を共有することができ、学級経営や指導上の問題解決に有効だった」、課題として「学級担任に、担任外の業務について、何をどのようにやってもらうか、年間を通して整理する必要がある」などと説明している。

(市町村 2017-03-16付)