八雲町の29年度教育行政執行方針 小中一貫型CS先行導入 外国語教育、道教委事業指定目指す(市町村 2017-03-15付)
八雲町教委・田中了治教育長
【函館発】八雲町教委の田中了治教育長は、九日に開かれた第一回定例町議会で、二十九年度の教育行政執行方針を説明した。学校教育では、四月から落部小学校と落部中学校で「小中一貫型コミュニティ・スクール」を先行導入するに当たっては、「地域全体がパートナーとして学校を支え、地域ぐるみで子育ての仕組みができるよう支援する」とし、三十年度にはすべての小・中学校に導入していく方向性も示した。そのほか、教育のグローバル化については、外国語指導助手を複数人配置するとともに、道教委の「小学校外国語活動巡回指導教員研修事業」の指定を目指し準備を進めていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
【学校教育】
▼新学習指導要領の趣旨の徹底
三十二年度から完全実施となる新学習指導要領の趣旨の徹底が図られるよう、管理職員研修や教職員研修を積極的に開催していく。特に、「生きる力」の基盤として確かな学力、豊かな心、健やかな体のバランスのとれた健全育成は、最重要課題とする。
今後も、凛とした空気が漂う学校を標榜し、指導方法や授業改善の工夫、校内研修の充実はもとより、家庭学習を含めた望ましい生活習慣の定着が何よりも大切なことから、学校・家庭・地域・行政が一体となった取組の総合的な推進に向けて最大限に努力していく。
「外国語によるコミュニケーション能力の育成」については、小学校三・四年生から「外国語活動」の実施が盛り込まれるとともに、五・六年生は英語が教科化されるなど、グローバル化の急激な進展への対応が喫緊の課題になっている。町においては、二十九年度からALTを複数人配置し対応するほか、道教委の「小学校外国語活動巡回指導教員研修事業」の指定を受けるべく準備を進めていく。
▼小中一貫型コミュニティ・スクール(CS)の定着
ことしの四月から落部地区で先行実施される小中一貫型CSの導入に向け、地域説明会の開催や国のCSマイスターによる講演会、先進校の視察などを重ねるとともに、準備委員会を設立し、円滑な導入への準備を進めてきた。地域創生の活力の源として、すべての児童生徒に義務教育としての一定の教育水準を保証し、生きる力を育てるためには、学校・家庭・地域・行政が、より一層連携を強化し、教育の推進に当たる必要がある。
落部地区での実践が、地域全体がパートナーとして学校を支え、地域ぐるみで子育ての支援ができるよう支援するとともに、三十年度からの町全域での実施の道標となり、管内の先駆的な役割を果たせるよう支援していく。
▼一人ひとりのニーズに応じた教育の充実
各学校においては、町の教育目標および学校教育目標に基づき、地域の自然や歴史、文化の学習を通して、郷土を愛し、発展させていこうとする気持ちを育む教育活動を積極的に推進するとともに、極小規模校のデメリットを解消するための、集合学習や交流学習を継続するなどして、指導の充実に努めている。
さらなる充実に向けては、教職員が子どもたちとかかわる時間をより多くするために、特別支援教育支援員の配置のほか、事務職員の複数措置の継続や外部人材活用事業を積極的に推進し、個々のニーズに応じたきめ細かな指導を行っていく。
また、特別支援を必要とする児童生徒への教育の充実は重要課題であり、個々のニーズに応じた適切な支援とともに、保護者との双方向による情報提供や特別支援学校をはじめ、幼稚園・保育所・高校および行政機関との連携、地域への啓発活動等がより一層深まるよう、「特別支援教育連携協議会だより」などを通して、行政からの支援の充実を図っていく。
▼地域と連携しての安全・安心の確保
子どもたちの安全確保は信頼される学校の基盤であり、とりわけ、震災・津波など、自然災害への対応については、自分の命は自分で守るということを日常的に意識し、いざという時には迷わず行動できるための防災教育・訓練を継続していく。
昨年の道内でのアスベスト問題により、町でも、一時、簡易給食の措置をとらざるを得ない状況に陥った。今後は、給食センターの安全管理の徹底とともに、給食センター運営委員会などからも意見をいただき、望ましい給食の提供に努めていく。
(市町村 2017-03-15付)
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