子育て支援、雇用充実を 道子どもの未来づくり審議会子ども部会が少子化対策を提言(道・道教委 2017-03-24付)
港さん、瀨川さんが高橋知事に提言書を手渡した
道子どもの未来づくり審議会(松本伊智朗会長)は、「北海道の少子化に関する提言」を取りまとめ、二十二日、高橋はるみ知事に提出した。子ども部会の協議内容をもとに取りまとめたもので、「子どもが生まれてから成長する間の、子育ての不安や悩みを解消する子育て支援の充実」「不安なく子育てできるための経済力を確保する働き先や雇用の充実」など、四点を提言した。
同審議会は、道子どもの未来づくりのための少子化対策推進条例に基づき、知事の附属機関として設置。うち、子ども部会は子ども自ら意見を表明し、その意見が適切に社会に反映される環境を整備するため、審議会から付託された事項に関して、子どもの視点からの意見を聴取することを目的に、十七年七月に設置された。
本年度は、道内各地域の中・高校、特別支援学校の生徒十七人が子ども部会委員として就任。昨年八月と十二月の二回にわたって、人口減少問題への対応としての少子化対策の推進について審議を行ってきた。
テーマは、「私たちの希望がかなう北海道の姿」。三つのグループに分かれ、日ごろの学校・家庭生活や身近に起きている出来事などから、現状や課題などについて議論を重ね、意見を集約した。
当日は、冨田彰子ども部会長(道社会福祉協議会福祉人材部長)、港菜々美副部会長(浦河高校二年)、瀨川真由副部会長(立命館慶祥中学校三年)が道庁を訪れ、高橋知事に提言書を手渡した。
港さん、瀨川さんはそれぞれ提言書の内容を知事に報告。高橋知事は「少子化の対応が大きな政策課題となっている」と道の課題などを説明。「これからの北海道を背負っていく皆さんが、この課題について議論していただいたことをうれしく思う。地元でも議論していただき、つぎにつなげていただきたい」と、感謝とともに激励した。
◆子ども部会の提言
提言内容はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
【子どもが生まれてから成長する間の、子育ての不安や悩みを解消する子育て支援の充実】
▼ねらい
▽仕事をしながら自分の近くで、子どもとふれ合ったり授乳ができるような、安心して子どもを預けられる環境があると良いと思う
▽教育費の負担が軽くなれば、子どもを産んでから子育てをしていく上での心配が減ると考えた
▼手立て
▽若者に保育士体験の機会をつくり保育士の仕事に興味をもってもらい保育士を増やす
▽オフィスの中やビルの中など職場のすぐ近くや、保育士がアパートの一室などに泊まり込み、万が一、親が出張のときも泊まりで預けられる保育所をつくる
▽保育園バスを走らせたり、保育所の通える区域を決めて、保育所に入りやすく、通いやすくする
▽給食費の無料化やスクールバスの運行、高校や大学の学費の免除や給付型の奨学金をつくり、経済的な負担を軽減する
【不安なく子育てできるための経済力を確保する働き先や雇用の充実】
▼ねらい
▽就職することで経済的に安定して、家庭をもつことや子どもをもつことにつながると思う
▽地方には働き口が少なく、経済的な不安から子どもを断念する人もいるので、地方に働き口が少ないことの解決として人を呼び込むことが大事だと思う
▼手立て
▽女性が地域の仕事に就きやすいように支援を拡充したり、女性の就職・再就職をサポートする
▽北海道経済の基盤であると思う農業など地域の産業への就職を進めるための、知識不足をカバーする勉強会やセミナーを実施する
▽働き口の少ない地方に人を呼び込むため、空き家を利用した店舗をつくったり、地域ブランドを展開する
【人と人がつながり、地域とのつながりが深まることによって、子育てしやすい環境づくりを進める】
▼ねらい
▽お年寄り、大人と子どもが集まって地域とのつながりを深めることが、子どもを育てやすい環境づくりにつながると思う
▽仕事や地域以外にも趣味や関心ごとなどのいろいろなコミュニティーが広がると、出会いの場になり結婚に結びつくと考えた
▼手立て
▽空き家や廃校を利用し、元気な高齢者、保育士などのボランティアによって子育てをサポートしたり、保育所と高齢者施設が融合した施設で、幅広い世代とふれ合う機会のあるコミュニケーションの場をつくったりする
▽農家同士や近所付き合いといった地域のコミュニティーを巻き込んで、地域ぐるみで子育てを応援する
▽趣味や関心ごとのコミュニティーを広げ出会いの機会をつくったり、町ぐるみで、地域の公民館などを使って婚活イベントを行い、出会いの場を自分たちでつくっていく
【北海道の魅力、地域の強みを生かし、誇りや愛着をもって生活し子育てできる環境づくりを進める】
▼ねらい
▽北海道の自然の魅力や地域の特徴、強みを生かすことで、住む人に地域に誇りや愛着が生まれると思う
▽地域の魅力がPRされることで、誇りや愛着をもって、地域で暮らし子育てしていけると思う
▼手立て
▽自然とのふれあいなどの地域それぞれの特長を生かした施設づくりをする
▽北海道や地域の魅力を学校や企業を通してPRしたり、インターネットを利用して農業系の学生や未就業者へPRするほか、自分たちの町の強みをPRしていくようなイベントや地域ブランドを立ち上げる
(道・道教委 2017-03-24付)
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