長万部町の29年度教育行政執行方針
(市町村 2017-04-10付)

 【函館発】長万部町教委の鈴木祐司教育長(当時)は、二十九年度教育行政執行方針で、学校と地域の連携・協働による学校づくりに向け、長万部小学校、静狩小学校、長万部中学校でコミュニティ・スクールを十月から導入する方向性を示した。高校支援については、国公立大学と東京理科大学の進学者対象の奨学金制度を改正し、本籍が長万部町以外からの生徒にも適用していくとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

     ◇

▼学校教育について

 「すべては子どもたちのために」という思いを共有して、学校と家庭、地域、行政がそれぞれの役割を果たし、児童生徒一人ひとりの「生きる力」の育成を目指していく。

 地域とともにある学校づくりにおいては、昨年七月にコミュニティ・スクールにかかわる制度導入推進委員会を設置し、町の地域特性に即した導入方法等について研究・協議を進めてきた。学校と地域の連携・協働による学校づくりを具現化するため、十月の制度導入を目指し、引き続き準備を進めていく。

 学力向上については、各学校と連携を密にし、各種テスト等の活用を進めていく。四月に実施される全国学力・学習状況調査は、小学校六年生と中学校三年生を対象とし、国語、算数・数学が実施教科となる。本調査については、全国体力・運動能力、運動習慣等調査とともに引き続き結果を公表し、基礎学力の確実な定着を目指し、家庭学習の定着や読書活動の充実について保護者への啓発を図っていく。

 また、各種調査結果をもとに、体力・運動能力、生活習慣等の実態と課題をとらえ、各学校における体育・健康に関する指導などの改善に努める。 

郷土愛を深める学習については、地域社会の一員として自覚を養うため、小学校三・四年生を対象に副読本を用い、郷土資料室、鉄道村、平和祈念館、シャクシャイン古戦場跡碑等の活用を図り、郷土学習や伝統文化、アイヌ民族に対する正しい歴史認識の理解を通して、ふるさとへの愛着を深め、多文化共生の心を育む教育を充実させていく。

 小学校における外国語活動や中学校の英語教育における外国語指導助手の派遣については、渡島教育局による英語指導助手派遣事業を活用するとともに、東京理科大と連携し、外国人英語講師の協力をいただき、引き続き実施していく。

 特別支援教育については、個別の教育支援計画、個別の指導計画に基づき、一人ひとりのニーズに対応できる指導を進めていく。また、「通常学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒」に対する支援を行うため、引き続き特別支援教育支援員を配置していく。さらに、児童生徒の就学指導については、教育支援員会議を開催し、小学校就学前から中学校卒業まで一貫した支援体制の整備を継続し、総合的な観点から就学先を決定できるよう進めていく。

 いじめ問題については、「子どもいじめ防止条例」に基づき、各関係機関・団体等との連携強化、情報共有を進め、いじめ撲滅を目指していく。

 各学校間の連携強化や授業の指導技術等の向上については、町教育連絡協議会の活用を図り、小中高の職員が教科や分掌ごとの情報交換や教科間での授業視察を進め、合同講演会や英語検定など各種検定の実施も継続して進めていく。

 長万部高校への支援については、就職対策講座への講師派遣費用補助、制服購入費補助、通学費補助を継続して進めていく。また、国公立大学および東京理科大への進学を支援する奨学金制度については、利用しやすい制度へ改正し、引き続き進めていく。

(市町村 2017-04-10付)

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