幌延町の29年度教育行政執行方針=木澤教育長
(市町村 2017-04-12付)

幌延町木澤瑞浩
幌延町教委・木澤瑞浩教育長

 【稚内発】幌延町教委の木澤瑞浩教育長は、第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を説明した。学校と保護者や地域住民が協働し子どもたちの成長を支えるコミュニティ・スクールや土曜授業についての調査研究を進めることを説明。また、特別支援教育に関する教職員の専門性の向上や特別支援教育への理解を深めるためのセミナーを開催する考えを示した。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

     ◇

▽確かな学力の向上

 学習指導においては、チーム・ティーチングの充実やタブレットの有効活用を図るとともに、放課後学習や長期休業中の学習サポートを推進する。また、家庭での学習習慣確立のため、生活リズムチェックシートの積極的な活用を図る。

▽豊かな心の育成

 道徳推進教師を中心に「特別の教科・道徳」の確実な移行の取組と、「考え、論議する」道徳の授業の充実を図るとともに、「道徳の時間」を公開し、家庭や地域に開かれた道徳教育に努める。また、各学校の朝読書の充実を図るとともに、家庭での読書習慣の啓発に取り組む。

▽健やかな体の育成

 全学年で実施する新体力テストや全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果から、「体力向上プラン」を作成し、学校での体力向上に努める。また、「早寝早起き朝ごはん」の推進を図るとともに、運動習慣定着の取組を進める。

▽特色ある教育の推進

 外国語教育では、次期学習指導要領に対応できるように外国語指導助手を二人配置し、外国語活動や外国語の充実を図る。

 情報教育では、二十八年度導入したタブレットや全教室設置の実物投影機等を活用した授業を推進する。また、テレビ会議システムを活用し、町の特性に応じた遠隔授業を構築する。

 小中一貫教育では、小学校と中学校の授業交流をさらに充実させるとともに、義務教育九年間を連続した教育課程ととらえ、児童生徒に必要な資質・能力を確実に育むことができるように、町の実情を踏まえた具体的な取組内容についての調査研究を進める。

▽地域と支え合う学校づくり

 学校評議員制度によって、学校運営に関し保護者や地域住民の意向を把握・反映しながら、協力を得るとともに、学校評価の結果を踏まえた改善方策を公表するなど、開かれた学校づくりを支援する。さらに、学校と保護者や地域住民が一緒に協働しながら子どもたちの豊かな成長を支えるコミュニティ・スクールや土曜授業についての調査研究を進める。

▽心の教育相談体制の推進

 「いじめに関するアンケート」「より良い学校生活と友達づくりのためのアンケート」の全学年実施や、計画的な教育相談を実施する。また、スマートフォン等の使い方や危険性について、専門家を招へいし望ましい利用に向けた取組を進める。

 いじめや不登校、問題行動については、「いつでも・どこでも・誰にでも起こりうる」という認識に立ち、学校、保護者、地域との連携を図りつつ、早期発見・早期対応の取組を推進する。また、幌延中学校に生徒の悩みや不安を和らげるため「心のサポート相談員」を継続して配置する。

▽特別支援教育体制の充実

 町教育支援委員会をはじめ、町特別支援教育連携協議会や各関係機関と連携し、教育相談の充実を図るとともに、乳幼児期からの記録ができる「子育てファイル」の活用や、個別の教育支援計画を作成し、長期的な視点で乳幼児期から学校卒業後までを通して、個々に応じた的確な教育的支援の充実に努める。

 また、特別支援教育に関する教職員の専門性の向上や特別支援教育への理解を深める特別支援教育セミナーを開催する。さらに、通常学級においても支援を必要とする児童のために、特別支援教育支援員を幌延小学校に継続して配置する。

▽安全・安心な教育環境の推進と就学支援

 経済的理由によって就学困難と認められる児童生徒の保護者に対しては、学用品費や給食費等の援助制度、また進学する学生に対しては、町独自の奨学資金制度の活用の啓発に努める。

▽幌延を知るための学びの場づくり

 読書環境づくりでは、幌延と問寒別両図書室の連携や、道立図書館等、関係機関の協力を得ながら、企画展を開催し、図書室の利用促進に努める。

▽子どもたちの自立を促す環境づくり

 子どもたちの体験・交流活動を推進するために、異年齢の交流活動や地域ぐるみで活動している子ども会育成連絡協議会や「ワラベンチャー問寒クラブ」の取組を支援する。

 幼児期における豊かな感性を育むため、親子ふれあい人形劇公演を開催する。また、本物の舞台にふれ豊かな情操を養うため、二十九年度は小学生を対象に学校舞台公演を開催する。

 子どもたちが安全に安心して異年齢の友達と交流できる放課後子供教室推進事業を、引き続き地域支援ボランティアの協力を得ながら実施する。

(市町村 2017-04-12付)

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