利尻町の29年度教育行政執行方針=佐々木教育長(市町村 2017-04-19付)
利尻町教委・佐々木日出雄教育長
【稚内発】利尻町教委の佐々木日出雄教育長は、第一回町議会定例会で二十九年度教育行政執行方針を発表した。四月に開校する利尻中学校においてコミュニティ・スクールの導入を予定しているほか、町内小学校についても導入を検討することを説明。また、「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」のさらなる研究・実践を重ね、十二年間の指導を体系化することなどによって、ふるさとを愛する気持ちを育み、地域の創生・発展に貢献できる子どもの育成に引き続き努めていく考えを示した。
執行方針の概要はつぎのとおり。
◇
【利尻を愛し、夢と希望に向けて挑戦する子どもを育てる学校教育の推進】
社会で生きる実践的な学力を育成する教育の推進のために、確かな学力の育成を目指す教育やコミュニケーション能力の育成を目指す教育、キャリア教育の充実と国際理解教育・情報教育・環境教育・産業教育の充実、さらには、ふるさと教育の充実や特別支援教育の充実に取り組んでいく。
確かな学力の育成を目指すため、全国学力・学習状況調査等を踏まえ、基礎的・基本的な学習の定着を図るために、「チャレンジテスト」や「基礎学力問題集」の活用、さらに、大学生を活用した学習会の開催などに取り組む。また、次期学習指導要領が小学校は三十二年度から、中学校は三十三年度から全面実施されるが、段階的な先行実施として、小学校で三十年度から英語が教科化されることから、本年度も引き続きALTを配置し、英語教育や国際理解教育の充実に努める。
キャリア教育・ふるさと教育では、二十七年度から「小中高一貫ふるさとキャリア教育推進事業」に取り組んでおり、町内小・中学校と利尻高校が研究指定校の指定を受け、小中高が連携して本事業へ取り組んでいる。十二年間の指導を体系化することなどによって、自己がよって立つ基盤としてのふるさとを愛する気持ちを育み、家庭を大切にし、地域の創生・発展に貢献できる子どもを育成することを目的としており、本事業を通して、「学校種間の指導の一貫性と継続性が確保されること」「ふるさとの理解の深化が図られ、ふるさとを愛する心が醸成されること」「地域で家庭生活を営み、子どもを育てる意義の理解が深化すること」など、本事業の目的が達成できるよう、さらに研究・実践を重ねていく。
ICTの活用として、道教委のICT活用促進事業の採択を受け、仙法志小学校にタブレットPC等を導入している。離島という地理的条件のもとで、設置する学校も小規模校がほとんどであることから、ICTを活用した教育を進めることで、都市部の大規模校と比較しても遜色のない学習環境とデジタル教材の活用などによって教育の質の向上を図り、児童生徒の学習意欲の喚起と学力の向上に役立てたいと考えている。
昨年十二月からは、豊富小との遠隔交流や遠隔授業なども行っており、本事業も三年目となることから、さらなる実践・研究に取り組んでいく。また、利尻中へはタブレット端末を整備し、ICT環境の充実を図る。さらに、仙法志小での実践・研究を踏まえ、沓形小学校への導入も検討する。
特別支援教育では、本年度も特別支援教育支援員を必要とする小学校に配置し、引き続き校内支援体制の整備を図る。
感謝と思いやりにあふれる豊かな心・健やかな身体を育む教育の推進では、道徳教育の充実や体験的な活動・奉仕活動・読書活動の推進、生徒指導・教育相談の充実や健康教育・食育の充実、安全教育の充実を推進する。
道徳教育については、改正学習指導要領に基づき、三十年に小学校、三十一年に中学校が教科化されることを見据え、適切に実施されるよう取り組んでいく。また、地域資源を活用した体験活動や朝読書などの読書活動、子どもたちの体力・運動能力の向上を図るために、全国体力・運動能力・運動習慣等調査への参加や、いじめ問題に対応するための生徒指導や教育相談体制の確立などにも取り組んでいく。
信頼に満ちた開かれた学校づくりの推進では、特色ある学校づくりの推進や小中連携・小小連携・小中高連携などの学校間の連携の推進、教職員の資質・指導力の向上などに取り組んでいく。
四月に開校する利尻中では、基本計画にコミュニティ・スクール制度を活用した学校づくりを掲げている。本年度は、利尻中にコミュニティ・スクールの導入を予定しているほか、町内小学校についても導入を検討する。
【心豊かに生き生きと学び、活力あるまちづくりを目指す人材を育成する社会教育の推進】
生涯各期にわたる学習活動の充実として、親子自然体験事業やブックスタート事業、利尻を探り知るための発掘探検隊やふるさとカレッジ、三世代交流事業や高齢者いきいき学級などの事業も引き続き実施する。
さらに、文化・芸術やスポーツ・健康の町づくりを推進するため、「劇団四季」利尻公演の利礼三町全小中高生の鑑賞や子ども文化の集い・町民芸能祭の開催、各スポーツ団体との連携による各種スポーツ教室の開催やスポーツ少年団への支援なども進めていく。
(市町村 2017-04-19付)
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