文科省委託研究開発学校―東川町が領域「Globe」創設 国際社会で活躍する人材育成 幼小中高1園6校連携(市町村 2017-04-20付)
【旭川発】東川町は、本年度から文部科学省の委託を受け、研究開発学校制度に取り組む。子どもたちの国際的教養を養うため、教科領域「Globe」(グローブ)を創設。町内の幼稚園、小学校、中学校、高校の七校・園の教育機関で、ALTなどを活用しながら、国際感覚を養い、国際社会に通じるコミュニケーション能力の育成を図る授業を展開する。
町は、子どもたちに自国の文化や伝統への理解を深めることや、異なる習慣や文化をもった人たちとともに生きていくためのコミュニケーション能力の育成を目指し、様々な取組を進めている。これらの取組を土台として、同制度の活用を図り、国際教育における初等・中等教育の一体的な教育課程の在り方について研究を進める。
対象の教育機関は、町内の幼稚園一園、小学校四校、中学校一校、高校一校となっている。
具体的な取組として、①教科領域「Globe」の創設および指導内容、指導方法、評価方法の研究②小学校における外国語活動、英語科のカリキュラム編成と幼小中高の英語教育の接続③外国語に慣れ親しみ、異文化理解を深めるための地域人材の有効的な活用④実施効果を高めるためのアンケート―などを行う。
◆小5・6年生で105時間充当
①については、教育課程を「ローカル」「グローバル」「コミュニケーション」の三分野で構成。授業時数に小学校一・二年生三十五時間、三・四年生七十時間、五・六年生百五時間、中学校一~三年生百六十時間、高校一・二年生百五十時間、高校三年生百十時間を充てる。
また、教科時間の対応については、小学校一・二年生は生活科と学校の裁量で対応する。小学校三・四年生は総合的な学習の時間と外国語活動、五・六年生、中学校一~三年生は総合的な学習の時間と外国語、高校一~三年生は特別活動と外国語の時間に替えて実施する。
②については、児童生徒の実態に即したCAN―DOリスト等の資料や教材を作成する。
◆地域人材の活用、アンケート調査も
③については、町在住のALT、国際交流員(CIR)、スポーツ国際交流員(SEA)を有効的に活用し、児童生徒との交流を図る。
④については、児童生徒などの意識調査や、保護者、学校、学校関係機関などを対象にアンケート調査を実施。成果と課題を明らかにするために、経年変化をデータ化し、成果と課題を明らかにする。また、経年変化をデータ化することで、校種間の接続におけるカリキュラム編成の見直しに役立てる。
一年目となる本年度は、新設する教科等の位置付けや内容、評価方法の細やかな検討、研究組織の設置などに取り組む。
そのため、町では、大学や道教委などで構成される運営指導委員会のほか、町教委や開発研究学校七校の管理職などで構成する研究推進連絡協議会、研究担当者や英語教員、ALTなどで構成する研究推進委員会、英語教育有識者や地域識見者などで構成する外部評価委員会などを立ち上げて取り組んでいく。
林万里教育長は「英語になじむ環境をいち早くつくることで、子どもたちの英語への苦手意識がなくなる」と述べた。また、「幼小中高を接続させて、国際社会に通じる、効果的な学校教育を展開させていきたい」と意気込んでいる。
※キーワード
▽研究開発学校制度=幼・小・中・高・特別支援学校等の教育課程の改善に向け、実証的資料を得ることを目的に、文科省が昭和五十一年から実施している制度。
指定を受けた学校は、学習指導要領等の教育課程の基準にとらわれず編成・実施が認められ、その実践研究を通じて新しい教科課程・指導方法を開発することができる。指定期間は原則四ヵ年。
(市町村 2017-04-20付)
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