札幌市教委　「人間尊重の教育」推進へ　３つの視点で豊かな心を　園・学校に配布し全体像示す

（市町村 2017-04-21付）

「人権尊重の教育」の推進（クリックすると拡大表示されます）

　札幌市教委は、「人間尊重の教育」の推進の全体像を示した資料を作成した。全市立園・学校に配布。豊かな心の育成に向けた人間尊重の教育に向けた三つの視点や、取組を示している。このほか、これまで取り組んでいる人権教育推進事業の中に、本年度から新たに位置づけた性に関する学習の研究等を紹介している。

　内容として、二十八年度全国学力・学習状況調査から、札幌市の子どもの現状を紹介。「自分には、よいところがある」と肯定的な回答をした割合が、小学校七四・六％、中学校六九・七％となっていることなどから、子どもの自己肯定感を一層高めていく必要があることや、多様な体験活動を通して、他人を思いやる心や生命を尊重する心を育むことを強調している。

　また、豊かな心の育成のための有効な取組の一つとして、人間尊重の教育を教育課程に位置付けて教科横断的な視点をもって指導の充実を図ることを挙げている。

　人間尊重の教育に向けた視点として、「校種間の連携による連続性のある人間尊重の教育の推進」「教師自らの人間尊重の意識の向上」「子ども自身が自分を振り返り、人間尊重の意識の高まりに気づく手立ての構築」―の三つを提示している。

　人権教育推進事業については、「アイヌ文化の体験的学習の研究」「性に関する学習の研究」など、研究推進校の研究について説明。毎年二月末に開催する札幌市人権教育フォーラムを通して各学校における実践事例の発信・受信を行っていることも紹介している。

(市町村 2017-04-21付)