東川町の学校給食センター　水育充実へ清掃方法変更　町産トドマツ由来の油吸着剤導入

（市町村 2017-04-24付）

各学校でデモンストレーションを行った

　【旭川発】道内で唯一、地下水を生活用水に活用している東川町は、四月一日から町内の小・中学校に設置している「グリース・トラップ」に関し、新たな清掃方法を取り入れた。町内のトドマツを原材料とした木質油着剤「トドマツくん」を使用。町の水環境の維持に努めるとともに、町が進める水育への一層の充実に期待を寄せている。

　「グリース・トラップ」は、食用油や残飯、野菜くずなどが下水道に流出することを防ぐ装置。学校では、給食室などに設置されており、定期的に清掃する必要がある。

　道内で唯一、町民が地下水を生活用水として利用している東川町では、水環境維持にかかわる教育「水育」を展開しており、水を大切にする観点から、今回、グリース・トラップの清掃方法を改めた。。

　新しく導入する清掃方法は、㈱ＴＭＣが開発した木質油着剤「トドマツくん」を使用し、校内の給食センターなどに設置しているグリース・トラップに溜まる油や浮遊物を取り除くもの。商品を手がけた同社は、トドマツの油吸着量と吸着速度に着目し、研究を重ねて、「トドマツくん」を開発。吸着速度が速いため、清掃作業時間とコストの削減につながる。

　三月下旬には、一斉導入を前に、東川小学校、東川第一小学校、東川第二小学校、東川第三小学校、東川中学校で清掃のデモンストレーションを行った。

　同社の鶴巻昌彦社長と宮道弘久顧問などが、各学校の給食センターを訪れ、グリース・トラップを清掃。給食センターなどの職員に「トドマツくん」の使用方法をレクチャーした。

　東川町教委の林万里教育長は「グリース・トラップは衛生面で、一番気を使わなければならないところ」と強調。その上で、「子どもたちの食の安全を守り続けていくとともに、町は自然豊かな場所であるということを子どもたちに気づかせることにつなげていきたい」と述べた。

(市町村 2017-04-24付)