〝連帯と協調〟で活力ある会に 札幌市小学校長会・野寺新会長あいさつ(関係団体 2017-04-24付)
あいさつに立つ野寺会長
札幌市小学校長会四月総会・研修会における野寺克美新会長のあいさつはつぎのとおり。
▼はじめに
札幌市教委は、二十九年度札幌市学校教育の重点において、目指す人間像を「自立した札幌人」とし、その実現に向け、「知・徳・体」の調和のとれた子どもを育む教育活動の推進を掲げている。各学校・園が札幌の豊かな環境を生かし、地域や学校の実態などに即した、特色ある教育課程の編成と実施によって実現するものと思う。
札幌市小学校長会としても、この方向性を大切にし、市民の学校教育に寄せる期待に応えるべく、校長としての職能向上に努め、本市教育の進展に寄与していきたいと思う。札幌市立学校の経営責任者の皆さんには二十九年度「活動の重点」の第一項にある、「学校経営の充実」を図るために、「主体的に裁量して実行する自主性」と「的確に判断し責任を負う自律性」を発揮する役割が求められている。
当面する取組や課題について、七点にわたってお話しする。
▼校長会の役割
小学校長会は、校長としての職能の向上を図り、会員相互の「連帯と協調」のもと、今日的課題に取り組み、事務局研修会、理事研修会、支部研修会、専門部研修会、四月・三月総会・研修会、経営法制研修会、二月研究大会と、一連のサイクルで活動することとなる。
十地区の支部研修会にあっては、当面する課題について各学校の状況を的確に把握し、必要な研修や交流などを重ね、会員が各校で学校課題の解決に向けて発信することができるよう、取り組んでもらいたいと思う。
七つの専門部研修会においては、様々な教育課題について、専門的な見地から積み重ねを生かして研修を深め、積極的に発信することによって、会員に還元してもらう。
校長会としての研修の場・交流の場の中心は支部研修会と専門部研修会となっている。そのためにも、正確な情報の把握と共有が必要。情報を多面的に分析して総合的に判断し、会員や関係機関に積極的に発信していくことが重要になる。
また、関係機関・民間団体・企業から、子どもたちのために協力したいという申し出が、多方面にわたって増加している。札幌市小学校長会に大きな期待が寄せられており、今後とも各団体等との連携を一層深めていきたいと思う。
▼子どもの安全・安心の確保
児童虐待・いじめ・問題行動等の報道が、後を絶たない。また、不登校児童の増加も懸念されている。
各学校において、関係機関との連携や地域社会、家庭の協力も得ながら、様々な方法を工夫して対応に取り組んでいることと思う。しかし、ことの背景が複雑化する中、その対応に苦慮している学校も増えている。
これまでの対応事例をもとにした具体的な取組を迅速かつ効果的に取り入れることが重要と考えている。市教委とも連携し、情報の共有化と、それをもとにした具体的な取組を継続的に進めていきたいと思う。
▼指導力向上の取組
次期学習指導要領改訂に向けた動きが進んでいる。新たな教育の動向についてアンテナを張りながらも、現在の自校の教育活動をしっかりと見直し、課題と改善策を明確にした実践を行っていくことが重要と考える。
本年度も、各校の「学ぶ力の育成プログラム」に基づき、子どもたちの「学ぶ力」をしっかりと向上させていくことが求められる。「学ぶ力の育成プログラム」の内容・手立て等をさらに充実させるよう、評価・改善を常に意識していくことが必要となる。教育課程編成の主体者の学校の力量が問われる時代となっている。
また、生涯を通じて運動に親しむ基礎を培い、進んで心身の健康の保持増進を図る力を育む「健やかな身体の育成」は、札幌市の喫緊の重要課題。「さっぽろっ子“健やかな身体”の育成プラン」に基づき、各校において、より効果的な「健やかな身体の育成プログラム」を策定し、子どもたちが健康の素晴らしさを実感しながら、体力の向上を体感していく取組を一層推進していこう。
各学校においては、校内外での「研修・研究」をより充実させ、教職員一人ひとりの資質・能力の向上を図るとともに、組織体としての学校の教育力の向上を目指していかなければならないと考えている。
▼服務規律の確保
このところの相次ぐ教職員の不祥事に伴い、前年度は管理職の緊急集会や若手教員に対する研修等が行われた。校長会としても緊急アピールを出すなど、その根絶を誓い合った。
学校は、「信用・信頼関係」を前提に成立している。教職員に対してたゆまぬ指導を続けていく必要がある。
私たち校長も、教育公務員として、学校経営のリーダーとしての自覚をさらに高め、「率先垂範」を心がけていかなければならない。
▼全国連合小学校長会研究協議会佐賀大会、道小宗谷・稚内大会について
ことしの九月八・九日に、第六十回道小学校長会教育研究「宗谷・稚内大会」が、また、十月十二・十三日には、第六十九回全国連合小学校長会研究協議会「佐賀大会」が開催される。校長会としても、道小学校長会・全国連合小学校長会との連携をさらに強め、全力を傾注していきたいと思う。会員の皆さんには、支部・専門部から参加者を出してもらい、力を貸してもらうことになるが、開催の趣旨と意義を十分に踏まえ、理解をいただきたい。
▼指定都市小学校長会研究協議会・川崎大会について
十一月九・十日に、第七十一回指定都市小学校長会研究協議会「川崎大会」が開催される。前年度開催された「さいたま大会」の成果と課題を受けての、川崎市での開催となる。大都市が共通してかかえる諸問題、県費負担職員からの移行など、様々な情報を札幌にもち帰り、各学校に還元したいと考えている。
参加者は市小事務局からだが、前年度から、次年度以降の市小の活動に還元できるようなメンバーで参加している。
▼今後の「校長会」の方向性について
校長会の組織の在り方については、前年度、五回にわたり組織運営検討委員会で検討を進めてきた。全連小とのつながりを維持し、道小との連携協力も維持しつつ、「一緒にできること、互いに進めていくこと」を見極めながら、検討を続けていく取組もあることなどが確認された。
校長会は札幌市教委との一層の連携強化を目指していく。「中間答申」を受けて、各専門部の今日的な課題の取組が札幌市教委の施策とどうかかわっていくか、共同研究推進の充実・強化をどう図っていくかをすでに提示した。先鋭的な研究や実態調査など、札幌市の施策の推進に寄与していく共同研究推進の運営に力を入れたいと思う。
さらに、前年度、校長会では、「チームとしての学校」の具体化を活動の一つの柱に掲げていた。すでに本格実施となった「用務員主任制度」だが、各支部研修会において事前説明してもらったこと、その後の制度に対するあと押しがエリア支援等の活発化につながった。本年度からは、「学校事務の共同実施」の試行も始まった。校長会としても引き続き、「チームとしての学校」の具体化に力を注いでいきたいと思う。
▼むすびに
不易と流行の二つの観点から、今後の教育の動向を確実に見据え、学校の果たすべき課題の解決を見通す必要がある。自らの教育理念と豊かな見識に基づき、一層の「連帯と協調」のもと「情報を共有」し、「研鑚」を重ね「活力ある校長会」を目指していきたいと思う。
お互いに健康に留意していこう。一年間よろしくお願いする。
(関係団体 2017-04-24付)
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