近代美術館「大原美術館展Ⅱ」開幕 見ごたえのある作品集結 50作家71点、珠玉の名品を―6月11日まで
(道・道教委 2017-04-27付)

近美大原美術館展展示
初日から多くの美術ファンが訪れた

 日本初の本格的な西洋美術館、大原美術館(岡山県倉敷市)のコレクションを紹介する特別展「大原美術館展Ⅱ」が二十二日、道立近代美術館で開幕した。大原美術館コレクションの根幹ともいえる一九二〇~三〇年代にスポットを当て、五十作家七十一点の珠玉の名品の数々を紹介。初日から多くの美術ファンが訪れ、絵画や陶芸など近代の名作に熱心に見入っていた。六月十一日まで。

 大原美術館は一九三〇(昭和五)年、西洋美術を紹介する日本初の本格的美術館として開館した。美術館の生みの親は、倉敷絹織(現クラレ)を創業した実業家の大原孫三郎と、本場フランスで認められ、将来を嘱望された洋画家の児島虎次郎。美術館の基礎となる美術品の収集は、およそ百年前、「日本で洋画を学ぶ人々のために本物の名画を」という児島の願いに応えて、大原がその財を投じることによってスタートした。

 大原美術館展が北海道で初開催されたのは平成二十四年。前回は近代から現代まで幅広い時代の作品を紹介したのに対し、今回は大原美術館コレクションの根幹ともいえる一九二〇~三〇年代に活躍した作家に焦点を当てた。

 ピカソやルオー、藤田嗣治らヨーロッパを代表する作家から、佐伯祐三、岸田劉生、梅原龍三郎ら国内の洋画家まで、五十作家七十一点の珠玉の名品の数々を紹介。

 また、児島の初期から晩年の油彩十二点も出品されているほか、英国出身の陶芸家バーナード・リーチ、河井寛次郎ら民芸運動を支えた陶芸家の作品も展示している。

 二十二日に行われた開会式には、近代美術館の嵐田昇館長のほか、来賓として、大原美術館の大原あかね理事長と大原謙一郎名誉理事長、道教委の田澤由利委員らが出席。

 冒頭あいさつに立った嵐田館長は「大原美術館が同じ美術館で二度、コレクション展を開催するのは初めてという。多くの方々にご覧いただきたい」と呼びかけた。

 大原美術館の大原理事長があいさつ。「札幌で私ども大原美術館展の二回目の開催となり、本当にうれしく思う。一足先に会場を見させてもらったが、うちの作品がこんな顔を見せるんだ、そんな演出をしていただいた。一人でも多くの方に見ていただきたい」と述べた。

 続いて、嵐田館長、大原美術館の大原理事長と大原名誉理事長、道教委の田澤委員らがテープカットを行い、開会を祝った。

 このあと、オープニングを記念し、大原美術館の吉川あゆみ主任学芸員が案内役を務め、ギャラリー・ツアーを開催。多くの来館者が説明・解説を聞きながら、熱心に作品を鑑賞。注目作品の一つ、藤田嗣治の《舞踏会の前》は一昨年末に修復が終わったばかりで、来館者は藤田特有の「白い肌」の表現に見入っていた。

 また、午後からは大原美術館の柳沢秀行学芸課長が「両大戦間の美術―大原美術館コレクションを中心に」と題し講演。同展の出品作を紹介しながら、一九二〇~三〇年代のヨーロッパと日本の美術動向について解説した。

 六月十一日まで。毎週月曜日休館。

 同展の観覧料は、一般一千三百円、高大生七百円、中学生五百円、小学生以下無料(要保護者同伴)。

 問い合わせは同館(電話〇一一―644―六八八二)まで。

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近美大原美術館展テープ
嵐田館長、大原美術館の大原理事、道教委の田澤委員らがテープカットを行った

(道・道教委 2017-04-27付)

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