全道代表高校長研究協議会で道教委所管事項説明③
(道・道教委 2017-04-28付)

《健康・体育課②》

【夜間学校給食の基本献立】

 道教委では、民間委託を契機として、二十年度から基本献立を作成している。夜間学校給食は、働きながら学ぶ青年の身体の健全な発達に資するため、文部科学省の夜間学校給食摂取基準に基づく栄養バランスのとれた学校給食の提供はもとより、生徒が夜間学校給食を通して、日常または将来の食事づくりにつなげることができること、地場産物や郷土料理を積極的に取り入れ、生徒が郷土に寄せる心を育ませたり、地域の食文化の継承につながるように配慮し、実施することとなっている。

 道教委では、こうした観点を踏まえるとともに、一食当たりの単価、調理方法、調理時間等に配慮するなど、各学校で使用しやすい基本献立の作成に努め、提供している。

 各学校においては、道教委の基本献立を活用していただき、食事内容の充実を図るとともに、夜間学校給食を活用した食育の推進に努めていただきたい。

 また、日ごろから安全な学校給食の提供に努めていただいているが、引き続き、食物アレルギー対応や異物混入事故等の防止について、今一度、危機管理体制を確認し、対応いただきたい。

《学校教育局参事(生徒指導・学校安全)》

【いじめの問題等への取組】

▼「いじめの防止等のための基本的な方針」の改定および「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」の策定

 二十九年三月二十一日付教生学第一一八九号通知「〝いじめの防止等のための基本的な方針〟の改定および〝いじめの重大事態の調査に関するガイドライン〟の策定について」を発出した。

 道教委としては、「北海道いじめ問題審議会」において検討した上で、今後、校長協会等と連携し、意見等をいただきながら、本年度中に「北海道いじめ防止基本方針」の見直しを行うこととしている。

 各学校においては、年度の早い段階において、上記方針の改定およびガイドラインの策定について校内研修会等を実施し、地域および学校の実情に応じた基本的な方針の見直しや、「いじめの重大事態の調査に関するガイドライン」に沿った重大事態への対処等、必要な措置を講じていただきたい。

〈改定の主なポイント〉

▽「学校いじめ防止プログラム」の策定

▽「早期発見、事案対処のマニュアル」の策定

▽加害生徒が抱える問題を解決するための具体的な対応方針

▽学校のいじめ対策組織の役割の明確化と体制整備

▽いじめの問題に関する校内研修の実施(年に複数回)

▽学校いじめ防止基本方針に基づく取組の実施状況等の学校評価の評価項目への位置付け

▽保護者や地域住民が学校いじめ防止基本方針の内容を容易に確認できるような措置、その内容の入学時・各年度の開始時における生徒、保護者、関係機関等への説明

▽「いじめの防止等の対策のための組織」への外部人材(スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、弁護士、医師、警察官経験者など)の参画

▽いじめの情報共有の徹底およびいじめにかかる情報を教職員が学校いじめ対策組織に報告する義務

▽いじめの「解消」についての二つの要件

①いじめにかかる行為が止んでいる(少なくとも三ヵ月を目安とする)。

②被害生徒が心身の苦痛を感じていない。

▼いじめの実態把握およびその対応状況等調査

▽いじめの把握のためのアンケート調査(年二回―六月ころ、十一月ころ)

▽いじめの問題への対応状況の調査(年三回―七月ころ、十月ころ、十二月ころ)

▽いじめの問題への取組状況の調査(年二回―六月ころ、十二月ころ)

 二十八年四月八日付教生学第三〇号通知「指導資料「〝いじめアンケート調査の適切な実施に向けて〟について」を参考に準備していただきたい。

▼いじめ未然防止モデルプログラム

 「いじめ未然防止モデルプログラム(二十九年三月版)」を作成し、ウェブページに掲載予定。

 本プログラムは二十八年度をもって終了する。

 高校におけるいじめ未然防止プログラムの作成割合は四三・九%(二十七年度)にとどまっている。

 各指定校の実践を参考に、本モデルプログラムの自校での実践を進めていただきたい。

〈モデルプログラムの活用例〉

▽「活動例のマトリクス」「年間の取組計画例」「活動例」などの指定校の取組を参考にして、自校の教育実践を整理し、取組の重点化を図ったり、取組の関連を明確にしたりする。

▽本モデルプログラムの「項目」や「観点」を参考にして、自校のいじめの未然防止に向けた取組を点検・評価し、必要な改善を進める。

▽活動例や指定校の取組を参考にして、活動内容を工夫したり、新たな活動を実践したりする。

▼不登校生徒への支援の在り方

 児童生徒理解・教育支援シートを活用するなど、組織的・計画的な不登校生徒への支援や相談窓口を周知していただきたい。

【二十八年度児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査】

 二十九年三月二十四日付事務連絡によって調査の実施に向けて準備していただきたい。

【被害に遭うおそれがある児童生徒の状況把握】

 被害に遭うおそれがある児童生徒の状況を把握するため、つぎの類型によって報告するよう、二十七年七月に通知を発出した。

▽類型1=病気やけがなどの正当な事由がなく七日間(授業日)以上連続して欠席し、学校が児童生徒本人の状況を確認できないことから、被害のおそれがあるもの。

▽類型2=学校外の集団(成人が主たる構成員であると思われるものを含む)とのかかわりの中で、被害のおそれがあるもの。

▽類型3=病気やけがなどの正当な理由はあるが、三十日間(授業日)以上連続して欠席し、学校が家庭訪問等を行っても、児童生徒本人と対面で会って状況を確認することができないもの。

 当該事案が発生した場合、各学校においては、速やかに報告するとともに、状況に応じた支援体制を構築し、適切に対応いただきたい。

【スクールソーシャルワーカー活用事業】

 二十九年度は六人配置予定。各学校において、積極的に活用いただきたい。

【ネットトラブルの未然防止】

▼「ネットパトロール講習会」等

 本年度も、教職員等を対象とした「ネットパトロール講習会」および「子どもたちをネットトラブルから守るための保護者向け学習会」をすべての管内において実施予定(四~十一月の間)。

 実施の際に、会場の提供や講師等の調整等への配慮および保護者の積極的な参加を呼びかけていただきたい。

【自殺が起きたときの対応等】

 二十六年七月一日に文科省から出された「子どもの自殺が起きたときの背景調査の指針(改訂版)」を参考に、万が一、生徒の自殺または自殺が疑われる死亡事故が起きた場合に、速やかに背景調査を実施できるよう、万全の備えをお願いする。

【命を大切にする教育の一層の充実】

 二十八年度は、男女関係の悩みや家族からの叱責が原因と考えられる自殺未遂が多く発生した。

 各学校においては、二十九年三月二十七日付教生学第一二一六号通知によって各学校に配布した、教職員向け資料『自殺予防教育の実施に向けて(その1)』を積極的に活用するとともに、つぎの点に留意し、命を大切にする教育の充実に取り組んでいただきたい。

〈留意事項〉

▽学校の教育活動全体を通じて、生徒に自分の命、他の人の命それぞれの尊さを理解させるとともに、人を傷つけたり危害を加えたりすることは、人間として絶対に許されないことを強く認識させる指導を行うこと。

▽思春期にある生徒は、心が揺れ動きやすいことから、日ごろから、生徒の発する小さなサインを敏感に受け止めるとともに、家庭訪問や個人面談等を継続的に実施するなど、生徒の悩みなどについて共感しながら相談に応じる体制づくりに努めること。

▽生徒の心の不安や悩み、ストレスなどに迅速かつ適切に対応できるよう、家庭はもとより、児童相談所や医療機関等の関係機関と連携した支援体制を確立すること。

【交通安全指導の徹底】

 新学期を迎え通学等で自転車を運転する機会が増え交通事故の発生が懸念される。

 各学校においては、「自転車安全利用五則」を踏まえた、交通規則の順守についての指導や、損害賠償保険への加入の働きかけをお願いする。

〈自転車安全利用五則〉

①自転車は、車道が原則、歩道は例外

②車道は左側を通行

③歩道は歩行者優先で、車道寄りを徐行

④安全ルールを守る

⑤子どもはヘルメット着用

 二十七年六月から、危険な違反行為を繰り返す者に対する自転車運転者講習受講の義務化と講習を受講しない場合の罰則規定が十四歳以上の自転車利用者に適用された。各学校において、生徒に対して制度の周知と自転車の安全利用について、あらためて指導いただきたい。

【学校安全の充実】

 道教育推進計画の目標指標において、目標年度である二十九年度までにすべての公立学校において防犯教室および防犯訓練を実施することとしている。

 二十六年度の実施状況は、高校においては四割に満たない状況。

 二十八年五月、防犯教室および防犯訓練の実施方法や実施形態の参考例を提示した。参考例に基づき、実施方法等を工夫するなどして、警察等の関係機関と連携した防犯教室および防犯訓練について確実に実施していただきたい。

【学校安全表彰(文部科学大臣表彰)】

 二十八年度には、根室高校が受賞した。各学校において、日ごろから組織的、計画的な学校安全の実践に取り組んでいただきたい。

 対象校がある場合には、積極的に推薦していきたいと考えている。

【非行事故・一般事故】

▼道内公立高校(札幌市立を除く)における非行事故(速報)の状況

 二十八年度の非行事故は、対二十七年度比九件増の六十九件。

▼道内公立高校(札幌市立を除く)における一般事故死および交通事故死(速報)の状況

 二十八年度の一般事故死は、対二十七年度比三人増の七人。交通事故死は、二十七年度の四人に対し、二十八年度はゼロだった。

【事故速報】

 二十六年三月三十一日付事務連絡「事故速報の基準について」によって報告いただきたい。

 いじめの重大事態やわいせつ、家出などは、事実が判明した時点で、速やかに事故速報を提供していただきたい。

《新しい高校づくり推進室》

【公立高校配置計画の策定】

 公立高校配置計画(三十~三十二年度)について検討中(計画案公表は例年どおり六月の予定)。

 五月十二日まで、通学区域ごとに地域別検討協議会を開催する。

【新しいタイプの高校づくり】

▼単位制の新規導入

 本年度、新たに岩内高校の普通科、根室高校の普通科および商業科に単位制を導入した。

 全日制の専門学科に単位制を導入するのは、道内では初。

 三十年度は、小樽市内新設校の工業科および商業科に単位制を導入予定。

 全日制の専門学科に導入される単位制については、パンフレット等で「全日制専門学科単位制」と表記する。

▼教育課程の編成・実施

 総合学科校および単位制、フィールド制の導入校において、系列の見直しや選択科目の大幅な増減など教育課程を変更する場合は、早い段階から推進室に相談いただきたい。

 生徒の興味・関心、進路希望等に応じた幅広い科目の開設、習熟度別指導やチーム・ティーチングによるきめ細かな学習指導の充実を図るとともに、教育課程編成がそれぞれのタイプの趣旨を踏まえ、対外的に説明責任を果たせるものとなっているか、点検していただきたい。

▼広報活動

 新年度において、ホームページの更新や学校案内のパンフレットを作成する際には、それぞれのタイプの特色が保護者や中学生に、より分かりやすいものとなるよう、工夫改善を図っていただきたい。

【地域キャンパス校・センター校】

 昨年度、遠隔システムの多地点接続の機能を活用して、厚真高校と穂別高校、虻田高校の三校が生徒会交流を実施。豊富高校と稚内高校、礼文高校が特別支援教育センターと結んで、特別支援教育に関する合同の研修を実施した。

 昨年三月に取りまとめた「地域キャンパス校の教育環境の充実に向けて」に基づき、引き続き、遠隔システムの積極的な活用や学校間連携の促進、地域との連携の充実などに努めるとともに、学校の魅力を積極的に発信していただきたい。

【道立学校間連携】

 昨年度までは、道立の高校間における連携であったが、本年度から、特別支援学校も含めて、道立学校間の連携が可能となるよう要綱を改正。

 近隣の道立学校が連携し、相互に教員を派遣することによって教育活動の一層の充実を図っていただきたい。

 本年度、本制度を活用予定の学校については、年度の途中からでも構わないので、当室に連絡いただきたい。

【小規模総合学科等の新たな魅力づくり推進事業】

 小規模となった総合学科等の創意工夫を生かした取組を支援するため、昨年度は、該当するすべての十六校で実施した。

 指定校においては、昨年度同様、魅力ある学校づくりに向けて、本事業を効果的に活用していただきたい。

【通学費等補助制度】

 道立高校の再編に伴い、二十年度から実施している「高校生徒遠距離通学費等補助事業」については、二十八年度において、七十七人(三月末現在)を補助金の交付決定者とした。

【「新たな高校教育に関する指針」に替わる「新しい指針」】

 指針の作成に当たっては、現在、道教育推進会議高校専門部会において議論するとともに、中高生やその保護者などを対象に実施した高校進学などに関するアンケート調査について集計・分析を行っている。

 今後はさらに、地域からの要望などを踏まえ、議論を深めて本年秋までに素案を示し、本年度末を目途に新しい指針を作成する予定。

 高校専門部会における議事録等は当室のホームページで逐次、公開する。

《総務課》

【私費会計の適正な処理および金銭事故の防止】

▼学校徴収金など私費会計事務の取り扱い

 学校徴収金など私費会計事務の取り扱いに当たっては、不適切な事務処理や現金の紛失等を防止するため、つぎの点に留意し、職員を指導いただきたい。

①出納の確認や検査報告は、すべての会計について必ず行う。

②徴収金は、年間教育計画をもとに必要となる内容や経費を的確に算定し、保護者に不要な負担を求めない。

③学校徴収金に未納が発生した場合は、管理職員の主導のもと学校全体の問題として取り組む。

④現金で納入のあった徴収金等については、速やかに金融機関の口座に預託することとし、やむを得ず金庫に保管する場合は、常に施錠し、出し入れの記録管理を徹底する。

▼生徒等を対象とした講演会、研修会等の事業実施

 生徒等を対象とした講演会、研修会等の事業実施に当たっては、講師等とのトラブルを防止するため、つぎの点に留意し、職員を指導いただきたい。

①講演等の内容、謝金・旅費の支払額や支払方法などの条件については、講師にあらかじめ伝えて了解を得るとともに、内諾後は正式な文書によって依頼し、事前に承認・承諾書を徴する。

②講師委嘱に伴う手続きについては、担当教員等の独断で進めることなく、管理職員や関係職員の決裁を受けて行う。

【文書事務の適切な処理】

 文書事務の適切な処理については、本年一月二十七日付教総第一八五六号で道立学校にも通知し、個人情報が含まれる郵送物の送付に当たっての確認事項を順守し事務を取り進めるなど、個人情報の取り扱いに万全を期すようお願いした。

 道立学校においては、特に、入学者選抜の業務での誤送付がないよう個人情報の適正な管理を徹底し、複数体制でチェックするなど、取り扱いに注意を要する情報が含まれている事務について特に慎重に処理するよう周知したが、入学者選抜以外にも、生徒等の個人情報を取り扱う機会があると思われるので、今後も同様に注意していただきたい。

 同日付教総第一八五七号通知では、個人情報送付時におけるチェックリストを添付しているので、「個人情報送付時におけるチェックの視点」に記載されたチェック項目を確認しながら作業を行い、チェックリストに必要事項を記載するようお願いする。

 これまで、本庁、教育局および道立学校を除く所管機関において実施してきた「管理職員による文書管理状況の職場一斉点検」については、本年度から道立学校にも対象を拡大して、五月に実施する予定。

 詳しくは追って知らせるが、この機会に一斉点検を実施していただくことはもとより、日ごろにおいても、点検票を活用するなどして文書管理の状況をチェックしていただきたい。

 また、二月八日付教総第一九二三号で通知したとおり、個人情報を含む文書の取得や管理、送付、廃棄など一連の取り扱いについて確認するとともに、その都度、ダブルチェックを徹底するなど、個人情報を含む文書の取り扱いについて万全を期すようお願いする。

 公文書の廃棄については、昨年度当初も周知したが、児童生徒に関するアンケートも公文書に該当するものであること、文書編集保存分類表に基づき、保存期間が満了するまで適切に保存することなどの点について、引き続き留意いただきたい。

《施設課》

【学校における火災予防の取組】

 本年度に入って、道立高校において火災が発生。火災警報装置の発報後、職員の初動体制によって大事に至らなかったが、一歩間違えればと考えたとき、非常に危機感を覚える事態である。

 各学校においては、新年度の新しい学校体制において教職員および生徒に対する校内防火体制等にかかる指導を徹底するとともに、日常的に校舎等の点検に努めるなど、火災の予防に万全を期すよう取組を進めていただきたい。

《教職員課》

【教職員の服務規律の保持】

 教職員の服務規律の保持については、従来から機会あるごとに注意を喚起してきたが、依然として教職員による不祥事が後を絶たない状況にある。

 二十八年度においては、懲戒免職処分六件を含む百十七件の懲戒処分を行っており、懲戒処分件数は減少傾向にある。しかしながら、飲酒運転やわいせつ行為等の重大事故が発生するなど、道民の学校教育に対する信頼を著しく損なう、憂慮すべき状況が続いている。

 飲酒運転については、一昨年、「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」が制定され、昨年七月に「道立学校教職員の飲酒運転根絶に向けた〝決意と行動〟」を定め、道民を挙げて飲酒運転の根絶に取り組んでいる中、二十八年度においては、五件の懲戒処分を行っており、うち三件は「決意と行動」策定後に発生するなど、憂慮すべき状況にある。

 今後とも、教職員一人ひとりが、「飲酒運転をしない、させない、許さない」という条例の理念を深く心に刻むよう、「決意と行動」に基づく飲酒運転の根絶に向けた取組について、指導を一層徹底していただきたい。

 また、体罰は、児童生徒の人権や人格を侵害する行為であり、学校教育法によって厳に禁止されている行為である。現在、実態把握について精査中ではあるが、調査五回目となる二十八年度においても、複数件数の未報告事案が判明しており、二十八年度の処分件数も一昨年度とほぼ同数となる見込みである。

 体罰の防止については、教職員の認識を深める校内研修等の取組を確実に実施するとともに、事故を確実に把握するための校内体制の点検や、体罰を起こさないような生徒への接し方の指導と改善状況の確認、体罰が発生した場合の児童生徒や保護者に対する説明等を徹底していただきたい。

 学校教育は、児童生徒や保護者、地域住民との信頼関係の上に成り立っているものであり、また、児童生徒の教育に直接従事する教職員には、一般の公務員に比べてより高い倫理観が求められており、全体の奉仕者として公共の利益のために職務を遂行すべき責務を負っていることから、所属職員への指導を徹底し、不祥事の未然防止と服務規律の保持に万全を期していただきたい。

【学校職員の勤務時間にかかる制度改正】

 時間外勤務の縮減を図る観点などから、「修学旅行の引率業務等に従事する道立学校職員の勤務時間の割振り等に関する要領」の一部を改正し、本年四月から、「家庭訪問の業務」および「教育相談の業務」を新たに対象の業務に加えるとともに、「文化祭、体育祭等の事前準備業務」について、対象となる期間を一週間前から二週間前に拡大した。

 当該要領改正に併せて、質疑応答集も改正して通知しているので、積極的な制度の利用に努めていただくとともに、取り扱いに誤りのないようお願いする。

 また、「道学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」等の一部を改正し、本年四月から、三時間四十五分の週休日の勤務時間の割振り変更ができるよう制度改正を行った。

 この三時間四十五分の勤務時間の割振り変更ができる業務は、週休日の振替を直近の長期休業期間まで振り替えることができるとする「週休日の振替等にかかる振替期間の特例」の対象の業務と同じである。また、四時間の勤務時間の割振り変更と三時間四十五分の勤務時間の割振り変更を組み合わせる場合に限り、同一の勤務日の割振り変更を行うことができるものであるので、その点に留意の上、教職員の週休日の確保に努めるようお願いする。

 このほかの制度改正では、教職員が高体連・高文連など、学校の教育活動に位置付けられている大会を開催する団体の業務で、生徒が参加する大会等の運営にかかる業務の職務専念義務免除について、従前は、同一年度、十日までを学校で処理できるとしたものを、学校における業務負担軽減などの観点から、本年四月以降、二十日までとした。

 各学校において職務専念義務免除を認めるのに当たって、勤務日は給与上、有給とされており、基本的には、道民の方々のために職務を行い、その対価として税金から給与をもらっているところ、職務を免除されながら給与が支払われていることを踏まえ、校務優先の原則に照らして必要最小限とすること。

【教育職員の時間外勤務等の縮減】

 教育職員の時間外勤務等の縮減について、初めに、部活動にかかわってであるが、本年二月七日付で文化系の部活動を含めた「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ事項」を通知した。

 当該申し合わせ事項では、望ましい部活動の在り方として、

①週一日程度は休養日を設けること

②授業日においては、放課後の二~三時間程度で活動が終わるようにすること

③休日においては、早朝から終日にわたる活動を極力避け、半日程度でも効果的な活動ができるようにすること

④可能な限り、複数顧問の配置を検討すること

 ―を掲げ、各学校で取り組むこととしているので、徹底に努めていただくようお願いする。

 また、厚生労働省の本年一月のガイドラインや文部科学省の二月の事務連絡などを踏まえ、二月二十一日付で、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」について通知した。

 各学校においては、管理職員による所属職員の業務従事時間や業務内容の把握や長時間労働の解消に努めるようお願いする。

 なお、道教委においては、他府県の状況を把握し参考にするとともに、時間外勤務等縮減推進会議で議論するなどし、把握・記録の方法について検討し、別途皆さんに伝える考えである。

【セクシュアル・ハラスメントおよびパワー・ハラスメント等の防止】

 本年一月に「妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメントの防止等に関する指針」、いわゆるマタニティ・ハラスメントの防止に関する指針を策定して、道立学校あて通達している。

 セクシュアル・ハラスメントを含むこれらハラスメントの防止については、職員がその能力を十分に発揮できるような、良好な執務環境づくりを推進するため、防止に関する指針を施行し、各学校で取り組んでいただいているが、これらの指針を参考に、ハラスメントに対する正しい認識をもった上で、自らの言動や部下職員の言動が、セクハラ、パワハラ、マタハラに該当しないか十分注意を払い、未然防止に努めていただきたい。

 特に、パワハラについては、昨年度、議会議論もあり、国の働き方改革実現計画にも盛り込まれるなど世間の関心を集めている。

 過去に、道立学校の管理職における懲戒処分事例があるほか、管理職によるパワハラに該当するのではないかと相談される事例、パワハラにまで至らないものであっても、職員の自尊心を傷つけるような不適切な指導について相談される事例もある。

 職員に対する指導の目的は、相手が納得して、今後、行動や考え方を改めること、仕事をうまく進めるようにすることにある。そのためには、相手が納得できるように冷静かつ丁寧に仕事の仕方を教えたり、注意することも必要である。

 職員がもっている力を十分発揮させることができる職場環境づくりの観点からも、パワハラや強過ぎる指導には注意していただくようお願いする。

《道立教育研究所》

【道研の主な事業】

 本道教育の研究・研修機関の中核として、生徒の教育に直接携わる教員の資質・能力の向上を図るため、各種事業に取り組んでいる。

▼研修事業

▽学校経営等に関する研修の充実

 学校経営等に関する研修については、つぎのとおり系統的に講座を開設する。

・経験年数二年以上の校長を対象とした「校長経験者研修」

・副校長または経験年数二年以上の教頭を対象とした「副校長・教頭経験者研修」

・主幹教諭、教務部長、教務主任等を対象とした「学校運営〝ミドルリーダー養成〟研修」

・経験年数二十年以上の教諭を対象とした「若手教員への指導力向上研修」

 将来、管理職や指導主事として期待される教員等に対し、積極的に受講を奨励していただきたい。

▽本道の広域性等に対応した研修の充実

 「管内研修センター等連携」研修(ミニ道研)については、本年度からすべての管内の会場で遠隔システムを活用し、道研所員が道研会場から講義等を配信し、配信先となる各管内の研修会場で受講していただく。

 ミニ道研の開催においては、会場使用の許諾・調整に当たり、多大なる理解、協力をいただいたことに感謝する。

 ミニ道研では、複数会場を同時に接続し、講師や他会場の受講者とリアルタイムでやりとりを行う「ワークショップ型の遠隔研修」を展開する。

 研修会場を引き受けていただく学校については、管内教育の一層の充実に資する教員の実践的指導力の向上を図るというねらいを理解の上、協力をお願いする。

▽講師派遣について

 講師の派遣対象を全道、管内および市町村の校長会・教頭会、管内規模の教育研究所・教育(研修)センター、全道および管内規模の教科等研究機関・団体としている。そのため、学校からの講師派遣要請については、フリープラン研修等を活用いただきたい。

 その他の校内研修講師派遣については、各教育局高校教育指導班に相談していただきたい。

 なお、講師派遣の申込については、第一期(六・七月)は四月末日まで、第二期(九~十二月)は七月末日までとしている。

▼調査研究事業

 道研では、本道の学校教育の喫緊の課題の解決を目指し、今日的な教育課題にかかわる様々な研究を行ってきた。昨年度は、「いじめの未然防止に関する研究」など六つの研究に取り組み、そのうち五つの研究が完結した。

 参考として、昨年度完結した研究を含め、過去五年分のこれまでの研究テーマを紹介するので、研究成果を積極的に活用いただきたい。

▼研究相談事業・教育相談事業

 学校の研修や研究を支援する研究相談および生徒や保護者の悩み等の解決を支援する教育相談を実施している。

 教育相談については、来所、メールの相談窓口があり、生徒や保護者に周知いただきたい。

【附属情報処理教育センター】

 本年度、ICT活用、学校のネットワークシステムの構築・運用管理、学校Webページの作成・運用管理のほか、商業、工業に関する内容など、五つの研修講座を実施する。すべての研修講座で高校の先生方を対象としている。

 また、工業科、商業科、総合学科の道立学校を対象に、生徒実習システムを提供しているので、活用いただきたい。

【附属理科教育センター】

 昨年度、小学校教員を対象とした地域開催講座を、全道六管内の高校で実施した。会場を引き受けていただいた高校に感謝する。

 本年度も同講座を、全道六管内の高校(室蘭栄、紋別、稚内、余市紅志、釧路湖陵、旭川西)を会場として実施する予定。

 小学校理科校内研修支援事業では、高校の理科教員を小学校の校内研修の講師として実施する予定。詳細については、決定次第連絡するので、教員の派遣に特段の配慮をお願いする。

 また、本年度は、薬品取扱講座を遠隔システムを活用し、道研と佐呂間高校の二会場で実施する予定である。

(連載おわり)

(道・道教委 2017-04-28付)

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(2017-04-27)  全て読む

子どもの学力・生活習慣改善へ 各管内で研修会を開催 講演、シンポジウムなど―道教委

 道教委は本年度、各管内で「子どもの学力・生活習慣改善研修会」を開催する。学校・家庭・地域・行政関係者を対象に、子どもの学力・体力向上、生活習慣改善に向けた講演やシンポジウム等を開催。地域一...

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近代美術館「大原美術館展Ⅱ」開幕 見ごたえのある作品集結 50作家71点、珠玉の名品を―6月11日まで

近美大原美術館展展示  日本初の本格的な西洋美術館、大原美術館(岡山県倉敷市)のコレクションを紹介する特別展「大原美術館展Ⅱ」が二十二日、道立近代美術館で開幕した。大原美術館コレクションの根幹ともいえる一九二〇~...

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