全道代表高校長研で道教委所管事項説明②
(道・道教委 2017-04-27付)

《高校教育課②》

【進路指導】

▼二十九年三月公立高校卒業者の就職決定状況(三月末現在、道教委調査)

 就職希望生徒数は、前年同期比二百五人減の八千五百九十四人、就職決定生徒数は、百五十人減の八千四百三十人、就職未決定生徒数は、五十五人減の百六十四人、就職決定率は、〇・六ポイント増の九八・一%となっている。

▼就職未決定のまま卒業した生徒に対する指導

 各学校においては、就職が未決定のまま卒業した生徒の状況を把握し、国や道が行う就職支援策を情報提供したり、ハローワークやジョブカフェ北海道が行う就職相談等の活用を働きかけたりするとともに、進路相談員を積極的に活用するなどして、就職支援の取組に努めていただきたい。

▼進路相談員

 各学校においては、生徒への個別面接や進路講話、教職員へのカウンセリング手法等の研修や保護者への職業講話の実施のほか、企業が求める人材等の情報収集や求人の開拓、さらにはワークルールについての講話などに、各教育局に配置している進路相談員を積極的に活用いただきたい。

▼就職支援教員

 「就職指導の改善に関する研究実施要項」に基づき、本年度は、月形高校、上磯高校、七飯高校、美瑛高校、清里高校、白糠高校の六校を指定し、就職支援教員を配置。

 各指定校においては、近隣の研究協力校と連携し、就職指導の改善に取り組んでいただきたい。

 昨年度、指定校であった学校においては、取組の成果を広く普及するとともに、蓄積したノウハウを生かして、引き続き、就職指導の充実に努めていただきたい。

▼三十年三月新規高校卒業者の就職に関する事項

 三十年三月新規高校卒業者の就職に関しては、本年一月末に開催された道高校就職問題検討会議において、「三十年三月新規高校卒業者の就職に関する申し合わせ」がなされ、二十九年二月二十日付教高第二〇七一号で通知した。

 三十年三月新規高校卒業予定者の就職のための推薦および選考開始期日等については、教育委員会公報で近日中に通知予定。

 各学校においては、推薦開始期日を厳守し、求人秩序の確立および応募機会の確保に努めていただきたい。なお、高校に対し、早期に選考を行おうとした事業所があった場合は、通知に基づき教育局に報告いただきたい。

 本年度についても、十一月一日以降は、一人二社まで応募・推薦が可能となっており、各学校においては、この申し合わせに基づき、適切に進路指導を行っていただきたい。

▼高校就職促進マッチング事業

 すべての管内で生徒や保護者、進路指導教員を対象に、福祉分野や農林水産分野など求職と求人のミスマッチが生じている企業・業種に対する理解促進を図る「企業見学会」を実施している。昨年度は百五社、生徒七百三十五人に、保護者十七人が参加した。

 各学校においては、生徒はもとより保護者に積極的な参加を働きかけていただきたい。

▼じもと×しごと発見フェア

 昨年度から、道の経済部と連携し、生徒が地域にある仕事や企業を知る機会の拡充を図るため、「じもと×しごと発見フェア」を実施している。

 各学校においては、本年度も生徒の積極的な参加や保護者への情報提供をお願いしたい。

▼高校生等労働教育啓発事業等

 道では、就労前の高校生等を対象に、労働法の基礎知識や働く者の人権に関する知識を養い、将来の安定した職業生活の確保に資するため、大学教授や社会保険労務士等が講師となり講演を行う「高校生等労働教育啓発事業」を引き続き実施する。

 各学校においては、本事業の実施について積極的に検討いただきたい。

 また、労働に関する教育内容を一層充実する観点から、授業やホームルーム活動等において、道労働局が実施している「労働法説明会」の出前講座や、道経済部が発行している『働く若者ルールブック』の活用を図っていただきたい。

▼進路説明会の実施等

 校内で実施する大学・専門学校等による進路説明会は、民間企業の営利活動に学校がかかわることはできないという観点から、二十六年四月二十三日付事務連絡の趣旨を踏まえ、専門学校等への参加依頼については、高校から直接行うか、道私立専修学校各種学校連合会を通じて行うよう取り組んでいただきたい。

【キャリア教育】

▼インターンシップの充実

 生徒が将来、社会人・職業人として自立していくためには、就職希望の有無や普通科、職業学科の別にかかわらず、インターンシップなどの体験活動を通して、望ましい勤労観・職業観を身に付けることが重要。

 昨年度の「インターンシップ実施状況調査」では、道立中等教育学校後期課程を含むすべての全日制道立高校において実施されており、三年間に一回以上インターンシップを経験した生徒の割合は六四・二%で、前年と比べて約四・六ポイント上昇したが、職業学科の九七・三%と比べると学科間で大きな差があるなどの課題がある。

 また、実施日数についても、体験した生徒の約七割が二日以内の実施にとどまっている。

 インターンシップの実施においては、将来希望する職業や業種を積極的に体験することだけではなく、地域の企業や産業への理解などを深めることによって、学ぶことへの興味や関心をもち、自己のキャリア形成の方向性と関連付けながら、見通しをもって取り組むなどの「主体的な学び」につながるものと考えられることから、一年生から積極的に実施することや、複数回、長期間の実施などについて検討の上、取り組んでいただきたい。

 特に、普通科においては、キャリア教育の趣旨を踏まえ、二十六年五月に作成・配布した『普通科における効果的なインターンシップ指導事例集』を活用するなどして、一人でも多くの生徒が体験できるよう、実施期間や回数を拡大するなどして、内容の一層の充実を図っていただきたい。

 また、二十五年度に設定した数値目標を、すでに達成している学校においても、引き続き、実施期間を拡大するなど、内容の一層の充実を図っていただきたい。

▼職場への定着

 昨年度の道労働局の調査によると、道内新規高卒者が卒業後から三年間に離職する割合は四八・七%であり、全国平均と比較すると八ポイント程度高い状況。また、道内の大学生についても三七・六%であり、全国平均と比較すると六ポイント程度高い状況にある。

 各学校においては、引き続き、自分の能力・適性、職業に対する理解の深化やコミュニケーション能力の育成を図るため、入学当初から計画的に行う進路相談の実施はもとより、地域の職業人を講師とする職業講話や進路ガイダンスの実施など、地域や企業等との連携を深めた取組の一層の充実を図るとともに、保護者にも職業理解を深めていただく機会を拡充するなど、キャリア教育の視点に立って、就職指導の改善・充実に努め、職場への定着を図っていただきたい。

【専門高校で学ぶ生徒の学習成果の発表】

 専門高校生が活躍する研究発表大会等の各種大会やフェアなどの日程等を、道教委のホームページで公開する。

 各学校においては、PTA総会や学年懇談会など、保護者が学校に集まる機会を活用して、専門高校の取組について、保護者や地域の方々などに周知を図るようお願いする。

▼全部会

▽北海道産業教育フェア「さんフェア2017」=

9月30日、新さっぽろサンピアザ光の広場―展示・演示・販売、意見・体験発表会、作品・研究発表会

▼水産部会

▽実習船一般公開=6月11日、小樽港―水産高校の生徒が普段乗っている大型船への乗船等

▼農業部会

▽ガーデニング甲子園=6月24日~7月2日、大通公園4丁目―ガーデニング作品の展示

▼工業部会

▽2017サイエンスパーク=7月28日、札幌駅前通地下歩行空間・道庁赤れんが庁舎―製作したロボットの操作体験や工作教室

▼家庭部会

▽第2回道高校生介護技術コンテスト=8月25日、北翔大学―介護技術の実践および実践した介護のアピール

▽道高校家庭クラブ連盟研究発表大会=10月5~6日、江別市民会館―二部門に分かれて日ごろの活動の成果を発表

▼商業部会

▽道高校商業教育フェア=9月15~16日、新さっぽろサンピアザ光の広場―開発商品の販売や試作品の発表

【教員の研修等】

▼初任段階教員研修

 二十六年度から、初任者研修を四年間に分割し、「初任段階教員研修」として実施している。

 各学校においては、新しい実施要項に基づき、適切に実施していただきたい(①重点的に育成する資質・能力②道教委計画研修③学校計画研修④主な研修内容の順)。

▽一年次=①教科等指導力、学級経営力②七日③百五十時間以上④授業実践に関する基礎技術、学年・学級経営、学習指導案、教職員の服務、学級事務

▽二年次=①学級経営力、生徒指導・進路指導力②三日③三十時間以上④指導主事の学校訪問のシャドーイング、学校力向上に関する総合実践事業等の実践校視察

▽三年次=①地域との連携・対応力・チーム貢献力②五日③三十時間以上④民間企業等での実習・体験、プレゼンテーションによる成果報告

▽四年次=①五つの力の総点検②三日③二十時間以上④四年間のまとめ、授業改善、実践記録の交流、自己課題の明確化

▽合計=②十八日③二百三十時間以上

▼二十九年度管理職研修

 各研修における研究協議の助言者の派遣について、協力をお願いする。

▽新任校長研修=5月22~23日

▽新任教頭研修=5月29~30日

▽新任副校長研修=7月28日

▽新任主幹教諭研修=6月15日

【海外からの教育旅行の受入れ】

 グローバル化が進展する中、海外の高校生等が日本を訪れ、併せて学校を訪問する「教育旅行」を受け入れることは、諸外国の人々と互いの歴史や文化、習慣等を理解し合い、異なる文化や生活習慣をもつ人々と協調して生きていく態度を育成する上で、意義があるものと考えている。

 より多くの学校が海外からの教育旅行を受け入れることができるよう、道教委のホームページに、受入れが可能な学校について、交流活動や受入れ可能な月、受入れ可能な人数等の情報を掲載する。

 今後も、ホームページ等の充実のため、情報提供や資料作成の依頼があった場合には協力いただきたい。

【日本の次世代リーダー養成塾】

 二十九年度の「日本の次世代リーダー養成塾」は、七月二十五日から八月七日までの期間、福岡県および佐賀県で開催される。

 道として、参加者の募集や参加費減免などを実施する。

 本年三月二十四日付で、「次代の北海道を担う青少年育成協議会」から各学校へ実施要項等を送付した。各学校においては、生徒に情報提供するとともに、参加を働きかけていただきたい。

【コミュニティ・スクール】

 「地方教育行政の組織および運営に関する法律」が一部改正され(二十九年四月一日施行)、学校運営協議会の設置が努力義務化されたことに伴い、道教委では教育委員会規則を一部改正し、二十九年三月三十一日付教高第二四〇二号「道立学校における学校運営協議会の設置等に関する教育委員会規則の一部改正について」を通知した。

 設置を希望する学校にあっては、本通知を確認の上、地域の関係機関等と連携を密に図り、所管する教育局を通じて申請手続を行っていただきたい。

【二十九年度の学校運営費等】

 道財政は着実な改善が図られてきているものの、依然として厳しい状況にある。各学校においては、日ごろから経費削減に尽力していると承知しているが、引き続き、配分された予算の範囲内で計画的な執行に努めていただくとともに、想定外の事態が発生した場合は、随時の調整配分などを活用いただきたい。

【高校等就学支援金】

 新制度導入から三年が経過し、昨年度においては、就学支援金事務の大きなトラブル等の発生はないものの、返納事案も生じていることから、適正な事務処理に努めていただくようお願いする。

 申請書等の取りまとめに当たっては、事務室と学級担任等が連携し校内で情報共有を図り、すべての保護者に対し制度の確実な周知を行うとともに、個人情報やプライバシー保護に留意した取組を併せてお願いする。

【授業料の徴収】

 就学支援金との関連になるが、保護者の所得が支給条件を超えていた場合、就学支援金の支給対象外となる者については、授業料を徴収することとなる。

 該当校にあっては、「道立学校授業料等未納対策事務取扱要領」に基づく適切な対応をお願いする。

【情報資産の管理】

 公用のパソコンに職員がソフトウエアをインストールまたはアンインストールする場合は、情報セキュリティー管理者である校長に申請し承認を得なければならないこととなっている。学校内での手続を徹底し、ソフトウエアの使用状況を把握していただきたい。

 また、学校が所有しているパソコン、ソフトウエア等は情報資産管理システムに登録し管理しているが、システムに登録されている管理情報と実際の使用状況が異なると、そご情報として校長および担当者へ注意喚起のメールが自動的に送信されることになっているので、適切に対応していただきたい。

【北海道空撮写真の寄贈】

 ㈱にしあしの里から、学校教育の環境整備の一環として、空撮写真を全道立学校へ寄附したい旨の申し出があった。

 道教委として、道立学校の寄附受入に特段の支障がないと判断し、本年度から数年間にかけて受け入れを行うこととした。

 当課において、本年度の受入校を選定するが、受入校においては、ギャラリーに掲示するほか、各教科の教材に使用するなど有効に活用していただきたい。

《特別支援教育課》

【特別な教育的支援を必要とする生徒の状況】―二十八年度「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒等に関する調査」から

▼高校における要支援者の状況

▽要支援者が在籍する学校数=二百五十九校中百四十一校(二十七年度二百六十校中百四十一校)

▽要支援者数=九万九百八十三人中六百九十四人(二十七年度九万三千二百十七人中六百四十四人)

▼要支援者の困難な状況(主なもの、高校)

①自分が分からない状況や困っていることを相手に伝えることが難しい=四九・九%(二十七年度四七・七%)

②全体への指示や説明を聞いて理解することが難しい=四四・二%(二十七年度四〇・四%)

③友達関係をうまく築けなかったり集団での活動ができなかったりすることが多い=四二・五%(二十七年度三九・三%)

④相手の感情や立場を理解することが難しく、一方的なかかわりをすることが多い=三六・〇%(二十七年度三〇・九%)

▼高校における「個別の指導計画」の作成状況等

▽作成状況=六百九十四人中六百十一人(二十七年度六百四十四人中五百四十五人)

▽活用状況

・校内委員会等において活用=六百十一人中五百三十九人(二十七年度五百四十五人中四百九十三人)

・引継ぎに活用=六百十一人中五百五十一人(二十七年度五百四十五人中二百三人)

▼高校における「個別の教育支援計画」の作成状況等

▽作成状況=六百九十四人中二百六十八人(二十七年度六百四十四人中百九十六人)

▽活用状況

・校内委員会等において活用=二百六十八人中二百二十三人(二十七年度百九十六人中百七十二人)

・引き継ぎに活用=二百六十八人中百九十一人(二十七年度百九十六人中三十人)

《健康・体育課①》

【学校体育活動中の事故防止】

 学校体育活動においては、事故の未然防止の観点から、活動場所や設備、用具等の安全点検を適切に実施するとともに、生徒の体力や技能等を踏まえた活動計画を作成する必要がある。

 先月、栃木県高体連が県内のスキー場付近で開催した登山講習会において、参加していた高校の山岳部の生徒および教員が雪崩に巻き込まれ亡くなるという大変痛ましい事故が発生した。

 道教委としては、山岳部の活動も含めた運動部活動の安全管理等については、高体連等とも一層連携を図りながら対応していく考えである。

 各学校においては、二十四年七月九日付教健体第三六五号通知「学校における体育活動中の事故防止について」に添付している報告書や、二十八年七月二十六日付教健体第四〇三号通知「学校における体育活動中の事故防止等について」に添付しているチェックリストを活用するなど、体育活動全般について検証し、必要な改善を行うなどして、生徒の安全に配慮した活動を行っていただきたい。

 また、AEDを含めた心肺蘇生法など応急手当の教員研修や、事故発生時の対応マニュアルの確認などによって、万が一、事故が発生した場合も適切な対応が行われるよう危機管理に万全を期していただきたい。

【運動部活動の充実】

 本道においては、これまで、道教委と市町村教委、校長会、中体連、高体連、PTAによる「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」において、

①週一日程度は休養日を設けること

②授業日においては、生徒の下校や教職員の退勤が遅くならないよう放課後の二~三時間程度で活動が終わるようにすること

③休日においては、早朝から終日にわたる活動を極力避け、半日程度でも効果的な活動ができるようにすること

④特定の教職員に負担が偏らないよう、可能な限り、複数顧問の配置を検討すること

 ―を、高校も含め働きかけている。

 本年二月には、文化系の部活動も加えた新しい申し合わせを「時間外勤務縮減会議」で決定し通知した。あらためて申し合わせの趣旨を職員に周知し、適切な運動部活動が実施されるようお願いする。

 新年度になり、新入生が入部することから、その体力や技能に応じた適切な指導計画を作成することや、入部に当たっては、本人や保護者の入部意思等を十分確認するなど、入部手続きを確実に行った上で、活動させることに留意していただきたい。

【どさん子体力アップ強調月間】

 道内の小・中学校の児童生徒の体力の状況は、改善傾向にあるものの、依然として全国平均を下回る状況にあり、運動時間が総じて少ないなど、運動習慣の定着に課題がある。

 こうしたことから、道および道教委では、子どもたちの体力づくりを進める機運を高め、運動習慣の定着に向けた取組をより一層推進していくため、昨年度から、毎年十月を「どさん子体力アップ強調月間」として設定し、賛同団体と連携して取組を進めている。

 高校においても、様々な行事等を活用した運動機会の充実に努めたり、地域で開催されるイベント等への参加を奨励したりするなどの取組をお願いする。

【子どもの体力向上ボトムアップ事業】

 本事業は、各学校における体力向上の取組の一層の改善・充実と、体育担当教員の指導力向上をねらいとするもので、大きくは小・中学校がかかわる「運動大好きプログラム作成事業」と、小学校、中学校、高校がかかわる「授業改善プロジェクト事業」の二つからなっており、「授業改善プロジェクト事業」は、体育授業の改善に向けた実践研究および指導資料の作成を行う。

 高校については、道央、道南、道北、道東の各ブロックから一校の合計四校の指定を考えている。要項が決定次第通知する予定。

【二十九年度体育・保健体育指導力向上研修】

 本年度の国による「体育・保健体育指導力向上研修」は五月に開催されることとなっており、北海道からは、札幌市立を含めた小学校・中学校・高校の先生七人が、七つのコースに分かれて受講する。

 講習会受講後は、道内における実技講習会の講師として、研修内容の普及に協力いただくこととなっているので、当該教諭が所属している学校は、配慮いただきたい。

【薬物乱用防止教育の充実】

 道内の公立高校においては、すべての学校で年一回以上の薬物乱用防止教室を開催するなど、薬物乱用防止教育の充実に努めていただいている。

 道内においては、ここ数年、高校生による薬物事犯は発生していないが、先月、長崎県において、高校生七人が大麻所持容疑で書類送検される事案が発生。さらに、国内の薬物情勢をみると、若年層による大麻の乱用傾向が増大していることや、危険ドラッグについては、街頭の店舗すべてが封鎖にはなったものの、インターネットを利用した販売事件が後を絶たないことなど、薬物乱用に関する青少年への広がりが懸念される現状があり、子どもたちに、薬物乱用の恐ろしさなど正しい知識を身に付けさせることがますます重要である。

 学校には、授業や特別活動など学校の教育活動全体を通じた計画的・組織的な薬物乱用防止教育を一層推進することが求められており、各学校においては、薬物乱用防止教室を年一回以上開催することはもとより、保護者の参加を呼びかけるなど、薬物乱用防止教育を一層推進していただきたい。

【献血に関する学習の充実】

 このことについては、二十九年三月十四日付教健体第一〇一〇号で通知し、厚生労働省が作成した高校生用テキストや日本赤十字社が実施する献血セミナーなどの献血にふれ合う機会を積極的に活用するなどして、献血にかかわる学習の一層の充実を図るようお願いしている。

 高齢社会が進展し、献血者数の確保が必要とされる中、少子化の進展による献血可能人口の減少に加え、若年層の献血者数が減少傾向にあることから、将来の献血を支える高校生等の若年層が、献血の意義や制度、健康被害救済制度などについて理解を深めることは重要であり、一昨年から議会議論にもなっている。

 こうしたことから、本年度においては、全道四~五校の高校をモデル校に指定し、保健の授業の中で、日本赤十字社が作成したDVDや厚生労働省が作成した啓発教材を活用した取組を実施したいと考えている。

 取組内容としては、献血に関する一~二時間程度の授業と事前、事後の生徒向けアンケートなどを考えているので、理解と協力をお願いする。

【がん教育】

 日本人の死亡原因の第一位であるがんについては、がんそのものの理解やがん患者に対する正しい認識を深める教育が不十分であると指摘されており、学校教育を通じてがんについて学ぶことによって、健康に対する関心をもち、適切な態度や行動をとることができるようにすることが求められている。

 また、昨年十二月には、がん対策基本法の一部を改正する法律が成立し、第二三条に、「がんに関する教育の推進」が明記され、がん教育が法律にも位置付けられた。

 道教委においても、文部科学省の委託を受け、二十六年度から「がんの教育総合支援事業」を実施し、推進校を指定して、文科省が作成したがん教育推進のための教材を活用した取組や、教職員等に対するがん教育研修会を開催するなどの取組を行っている。

 現在、「がん」の指導については、科目「保健」において、生活習慣病や保健医療制度の中で取り扱っており、「がん」を一つのまとまりとして取り扱うこととはされていないが、がん教育が法律に位置付けられたことを踏まえ、その指導の充実を図ることが必要。

 道教委のHPからは、文科省が作成した「がん教育推進のための教材」や「指導案」、道教委で指定したがん教育推進校の取組事例をまとめた『がんの教育実践事例集』などをダウンロードすることができるので、各学校においては、これらを参考にするなどして、がん教育の充実に取り組んでいただきたい。

【配慮が必要な生徒への適切な対応】

 脳脊髄液減少症や性同一性障害、子宮頸がん予防ワクチンの接種に関連したと思われる健康被害等によって、通常の学校生活を送ることに支障等が生じているにもかかわらず、周りから十分な理解を得られなかった事例があるとの指摘がある。

 各学校においては、このような生徒が在籍するしないにかかわらず、過去の通知、参考資料等を活用し、教職員の理解を深めるとともに、相談があった場合には、本人や保護者の訴えを丁寧に聴き、学級担任・養護教諭・関係職員等が情報を共有し、必要に応じて医療機関と連携するなど、個々の生徒の心身の状態に応じた適切な対応を行っていただきたい。

【学校保健総合支援事業】

 道教委では、二十四年度から文科省の委託を受け、学校、家庭、関係機関の代表者からなる協議会を設置し、生徒の現代的な健康課題を解決するための取組を行っている。

 本事業は、アレルギー、性、薬物乱用、心の健康問題など生徒の心身の健康課題に対応するため、各学校等に地域の専門医などの派遣を行うことができ、本年度も、各学校等、全道二十ヵ所へ地域の専門医などの派遣を予定している。

 国の採択が決定次第、教育局を通じて実施要項等を通知するので、積極的に活用していただきたい。

(道・道教委 2017-04-27付)

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