札幌市教委　スクールカウンセラー連絡協議会　効果的な活用へ研鑚深める

（市町村 2017-05-09付）

３２０人がスクールカウンセラーの活用等に関する説明を受けた

　札幌市教委は四月二十八日、市内ちえりあで二十九年度第一回スクールカウンセラー連絡協議会を開催した。市内全学校の教頭・副校長約三百二十人が参加。効果的なスクールカウンセラーの活用に向け、説明や協議を通して研鑚を積んだ。

　冒頭、喜多山篤児童生徒担当課長があいさつ。不登校など、最近の子どもたちの傾向にふれた上で、「子どもたちが直面している問題について、わずかな変化・サインを見逃さず、適切な対応が求められている。スクールカウンセラーと連携し、学校の組織として指導や支援が重要」と呼びかけた。

　続いて、佐野恭敏児童生徒担当係長がスクールカウンセラー活用事業について説明。二十九年度のスクールカウンセラー配置時数を提示したほか、配置時数の拡充など今後の見通しについて情報提供を行った。

　また、「悩みやいじめに関するアンケート調査」から、いじめ等を誰にも相談できない中学生・高校生が一～二割程度いることにふれ、いじめを発見するための取組の重要性を強調。「学校独自の無記名アンケートの実施」「子どもや保護者から信頼される教員になること」「子どもがスクールカウンセラーに相談しやすい体制づくり」―の三点を求めたほか、「教員研修・ＰＴＡ講演会等の講師として」「個別のケース会議等に参加させる」などとスクールカウンセラー活用の方策を挙げた。

　続いて、札幌啓北商業高校のスクールカウンセラーの手代木理子氏が「スクールカウンセラーの活用」について説明した。

　手代木氏は「子どもの発達には教育的機能と相談的機能の両方が準備された環境が必要」と説明。校内支援体制の充実に向け、ミーティングなど、担任とスクールカウンセラーが直接的に対話する場を設定するよう求めた。

　このあと、小・中学校、高校の三校の担当者がスクールカウンセラー活用の実践事例を発表。各学校におけるスクールカウンセラーの効果的な活用に向けて意見を交換した。

(市町村 2017-05-09付)