【解説】水泳の事故防止で通知―スポーツ庁

（解説 2017-05-15付）

　学校の水泳指導でプールに飛び込んだ児童生徒が首の骨を折るなどの事故が相次いでいることを受け、スポーツ庁は全国の教育委員会や小中高校に再発防止を求める通知を発出した。特に、学習指導要領で、授業での飛び込み指導が認められていない小・中学校には、行わないようあらためて要請した。

　例年、プールの授業が始まる前に施設の設備点検と確認の徹底、指導の安全確保を要請しているが、昨年も飛び込みによる事故が続いたため、別紙を添付して注意を促した。

　施設面、管理・運営面では、文部科学省と国土交通省が策定した「プールの安全標準指針」を参考に、プールの利用期間前の排水溝の蓋の設置確認や、救命具の設置、監視員の適切な配置などを求めるとともに、地域の実情に即した適切な措置の徹底と衛生管理についても配慮するよう要請。 児童生徒への指導では、水泳活動中の事故として、スタート時に逆さまに深く入水し、水底に頭部を打つケースが少なくないとし、別紙で入水角度が大きい危険な飛び込みをイラストで紹介。スタート時の指導は、個人の能力に応じた段階的な扱いを重視し、教師の指示に従い、水深や水底の安全確認などに配慮し慎重に進めるよう求めた。

　小学校の体育と中学校の保健体育の授業について、学習指導要領では、「水中からのスタートのみを指導し、飛び込みによるスタート指導は行わない」とされており、その点をあらためて強調。高校には生徒の能力や技術に応じた指導を求めた。

　児童生徒の水難事故は学校の夏季休業に入った直後に多発する傾向にあることから、学校で水泳の事故防止に関する心得を十分に指導し、ＰＴＡなどを通じて家庭にも指導の趣旨を周知するよう訴えている。

(解説 2017-05-15付)