【解説】保育施設等での死亡１３人―内閣府

（解説 2017-05-22付）

　昨年一年間に全国の保育施設や幼稚園、認定こども園などで起きた乳幼児の事故は八百六十二件で、このうち十三人が死亡していたことが、内閣府のまとめで分かった。事故の九割近くは施設内で発生。死亡事故発生の状況では、睡眠中が最多で十件だった。

　教育・保育施設などで死亡事故や治療に要する期間が三十日以上の負傷や疾病を伴う重篤な事故等で昨年一月一日から十二月三十一日の期間内に報告のあった事故について、取りまとめた。

　事故報告件数は合計八百七十五件。認可保育所の四百七十四件、放課後児童クラブの二百八十八件とで九割近くを占めた。負傷等の報告は八百六十二件あり、そのうち七百十七件（八三・二％）は骨折によるものだった。発生場所は施設内が七百七十六件（九〇・〇％）で、うち四百四十四件（五七・二％）は施設内の室外で起きていた。

　死亡事故の報告は十三件あり、そのうち約半数の七人はゼロ歳児で、ほかに一歳児が四人、六歳児が二人。死亡事故の発生場所は認可外保育所が七人、認可保育所が五人、家庭的保育が一人だった。

　睡眠中の死亡事故が十人で、このうち認可保育所と認可外保育所各二人の計四人が「うつぶせ」の状態だった。残る三人はその他の状況。　

　教育・保育施設での死亡や重篤な事故の発生を受けて、厚生労働省は昨年三月、「教育・保育施設等における事故防止および事故発生時の対応のためのガイドライン」を、地方自治体に通知。睡眠中や食事中など、重大事故が発生しやすい場面ごとに注意事項を周知した。さらに、重大事故の再発防止のため、死亡事故等の重大事故については、事故後の検証を実施するよう通知し、施設・事業者へ周知を図った。

(解説 2017-05-22付)