道教育大附属旭川小・中学校が研究大会(学校 2017-07-06付)
西條教諭は黒板に絵を描きながら分かりやすく解説した(附属旭川小)
◆学びつなぐ子どもを育成 身に付けさせたい力、6点設定―附属旭川小
【旭川発】道教育大学附属旭川小学校(伊藤一男校長)は六月中旬、同校で教育研究大会を開いた。本年度は三ヵ年研究の一年次目。研究主題「学びをつなぐ子供を育てる教育活動の創造 一年次~各教科等において重視する資質・能力の育成を目指す学習づくり」のもと、十三授業を公開した。このうち、五年一組の算数「平均」(西條俊介教諭、児童数三五人)では、解決策を構想する力などを高めさせる授業を展開した。
同校では、三ヵ年研究で育てたい資質・能力として「解決策を構想する力」「情報を活用する力」「論理的に考える力」「創造的に考える力」「他と関わり合う力」「自らを振り返る力」―の六点を設定した。
その上で、一年次目に当たる本年度は、①重視する資質・能力と単元構成②資質・能力を育む授業展開③資質・能力を見取る評価―の三つを視点に据えて研究に取り組んでいる。
この日は、国語、算数などの十三授業を公開。うち、算数では、研究主題「数学的な見方・考え方を働かせ数学的に問題解決する力を育成する算数科の学習」と設定した。
公開授業のうち、五年一組の算数「平均」は、全五時間扱いの一時間目。本時は、妥当な測定値を得るために平均を用いる意味を理解させ、平均を求めさせることを目標とした。
導入で、西條教諭は十個入りの卵のパックを提示。「この一パックの重さはどれくらいあるのかな」と問いかけた。卵四個の一個ずつの重さを伝え「分かっている卵の重さを踏まえて、一パックの重さを考えて」と課題を提起した。
児童たちは「重さが分かっている卵を全部足して、四で割って一個の重さを出してみる」「一個の重さを出したら十倍にすれば出てきそう」などと、解決への方策を導き出していた。
また、西條教諭は児童たちに「平均」の言葉の意味も併せて理解させるため、スプーンに盛った砂糖や米を例に挙げて「平均とは、平らにならすことを意味している」と教えた。
その上で「四つの合計を足して、個数で割ると、一個分の重さを求められる。これを〝平均〟という」と解説し、一パックの重さを求めさせた。このあと、児童たちに教科書の練習問題を問かせて、理解を深めさせた。
◆学びのプロセス追究 思考を自覚できる生徒に―附属旭川中
道教育大学附属旭川中学校(安藤秀俊校長)は六月中旬、同校で教育研究大会を開催した。研究主題「新たな価値を生み出す学びのプロセスに関する研究~自らの思考を自覚的にとらえる生徒の育成(一年次)」と設定し、生徒自身の思考を重視した十四授業を展開した。
同校は、生徒たちの思考の様相を明らかにしながら学びのプロセスを深く追究することが、学びに向かう力の育成につながると考え、各教科等における研究や目指す生徒像、それに向けた指導の手立てなどを設定し、研究に取り組んでいる。本年度は、二ヵ年研究の一年次目に当たる。
英語科では、研究主題を「英語で学ぶ必要感を高める授業の創造~英語によるコミュニケーションへの関心を高め、会話を継続するための方略の研究」と設定し、①教科書や、より発展的な内容を扱って生徒が自分の考えを「伝えたい」という気持ちにさせる②それをもとに学習したことを生かしてコミュニケーションを継続するための方略を指導する③小学校で学習してきた内容をもとにスパイラルな学びを保障する―の三点に着目して研究に取り組んでいる。
当日行われた公開授業のうち、二年A組(小野祥康教諭、生徒数三五人)は、単元名『Lesson4 Ms.King’s Trip with Her Friend』を公開した。
本時は全十三時間扱いの十時間目。前時までの授業で、生徒たちの地元に対する関心や興味が高まったことを踏まえ、旭川市やその周辺の名所を英語で発表し、その内容について尋ねたり答えたりすることで、即興で考えを伝え合う学習活動を展開した。
冒頭、小野教諭は「旭川で人気の名所はどこか」と問い、生徒たちに英語で名所を答えさせるとともに、理由も一緒に考えさせた。
つぎに、旭川市とその周辺にある上野ファームや旭岳、雪の美術館などの名所を写真やメモで提示。観光客に人気のあるスポットランキングを生徒に予想させた上で、その所在地や見どころなどを英語で紹介するよう課題を与えた。
生徒たちは、写真やメモをもとにペアになって、英語で説明。「なぜ、そう思うのか?」「あなたはどう思うのか?」などの質問に対しても、自分の考えを答えるなど、積極的にコミュニケーションを図った。
公開授業後は、各教科の分科会を行ったほか、道教育大学附属旭川小学校と合同で教育講演会を開いた。
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生徒たちは英語で地元を紹介し合った(附属旭川中)
(学校 2017-07-06付)
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