天売高校存続へ学生寮整備　新たに７人の受入可能　上田校長「生徒募集の弾みに」

（学校 2017-07-04付）

改修予定の作業員宿舎

　【留萌発】高校存続に向けて―。全国から生徒を募集する天売高校（上田智史校長）に学生寮が整備される。萌州建設㈱（留萌）が島内に所有する作業員宿舎を学生寮に転用するもので、新たに七人の生徒の受け入れが可能に。生徒の全国募集の反響は大きく、今回の学生寮整備について上田校長は「高校存続に向け、生徒募集の弾みになる」と期待を寄せている。

　天売高は、二十七年度に入学者の全国募集を開始。現在の生徒数は五人で、このうち、天売島外出身者は四人。四人は島内の旅館で下宿生活を送っているが、来年度以降は下宿の受け入れ先が確保できておらず、全国からの生徒募集に懸念が生じていた。

　これを受け、羽幌町教委は島内の学生寮整備を検討。萌州建設が島内に所有する作業員宿舎に白羽の矢を立てた。宿舎は木造二階建てで延べ床面積二百七十平方㍍。築後二十六年が経過しているため、同社が改修を行った上で町教委が購入し、学生寮として転用する。六月中旬に開かれた町議会で関連予算案が可決された。

　寮は生徒が快適に生活できるよう、断熱材・屋根を改修するほか、風呂・トイレも増設する。一室八畳程度のスペースを確保する予定で、定員は男子五人、女子二人。島外からの新入生を七人まで受け入れることが可能となる。今後は、三十年度の供用開始に向け、改修作業を進める。

　萌州建設の合羽井達男副社長は「創業当初から関連がある天売・焼尻島への恩返し」と話し、高校存続とそれに伴う地域振興に期待を寄せている。

　上田校長は「地域の皆さんの応援と決断に感謝したい。期待に応えるためにも、〝卒業できてよかった〟と思えるような環境、進路実績をつくり、高校存続へつなげていきたい」と話していた。　

(学校 2017-07-04付)