札幌市美しが丘小で出前授業　元南極観測隊員が講話など　未知の世界を疑似体験

（学校 2017-07-21付）

防寒服を紹介するなど、南極での活動の様子を説明した

　札幌市立美しが丘小学校（村元秀之校長）は十一日、同校で北海道学校生活協同組合が実施する出前授業「南極クラス」を開いた。五年生六十人が参加。南極の環境や活動の様子について説明を受けたほか、約二万年前の南極の氷に触れるなど、未知の世界を体験した。

　道学校生活協同組合が教育支援プログラムとして二十三年度から毎年行っているもの。南極地域観測隊員として昭和基地の建物修繕などに携わった㈱ミサワホーム総合研究所の井熊英治氏を講師に招き、出前授業「南極クラス」を開催した。

　井熊氏は、日本から南極の昭和基地まで約一万四千㌔㍍離れていることから、船で約二～三週間かかることを説明した。また、映像を交え、南極に到達するまでは船がかなり揺れることや、氷を割って進んでいくことを紹介した。

　南極の観測などを行う昭和基地では、最低気温がマイナス四十五・三度になることを説明したほか、外で活動するための防寒服を紹介。風速六十㍍を超え、周りが全く見えなくなるブリザードの映像を見せ「ブリザードが発生すると自分が立っているのか座っているのかが分からなくなる」と話した。

　また、南極はちりや埃がなく、空気がきれいなため、吐く息が白くならないことを紹介。「南極は地球ができたままの状態なので、何で汚れているかなど、いろいろな調査ができる」と説明した。

　南極での調査に当たっては、南極観測隊に医者や気象予報士、電波の研究者など様々な担当者がいることを紹介。「一人ではできないことを協力して行っている」と人とのコミュニケーションの重要性を示した。

　また、南極から持ち帰った氷を配布。児童は氷の中に閉じ込められている約二万年前の南極の空気の気泡がはじける音を聞くなど、興味津々だった。

(学校 2017-07-21付)