斜里町知床ウトロ学校の道徳研修会 考えさせる工夫を共有 道教育大釧路小教諭がモデル授業
(学校 2017-07-13付)

ウトロ学校道徳研修会
遠藤教諭は5・6学年の道徳を公開した

 【網走発】斜里町立知床ウトロ学校(長谷博文校長)は十日、同校で「道徳教育の推進」研修会を開催した。道教育大学附属釧路小学校の遠藤直人教諭がモデル授業を公開したほか、道徳科の授業づくりについて説明。公開授業では「思いやり」とはどのようなものかを考えさせる授業を展開した。

 同研修会は、次年度から小学校で全面実施となる「特別の教科 道徳」における教諭の指導力向上を目的に実施したもの。同校と近隣の小学校教諭合わせて約二十人が参加した。

 当日は道教育大附属釧路小の遠藤教諭が、第五・六学年道徳「二つのまんじゅう」を指導した。

 「二つのまんじゅう」は、少年がお菓子をもらう立場と与える立場の二つの体験を通して、人を「思いやる気持ち」を抱く物語。本時では、少年が経験した「思いやり」に関する出来事などについて考え、議論することを通して、相手の気持ちを深く推し量り、相手の立場に立った思いやりの心を大切にする心情を育てることをねらいとした。

 はじめに遠藤教諭は「思う・考える」「相手」「ありがとう」など、思いやりに関するキーワードを提示。本時の見通しとして「思いやり」について考えることを確認し、資料「二つのまんじゅう」を朗読した。

 朗読後に遠藤教諭は、資料の中から「思いやり」が見られる個所を探し出すように促し、児童たちは「友達が少年に十個中二個のあめをあげた場面」「少年が二つのまんじゅうのうち、小さい方のまんじゅうをあげた場面」の二つの場面を取り上げた。

 遠藤教諭は二つの場面について「それらは本当に思いやりがあるのか」と問いかけた。児童たちは「十個のうち二個のあめをあげたのは、平等ではないから思いやりとは言えない」「まんじゅうの大きさは違うが、個数は半分なので思いやりと言える」「個数や大きさに限らず、あげたこと自体が思いやり」などと、思い思いの意見を述べた。

 遠藤教諭は児童の意見を板書にまとめたあと「思いやり」に対する考えを問いかけた。児童たちは「相手の気持ちを考えて行動すること」「相手の立場に立ってどう感じるかを考えること」などの考えを発言した。

 授業の終わりに遠藤教諭は「みんなが考えたように、相手の状況に応じて行動することや、相手の立場に立って考えることが思いやりと言える」とまとめ、児童たちは相手を思いやることの大切さを再確認していた。

 公開授業のあと、遠藤教諭が、問題意識が芽生える導入や中心発問の在り方、板書のポイントなどの授業づくりの視点について説明。参加者はよりよい授業づくりを目指して研鑚を積んだ。

(学校 2017-07-13付)

その他の記事( 学校)

学生服のトンボ「スマホ預かりバッグ」 女満別高が道内初導入 教員の管理負担を軽減

女満別高スマホ預かりバック  【網走発】女満別高校(田邊康弘校長)は、六月中旬から学生服メーカーの㈱トンボが開発した「スマホ預かりバッグ」を道内の学校で初めて導入した。生徒たちは朝のホームルームで自分のスマートフォンを...

(2017-07-21)  全て読む

札幌市美しが丘小で出前授業 元南極観測隊員が講話など 未知の世界を疑似体験

美しが丘小出前授業  札幌市立美しが丘小学校(村元秀之校長)は十一日、同校で北海道学校生活協同組合が実施する出前授業「南極クラス」を開いた。五年生六十人が参加。南極の環境や活動の様子について説明を受けたほか、約...

(2017-07-21)  全て読む

別海中央中が職場体験学習 2年生が町内各企業訪問 働くことの意義を実感

別海中央中職場体験学習  【根室発】別海町立別海中央中学校(青坂信司校長)は七月上旬の三日間、町内各地で二年生対象の職場体験学習を実施した。生徒は、将来の進路選択の一助にしようと真剣な表情で取り組み、働くことの意義...

(2017-07-21)  全て読む

留萌千望高が工事等見学会に参加 建設業への興味深める トンネル施工手順など学ぶ

千望高工事現場見学会  【留萌発】留萌千望高校(太田倫夫校長)は七月上旬、開発局留萌開発建設部と留萌建設協会による深川留萌自動車道工事現場等見学会に参加した。電気・建築科の二年生三十人が参加し、実際の工事現場や留...

(2017-07-20)  全て読む

市立札幌みなみの杜高等支援 〝杜Cafe〟がオープン 生徒、関係者が記念セレモニー

みなみの杜カフェオープン・上  市立札幌みなみの杜高等支援学校(池上修次校長)は十二日、同校で「杜Cafe」オープニングセレモニーを挙行した。同校生徒や地域関係者などが出席。地域との交流の場となる杜Cafeを披露した。 ...

(2017-07-14)  全て読む

〝想創の学び〟の成果紹介 道教育大附属札幌小が研究大会

附属札幌小研究大会  道教育大学附属札幌小学校(高久元校長)は七・八日、同校で教育研究大会を開催した。研究主題「想創の学びを築く学校」のもと、二十八の授業を公開。このうち三年一組の算数「わり算の活用」(瀧ヶ平悠...

(2017-07-13)  全て読む

この花とてもきれい! 網走市白鳥台小が網走開建の植物観察会に参加

白鳥台小学校自生植物観察会  【網走発】網走市立白鳥台小学校(三宅直哉校長)の児童十五人は五日、開発局網走開発建設部(=網走開建)が市内の北浜地区で開催した自生植物の観察会に参加した。エゾスカシユリなどの草花を観察・採...

(2017-07-12)  全て読む

石狩市内児童540人がみなと見学 沖合からの風景に歓喜! 港湾業務艇で港の役割学ぶ

石狩湾新港みなと見学会  【小樽発】石狩市内の小学校十校に通う小学三~五年生の児童約五百四十人が六月中・下旬の四日間、石狩湾新港東ふ頭で行われた開発局小樽開発建設部主催の「みなと見学会」に参加した。過去最多の児童が...

(2017-07-12)  全て読む

千歳科技大+札幌西陵高 eラーニングで連携協定

千歳科技大eラーニング協定  千歳科学技術大学(川瀬正明学長)と札幌西陵高校(天田光彦校長)は六日、高大連携協定に調印した。eラーニングを柱とする教育用デジタルコンテンツの開発に関する相互協力のほか、大学の授業への高校...

(2017-07-11)  全て読む

札幌市宮の森中が道徳・理科連携授業 円山公園の外来種問題テーマに 植物の命 考えて行動を

宮の森中道徳連携授業  札幌市立宮の森中学校(木谷貢一校長)は三日、同校で二年生の道徳授業「円山・宮の森地区の外来種への取組」を行った。二年生約九十人が参加。生徒らは、外来生物に関する講話を通じて外来生物がもたら...

(2017-07-10)  全て読む