活力ある教育行政展開へ　道市町村教育委員研修会開く―道町村教委連

（関係団体 2017-07-25付）

教育委員や教育長など約７５０人が出席した

　道町村教育委員会連合会（＝道町村教委連、会長・豊島滋安平町教育長）は十一日、札幌市教育文化会館で第五十四回道市町村教育委員研修会を開いた。全道各地から教育委員、教育長など約七百五十人が出席。「地域に根ざした活力ある教育行政を展開し、道民の信頼に応えるため全力を尽くす」とする決議を採択し、市町村教委の充実・強化などに努めることを確認した。そのほか、講話やフォーラムなどを通して、教育行政の充実に向け研鑚を積んだ。

　開会式では、豊島会長があいさつ。社会に開かれた教育課程の実現に向けたコミュニティ・スクールの設置など、学校と地域の連携・協働の必要性を強調し「これからの子どもたちには、厳しい挑戦の時代を乗り越え、高い志や意欲をもつ自立した人間として、他者と協働しながら未来をつくり出し、課題を解決する力が求められている」との考えを示した。

　その上で「本研修会を今後の教育委員としての活動や、それぞれの市町村における教育行政を進める上で、役立てていただければ」と述べた。

　来賓祝辞では、道教委の鶴羽佳子委員が登壇した。

　功労者表彰、三十年度文教施策に対する要望事項報告のあと、二十九年度の決議案を審議。本道教育の喫緊の課題である「学力・体力の向上」に対し、道教委との密接な連携のもと「地域に根ざした活力ある教育行政を展開し、道民の信頼に応えるため全力を尽くす」とする決議を採択。また、①市町村教委の充実・強化②新しい時代に必要とされる資質・能力を育成する学校教育行政の推進③地域の課題解決・地域づくりに資する社会教育行政の推進④学校・家庭・地域の連携協力事業の推進⑤インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進⑥総合的な子どもの貧困対策の推進⑦小規模高校の教育環境の充実・強化―の実現を目指すことを確認した。

　このあと、道中央児童相談所の阿部康子所長が「こども家庭相談の現状と課題」と題して講話。児童相談所の支援内容、児童虐待対応の現状、教育との連携事例などについて説明。児童虐待をなくすため、地域住民・学校と市町村・児童相談所の連携した取組に向け協力を求めたほか「困ったときは、子どもを一番に考えて」と呼びかけた。

　午後からは、文部科学省初等中等教育局の小幡泰弘国際教育課長が「グローバル化に対応した英語教育の推進について」と題し行政説明を行った。

　さらに、フォーラムを実施し、夕張市教委の今勉教育長が「高校存続の危機が魅力化活動に転じるまで～行政と学校が連携して危機に立ち向かう」、白老町教委の安藤尚志教育長が「ふるさと教育の充実を目指して～国立アイヌ民族博物館の活用に向けた事業展開」、広尾町教委の笹原博教育長が「子ども農山漁村交流から始める新たな教育の取組について」と題して事例発表した。

(関係団体 2017-07-25付)