道小・道中・道公教と道教委　文教施策充実へ意見交換　学力・体力向上、教育環境など

（関係団体 2017-08-08付）

北海道教育の充実、発展に向けて意見を交換

　道小学校長会（角野誠会長）、道中学校長会（古谷雅幸会長）、道公立学校教頭会（笹川恒春会長）と道教委による二十九年度文教施策懇談会が四日、道庁別館で開かれた。学力・体力向上と教育環境の条件整備、生徒指導上の問題と解決の方策などに関して意見を交換。北海道における教育の課題、目指す方向への共通理解を図り、相互の連携、信頼を深めた。

　はじめに、三者を代表して角野会長があいさつ。時代の要請に応える授業改善を重要課題とし「各学校長のリーダーシップのもと、教師一人ひとりが研鑚を重ね、授業力の向上に努めなければならない」と言明。一方、学校が抱える課題の複雑化・多様化、子どもと向き合う時間や教材研究を行う時間の確保など、様々な課題を踏まえ、教職員定数の確保、新学習指導要領の完全実施に向けた教育諸条件の整備を強く求めた。

　また、業務負担の増大に加え、特に、中学校では休日を含めた部活動指導が大きな要因となっているとし「どの地区の校長も困難を乗り越え、日々努力している」と説明。「教育改革の波が押し寄せているこの機会に、私たちはチーム北海道として、北海道教育の一層の充実に向け、山積する諸課題に真正面から立ち向かっていく所存。今後とも指導、支援をお願いしたい」と述べた。　

　柴田達夫教育長は、新学習指導要領への対応に向けて「基礎知識を〝活用する力〟が大きなテーマであり、何を、どのように学び、どう活用するかが重要な視点になる。学習指導要領の基本的な理念をしっかりと踏まえた教育、指導が行われるようお願いしたい」と求めた。

　また、時間外勤務の縮減に向けては、昨年度実施した調査結果をもとに分析を行っており、より効果的な取組を検討していくとし、日々の業務の時間管理、効率的な業務改善を要請。教職員の服務規律の徹底に関しては、生徒と教員の適正な関係のルールの徹底、飲酒運転、酒気帯び運転の根絶を強く求めた。

　懇談会では、道小、道中、道公教から「学力・体力向上と教育環境の条件整備」「生徒指導上の問題と解決のための方策」「教頭を取り巻く現状と課題解決のための方策」に関する提言、実情説明、質問が行われた。

　道教委からは、土井寿彦総務政策局長、北村善春学校教育局長、岸小夜子学校教育局指導担当局長が回答し、道教委の取組状況や課題認識、今後の方向性を示した。

　最後に、道中学校長会の古谷会長が「子どもたち一人ひとりに、自立と共生のために生き抜く力を確実に育てなければならないとあらためて感じている。これからも教育の本質をみつめながら、北海道教育の充実、発展に全力を尽くしたい」と述べた。

　このあと、道庁本庁舎に移動して各課懇談会を実施。分科会では「教育課程の編成・実施・評価・改善」「子どもと向き合う時間を確保するための具体策」「特別な配慮を要する児童生徒への対応」などをテーマに協議を行った。

(関係団体 2017-08-08付)