現場の声ますます重要に 道中理事研―古谷会長あいさつ(関係団体 2017-08-09付)
古谷会長は、教員の長時間労働改善に関する動向などを説明した
四日に開かれた道中学校長会の二十九年度第三回理事研修会における古谷雅幸会長のあいさつ概要はつぎのとおり。
◇ ◇ ◇
本年度は、八月一日の上川・小樽地区、二日の後志・宗谷地区、そして昨日三日の旭川地区中学校の地区別教育経営研究会がすでに開催されている。このあとも七日の日高地区から十月十六日の札幌地区小学校まで、私たち道中・道小の役員や事務局幹事の校長が各地区を訪問させていただき、道小・道中と各地区の距離を縮めるとともに「オール北海道」として結び付きを強める一助としていきたいと思っている。
教育情勢について。私たちが道や道教委に対して要請活動を行っているのと同様に、全日中は文部科学省に直接要請活動を行っている。全日中は「緊急を要する事項」「早期実現を要する事項」を分けて要望していることが特徴といえる。
つぎに、教員の長時間労働改善について。ことし四月に文科省から「教員勤務実態調査(二十八年度)の集計(速報値)について」が発表され、中学校教員の一週間の平均勤務時間が五時間十二分増え、五七%の教員が「過労死ライン」を超えている実態が明らかになった。
マスコミ各社も大きく取り上げ、国が進める「働き方改革」とも連動した形で、六月二十二日、松野前文科大臣から中央教育審議会に対して「教員の勤務時間の管理に関する改善策などの検討」について諮問し「部活動や調査協力などの学校が果たすべき役割についての検討」「個々の教職員の業務や役割について、事務職員、スクールカウンセラー、部活動指導員等まで広げての検討」「主幹教諭の役割、校務分掌の整理・合理化、勤務時間制度などの教職員組織の見直しと処遇の在り方についての検討」の三つの論点からの検討が始められた。五~六月にかけての三十二団体・有識者からのヒヤリングも受けて、年内にも緊急対策が打ち出される予定になっている。
全日中「文教関係立法・予算措置等要望」の中で「教員の働き方改革に向けた意見」という全日中の直田会長名で文科省初等中等教育局初等中等教育企画課長にあてた意見書が掲載されている。全日中もさっそくアクションを起こしていることを知っていただければと思う。
道教委でも、各担当課による様々な機関会議で検討を進められているが、私自身は「時間外勤務縮減推進会議」と「部活動関係者会議」の委員として、この長時間労働改善に関して、若干ながら意見反映の機会をいただいている。
社会的に関心が高いこの時期に、私たち自身が具体的な制度の改正や施策により一層関心を向け、現場からの声を挙げることがますます重要になってくると思う。
つぎに、本日行われる文教施策懇談会、各課懇談会について説明する。
昨年度から、より現場の実情に沿った意見交換の時間を保障するために、道小・道中と道教委間で調整を図り、分科会である各課懇談会の時間を前年度までより三十分間長くし、十分な意見交換の時間を確保する形で進められている。ついては、参加される校長先生方の積極的な発言を期待する。また、昨年度から、柴田教育長をはじめ文教施策懇談会に出席いただいた道教委幹部の皆さんと、道小・道中・道公教の役員・理事とで、このライフォートに戻っての教育懇談会がもたれている。ぜひ、膝を交えた交流を通して、校長会と道教委との「絆」がより一層深まるよう皆さんの理解と協力をお願いする。
最後になるが、道中学校長会創立七十周年記念第五十九回道中学校長会研究大会石狩・千歳大会について説明する。
本年度の道中研は石狩管内小中校長会に主管していただき、九月二十二日、二十三日の両日、千歳市において開催される運びになっている。本大会は、研究主題「社会を生き抜く力を身に付け、未来を切り拓く日本人を育てる中学校教育」の実現を願う、四ヵ年継続研究の二年目となる。七十周年記念事業も組まれており、道中OBの皆さんには時間の許す限り、道中研の中核を担う分科会の様子もみていただけるよう案内させていただいている。各地区においては祝賀会への参加もお願いしており、記念事業への負担もかけるが、何よりも菅原裕行大会実行委員長をはじめ、主管する石狩管内小中校長会の皆さんの総力を挙げての準備に、心より感謝申し上げる。
十七日には、分科会関係者の合同研修会も予定されており、分科会協議の充実に向けて準備も最終段階になっている。道中研は日ごろの各地区各校の実践の成果を交流し、課題を明確にして、信頼される中学校教育の確立を目指すことを基本姿勢とする本会にとって最も重要な研究大会である。各分科会で設定された今日的な課題のもと、真摯で活発な話し合いがなされ、課題解決の多くのヒントを与えてくれる分科会となるよう、そして、各学校の経営を支えるものとなるよう期待している。主管校長会のみならず道中の総力を挙げて成功を期したいと思っている。会員各位の力強い協力をよろしくお願いする。
(関係団体 2017-08-09付)
その他の記事( 関係団体)
道特別支援学校長会 教育課程改善に陣頭指揮 本年度夏季研で宮崎会長
道特別支援学校長会は七日、札幌市内のかでる2・7で夏季研究協議会を開いた。開会式であいさつに立った宮崎真彰会長は「急速に変化する社会状況や地域の実情を見据えて、校長自ら、教育課程の改善に陣...(2017-08-10) 全て読む
道倫研が総会・研究大会開く 「公共」教育の基盤学ぶ 東大院・一ノ瀬教授の講義など
道高校「倫理」「現代社会」研究会(=道倫研、元紺谷尊広会長)は七日、札幌市内のかでる2・7で二十九年度総会・第五十二回研究大会を開いた。「新科目〝公共〟と今後の公民科教育」を主題に提示。研...(2017-08-10) 全て読む
上川管内校長会が法制研究会等開く 講師に上川局・清水課長ら 人事評価制度など確認
【旭川発】上川管内校長会(澤井陽一会長)は一日、旭川市ときわ市民ホールで法制研究会・教育経営研究会を開いた。九十七人が参加。上川教育局から清水厚次企画総務課長と佐藤潤一教育支援課長を講師に...(2017-08-10) 全て読む
道学組連合会が定期大会 賃金や事務改善へ取組を 連合会・大久保会長再任
道公立学校職員組合連合会(=道学組連合会)は五日、札幌市内の北農健保会館で第五十四回定期大会を開いた。給与削減の停止や勤務実績に基づく昇給制度の運用などの賃金改善、道立学校事務改善、高校・...(2017-08-09) 全て読む
オホーツク小中学校教頭会が研究大会 課題解決は教頭を核に
【網走発】オホーツク管内小中学校教頭会(二神孝久会長)は四日、北見市内のホテル黒部で、第四十五回研究大会を開いた。会員約百二十人が参加。講演や分科会協議を通じて、新学習指導要領の移行期にか...(2017-08-09) 全て読む
北理研が理科実験研修会開く 学年別講座に140人参加 安全な実験のポイント学ぶ
道小学校理科研究会(=北理研、永田明宏会長)は七日、札幌市立宮の森小学校で第八回教師のための理科実験研修会を開いた。札幌市内の教職員約百四十人が参加。学年別の講座を通して、指導力の向上を図...(2017-08-09) 全て読む
北音教が夏季音楽教育研修会 鑑賞授業のポイント学ぶ ワークショップ、講義など
道音楽教育連盟(=北音教、横山学会長)は四日、札幌市立二条小学校で二十九年度夏季音楽教育研修会を開いた。道内各地の幼稚園、小・中学校、特別支援学校の教諭ら約八十人が参加。音楽を使ったワーク...(2017-08-09) 全て読む
道公立学校事務職員協会が総会 70年の節目に新たな歩み 水本会長を再任―役員改選
道公立学校事務職員協会は四日、ホテルライフォート札幌で第七十回定期総会を開いた。評議員研究協議会・理事研究協議会の開催などを盛り込んだ事業計画を決定。役員改選も行い、水本靖会長を再任した。...(2017-08-08) 全て読む
子によりよい教育環境を 道公立学校事務職員研究大会開く
道公立学校事務職員協会は三日から二日間、ホテルライフォート札幌で第七十回道公立学校事務職員研究大会(第七十回記念大会)を開いた。講演や分科会、研究発表などを通して、主テーマ「教育の改革と発...(2017-08-08) 全て読む
道小・道中・道公教と道教委 文教施策充実へ意見交換 学力・体力向上、教育環境など
道小学校長会(角野誠会長)、道中学校長会(古谷雅幸会長)、道公立学校教頭会(笹川恒春会長)と道教委による二十九年度文教施策懇談会が四日、道庁別館で開かれた。学力・体力向上と教育環境の条件整...(2017-08-08) 全て読む