札幌啓北商がＳＰＨ生徒国内研修　神奈川、東京で３日間　今後の活動充実に向け見識広める

（学校 2017-08-22付）

スポーツ庁で「スポーツを通じた地域振興」について講義を受ける参加者

　本年度、文部科学省のスーパー・プロフェッショナル・ハイスクール（ＳＰＨ）の指定を受けた札幌啓北商業高校（尾崎寿春校長）は八月上旬の三日間、神奈川県や東京都でＳＰＨ生徒国内研修を行った。同校一年生の代表生徒八人が参加し、観光やＭＩＣＥ（商用イベント）、地域ビジネス分野の研修や講義などを受けた。地域ビジネス分野に参加した生徒は、スポーツ庁参事官からスポーツを通じた地域振興について学ぶなど、今後の活動への見識を広めた。

　ＳＰＨでは、先進的で卓越した取組を行う専門高校などを指定。社会の第一線で活躍できる専門的職業人を育成することを目的に、調査研究を行うこととしている。

　同校は、本年度から三年間、大学や研究機関、企業などと連携し「観光」「ＭＩＣＥ」「起業家教育」など五つの分野で先進的な取組を行っていく。

　今回の研修では、ＳＰＨに関連する分野の最新の情報を入手し、今後の活動の参考にすることがねらい。同校一年生の代表生徒八人が「観光・ＭＩＣＥ分野」「地域ビジネス分野」の二班に分かれて研修や講義などを受けた。

　観光・ＭＩＣＥ分野では、代表生徒六人が研修に参加。三日間で横浜商科大学の宍戸学教授から「現代社会と観光ビジネス」などの講義を受けたほか、同大学の学生らと横浜でフィールドワークなどを実施。観光・ＭＩＣＥの基本的知識やその方策について学んだ。

　地域ビジネス分野では、代表生徒二人が参加。三日間で、神奈川県川崎市役所の職員から、サッカーチーム「川崎フロンターレ」の協力をもとにした地域振興策について講義を受けたほか、スポーツ庁とスポーツ用品メーカーのミズノ㈱などを訪問。スポーツと地域ビジネスに関する研修などを受けた。

　このうち、スポーツ庁では、同庁参事官（地域振興担当）の高下栄次氏が「スポーツを通じた地域振興」について講義。同庁において取り組む主な活動として、スポーツによる「健康増進」「地域・経済活性化」などを挙げた。このうち、地域活性化について「スポーツでお金を生むという発想が求められている」と述べ、国際的な大会の誘致などで地域振興を図る試みが各地で行われていることを説明した。

　具体的な地域振興事例として、網走市が夏の涼しい気候を生かして、ラグビー合宿の誘致を行っていることを説明。二十六年には約六億円の経済効果をもたらしたことなどを紹介した。

　また、同庁の鈴木大地長官と面会。鈴木長官が国内研修について「いろいろ勉強してまわって」と生徒に呼びかけたほか、代表生徒の新井田瑠璃さんが「これから頑張って勉強していくので、ぜひ本校で講演を」と依頼した。

　今回の研修に参加した代表生徒は今後、それぞれの分野で中心となって取組を進める予定となっている。

(学校 2017-08-22付)