【リポート】紋別市渚滑小・道徳の評価試行 〝気づき〟と〝実践〟に焦点 授業改善、児童理解に期待(学校 2017-08-23付)
【網走発】紋別市立渚滑小学校(及川勝也校長)は、本年度から道徳の評価を試行している。「評価はするが評定はつけない」の前提のもと、〝児童の気づき〟と〝実践〟に焦点を当て「単元の中での学びをその後の日常生活にどのように生かしていたか」について百二十字程度で通知表に記載。及川校長は「評価を取り入れることで、授業改善や児童理解が深まるのではないか」と期待する。道教委の担当者は「本年度からの評価の導入は、道内でも珍しい例ではないか」と話している。
同校では二十七年度から、授業内容の改善や授業時数の確保など、道徳の授業改善を進めてきた。また、二十八年度は、それまでの単元別評価から観点別評価へと通知表を改善した。これらの背景を踏まえて、本年度は「〝特別の教科 道徳〟実施への準備」「道徳の授業改善」「通知表改善の一環」の視点から、道徳の評価を試行することを決定した。道教委の担当者によると、管内だけではなく道内でも珍しい例だという。
◆通知表に120字で
評価においては、道徳性の完成度を量的ではなく質的に判断し、個人内評価にとどめるため「評価はするが評定はつけない」という前提のもと、数値的な評定はつけずに、百二十字程度の記述式評価を行う。一・二学期はそれぞれ、学期内での顕著な変化を記載。三学期については期間が短く評価が難しいため、特記する事項があった際には、総合所見欄に記載する。
評価の観点としては〝児童の気づき〟〝実践〟の二点を取り上げ「主題〇〇では〇〇であることに気づき、学校生活で○○のように生かしていた」のように、単元の中での児童の学習の様子を述べ、その後の日常生活にどのように生かしていたかを記載している。
◆日々の見取り重要
及川校長は評価について「教師にとっては〝自分自身の指導を振り返り、改善・充実に取り組むための資料〟に、子どもたちにとっては〝励みとなり、自分自身の成長を実感してそのあとの意欲向上につなげるもの〟にしてほしい」と話す。「一番大切なことは、日々の見取りをしっかりと行うこと」と強調した上で「道徳は長いスパンで子どもの変化を的確に見取る必要がある。評価を取り入れることで、必然的に授業内での見取りを一層丁寧に行うこととなり、結果として授業改善や児童理解が深まるのではないか」と期待する。
◆業務効率化が課題
今後の課題として〝児童数が増加した際の対応〟を挙げる。「全校児童十三人の小規模校だからこそ、スムーズに評価を導入することができた。今後児童数が増加した際にも、同じように評価ができるよう、日々の見取りや記録を確実に積み重ねることや、システムの電子化を行うなどして、業務効率化を図っていく必要がある」と話す。
(学校 2017-08-23付)
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