札幌市　オリパラ教育実践事例集の素案　小中高での効果的実施へ　授業の指導案など盛る

（学校 2017-09-15付）

　札幌市オリンピック・パラリンピック教育検討会議の作業部会は、札幌らしさを生かしたオリパラ教育に関する実践事例集の素案をまとめた。小・中・高校でのオリパラ教育の効果的な実施に向け、スポーツ庁などが作成した資料などの活用方法やオリパラ教育に関する授業の指導案などを盛り込んだ。

　国は、三年後の東京五輪開催に向け、五輪の精神とその価値に基づくスポーツを全国に普及させる「オリンピック・ムーブメント」などを実施している。こうした動きを受け、市教委では、札幌らしいオリパラ教育推進に向けた取組として、二十八年度から「オリンピック・パラリンピック教育推進事業」を行っている。

　スポーツ局が主催する同会議では、市教委の同事業を中核に据え、今後の学校教育におけるオリパラ教育推進のための具体的な方策を検討。これまでに、①札幌オリンピックミュージアムを活用した学習モデル②札幌らしさを生かしたオリパラ教育の『実践事例集』『副教材』―の作成に向けて意見交換などを実施してきた。

　同会議の作業部会は、市教委やスポーツ局の職員と市内の小・中・高校の教諭で構成。委員の意見を参考にしながら、①と②の作成を行っている。

　『実践事例集』は、札幌らしさを生かしたオリパラ教育の効果的な実施に向け、②の副教材などの活用方法やオリパラ教育に関する授業の指導案などを教員用にまとめるもの。また、スポーツ庁の『オリンピック・パラリンピックに関する指導参考資料』や国際パラリンピック委員会公認教材『Ｉ‘ｍＰＯＳＳＩＢＬＥ』の活用方法なども授業の展開例などに盛り込む。

　素案では、小・中・高校の各校種の授業展開例などをまとめた。小学校では、三年生を対象に実施予定の①の事前・事後学習の例として社会科「市の様子」の授業展開例を掲載した。

　中学校では、一～三年生の体育理論の授業展開例を学年ごとに提示した。現在、中学三年生の体育理論「国際的なスポーツ大会とその役割」で一時間、オリパラなどの役割について授業を実施しているが、実践事例集では、三年生の授業に加え一・二年生でも体育理論の中で関連する題材「スポーツと社会性」などにオリパラ教育の内容を位置付けた。また『オリンピック・パラリンピックに関する指導参考資料』で活用できるページ数や指導方法なども明記している。

　高校においては、特別活動における指導例を二点提示した。題材は「ドーピング問題とフェアプレイの精神」「オリンピック・パラリンピックの効果的開催について考える」。『オリンピック・パラリンピックに関する指導参考資料』と『Ｉ‘ｍＰＯＳＳＩＢＬＥ』の活用法も記した。

　今後は、同会議で出た素案についての意見を参考に、修正案を作成。第三回の会議で再び委員から意見を募り、最終案をまとめ、本年度中に市内全校種の教員に配布する予定だ。

(学校 2017-09-15付)