研究開発事業「新聞等活用授業の在り方」 札幌市教委 桑園小で授業公開 情報を関連付ける力育成(学校 2017-10-03付)
廣川教諭は、児童同士が意見を聞き合い、考えを深める授業を展開した
札幌市教委は九月二十七日、札幌市立桑園小学校で札幌市研究開発事業「新聞等を効果的に活用した授業の在り方」に関する実践研究について授業公開を行った。同校の廣川友太教諭が複数の新聞記事をつなげて意見を組み立てる国語の授業を公開。研究討議も行い、課題探究的な学習の充実に向けた新聞等の活用などに向けて研究を深めた。
事業は、情報活用能力の育みに視点を置いて、新聞等を効果的に活用した授業の在り方を研究するもの。札幌市立啓明中学校の齋藤昇一校長を委員長とする実践研究会を設置し、児童生徒が自ら情報を活用する意欲・技能を育むことに資する教材開発や指導方法の工夫点を明らかにするなど、研究を進めている。
今回、授業公開を行った同校では研究主題「創出していく子ども」のもと、研究の視点として、①子どもの主体的な追究が継続する授業構成②対話的な学びを支える教師のかかわり―の二点を設定して研究を進めている。
この日、同校の廣川教諭が六年二組(児童数三四人)の国語「意見を聞き合って考えを深め、意見文を書こう~未来がよりよくあるために」の授業を公開。本時は十一時間扱いの五時間目で、目標を「複数の新聞記事を関連付ける言語活動を通して、よりよい未来をめぐる自分の意見についての根拠を明確にすることができる」と設定した。
これまで廣川教諭は研究の視点①の観点から、本単元の導入で「原爆ドームの保存に賛成か、反対か」について討論を実施。新たな事実を提示することで児童の思考に揺さぶりをかけたほか、討論を通して考えに深まりや広がりが生まれることを児童に実感させた。
授業では、これまで読んだ記事などを振り返ったあと、野菜栽培をAIで管理するという新聞記事を提示。研究の視点②の観点から、一つの新聞記事で児童に共通の思考の土台をつくった上で、これまでに読んできた記事と授業で提示した記事をつなげて意見を組み立てるよう求めた。
グループ交流の時間を設定。共通の記事を土台に、児童同士が個々の記事について考えを出し合う対話的な学びが展開されることをねらった。
全体交流では、どの記事を選んだかを発表させたほか、児童が記事を選んだ理由を述べるのではなく、記事だけを全体に提示。記事のどの部分をつなげて考えたのか、児童の意図を想像し、解釈する活動に取り組ませた。
授業後は研究討議を実施。「書くことに関して、考えを広げる面で効果があった」「(朝読書など)授業と日常生活をつなぐ効果があったのでは」「作文が苦手な子にとって、書きたい材料をみつけるガイドとしての授業だった」などの意見が出た。
また、齋藤委員長は「複数の情報を関連付けて考える力を付けさせる授業だった」と話していた。
(学校 2017-10-03付)
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