29年度道教育功績者の功績概要
(道・道教委 2017-10-04付)

 道教委が決定した二十九年度道教育功績者表彰受賞者の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

▼河原政志(六〇)=岩見沢市立緑中学校長

 平成三年以来、本道の中学校教育に携わり、卓越した識見と指導力で教育実践に当たった。特に、保健体育においては、生徒の意欲を引き出すための授業の研究・実践によって体力向上に目覚ましい成果を上げるほか、部活動指導の工夫改善によって生徒の体力・運動能力の向上を図るとともに、礼儀や仲間を大切にすることを重んじ、健やかな成長を促進するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、深い造詣と教育に対する強い情熱をもとに、教職員と意思疎通を図りながら組織的な学校経営に当たり「地域の子どもは地域総がかりで育てる」という教育理念のもと、地域の教育資源を教材として活用し、地域と一体となった教育活動を推進するなど、地域に根ざした学校づくりに尽力し、その実績は高く評価されている。

 さらに、道中学校長会副会長や空知校長会会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼藤根収(五九)=札幌養護学校長

 昭和五十六年以来、本道の特別支援教育および教育行政に携わり、特に、知的障がい教育において、指導内容の精選、指導方法、教材・教具の工夫など、授業改善にかかわる実践研究を行い、その成果を児童生徒の指導に生かすとともに、広く発信するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 教育行政においては、高い専門性を発揮して各種施策の効果的な推進に力を注ぐとともに、特殊教育から特別支援教育への転換期における小・中学校などの体制整備や特別支援学校の教育環境の充実に尽力した。

 また、道立特別支援教育センター所長として、センターの相談・研修・広報などの機能の活性化に向け、具体的なビジョンを示し、機能の強化を図り、特別支援教育の発展に大きく貢献するなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道特別支援学校長会副会長や道特別支援学校知的障害校長会副会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼毛利繁和(六〇)=函館市立本通中学校長

 昭和五十七年以来、本道の小・中学校教育に携わり、特に、数学教育において、高い専門性と優れた実践力によって、生徒の「好奇心」を引き出し「探究心」につなげる授業を目指した多様な教育実践に取り組むほか、函館市中学校数学教育研究会会長を務め、各種研究会を開催し優秀な人材の育成に力を注ぐとともに、道算数数学教育研究大会渡島・函館大会の成功に寄与するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、教員間に協働精神を醸成し、主題に基づいた教員全員での討議や授業交流を積極的に推進するほか、「言語活動の充実を図る六つの活動」を授業に取り入れ、ディベート形式によって議論を深めるなど、学力の基礎となる言語活動の充実に取り組むとともに、生徒の思考力、判断力、表現力などを育成することによって生徒の考えを理解し、教職員の意識改革につなげるなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道中学校長会理事、函館市中学校長会会長などの要職を務め、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼山田幸俊(六〇)=函館市立神山小学校長

 昭和五十八年以来、本道の小学校教育に携わり、特に、算数教育において、個を生かし新しい視点に立った多様な学習展開の具現化を目指した実践を展開するなど、高い専門性をもって優れた研究実績を収めるとともに、函館市小学校算数教育研究会会長を務め、道算数数学教育研究大会渡島・函館大会に際しては、研究協力校として全学年で授業研究を実施し、大会での公開授業の構築に重点的に取り組み、大会の成功に寄与するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、体験的な活動を重視した特色ある教育を推進するため、自然とのふれ合いや地域の福祉施設を訪問するボランティア活動などを積極的に行うなど、地域の人材や環境を生かした教育活動に取り組むほか、地域の食材を取り入れた和食の日を設定し食育にも力を注いで児童の豊かな情操の育成に努めるなど、地域と連携した取組は高く評価されている。

 さらに、道小学校長会理事や函館市小学校長会会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼小助川浩(五八)=厚沢部町立厚沢部小学校長

 昭和六十三年以来、本道の小学校教育に携わり、生徒指導において、道徳教育や人権教育の充実および読書活動や体験活動を通じて他者とのコミュニケーション能力の向上を図ることによって、いじめの未然防止に取り組むほか、学習指導では、ICTを活用して児童を主体とした学習活動の徹底や学習意欲の向上を図るとともに、児童の習熟度に応じた学習を積極的に取り入れ、少人数指導による学習規律の徹底および学力向上を図るための取組を推進するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、桧山へき地・複式教育研究連盟委員長として、複式学級における学習指導について学ぶための研修機会の積極的な開催を通して教員の指導力向上に努め、複式教育の充実に大きく貢献するなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道小学校長会副会長や桧山校長会会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼澤井陽一(五九)=鷹栖町立鷹栖小学校長

 昭和五十六年以来、本道の小・中学校教育に携わり、卓越した指導力をもって先進的な実践や研究を積み重ね、「総合的な学習の時間の在り方」「目標準拠評価の在り方」など、本道教育の指針となる教育実践を行い、その研究成果を発信するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 キャリア教育の視点から教育課程や教育活動を見直すなど組織的・系統的にキャリア教育を推進するとともに、電子黒板の活用などによってICT教育の充実に努めるほか、地域住民による土曜学習の実施や地域行事と学校行事の連携を図り、地域人材を活用して学校・家庭・地域が連携・協働した教育活動を展開し、児童の学力向上や健全育成に取り組むなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道小学校長会理事や上川管内小中学校長会会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼岩田俊二(五九)=旭川市立北星中学校長

 昭和五十五年以来、本道の小・中学校教育に携わり、特に、数学教育において「個に応じた指導方法の工夫」に視点を当てた教育実践を積み重ね、全国算数数学教育研究大会をはじめ各種研究大会などにおいて、それまでの実践研究成果を発表するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、生徒に必要な資質・能力の確実な育成を目指し、障がいのある生徒だけではなく、すべての生徒にとって有効な手法である「ユニバーサルデザイン」の視点から、生徒一人ひとりの力を伸ばす授業づくりに取り組むほか、「生徒の確かな変容が見える学校」を合い言葉に、教育活動の充実と学校課題の改善のため、教職員の資質・能力の向上を図るとともに、PDCAのマネジメントサイクルに基づく学校改善を進めるなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道中学校長会理事や旭川市中学校長会会長などの要職を務め、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼笹木卓三(六〇)=帯広市立帯広第一中学校長

 昭和五十六年以来、本道の小・中学校教育に携わり、特に「学級経営」「へき地複式教育」「国際理解教育」の分野において教育研究の中心となり、全道規模の研究大会などで授業公開を行うほか、実践論文などを発信して、学校力向上に貢献するなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 また、地域住民を招いての総合的な学習の時間での発表、隣接する学校と連携した教育活動の推進など、地域に根ざした学校づくりや、小学校六年生に対する学習支援を春休みに中学校で行うなど、地域と連携した教育活動に取り組んだ。二校を統合した新設校では、明確な方向性をもたせるため、企業経営の視点からの戦略を学校に応用した学校のブランド化や生徒・保護者の満足度を高める学校経営の推進に優れた指導力を発揮するなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、道中学校長会理事や帯広市校長会会長などの要職を務め、本道教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼大山稔彦(五九)=釧路市立中央小学校長

 昭和五十五年以来、本道の小・中学校教育および教育行政に携わり、特に、算数教育を中心に、確かな理論と豊富な実践研究に基づいた指導に情熱を傾けるとともに、全道規模の各種研究会において発表者や助言者を務め、優秀な人材の育成に力を注ぐなど、本道の教育の充実発展に尽力した。

 学校経営においては、開かれた学校を目指して地域住民や保護者と連携した学校づくりに積極的に取り組むとともに、校務分掌の明確化や機能の充実を図るほか、マネジメントサイクルを用いた学校運営によって学校の組織力の向上を推進するなど、その実績は高く評価されている。

 教育行政においては、オホーツク教育局義務教育指導監として、包括的な学校改善や学校が一体となった組織的な取組の強化を図るための的確な指導助言を行うなど、学校経営の改善・充実に大きく貢献した。

 さらに、道小学校長会理事や釧路市小中学校校長会会長などの要職を務めるなど、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

▼栗本英彌(七三)=浜中町教委委員(元委員長)

 平成三年以来、浜中町教育委員会委員および委員長として教育行政に携わり、小・中学校における小規模校の経営、統廃合などの諸課題に当たり、児童生徒に確かな学力や豊かな心などの「生きる力」を育むための教育環境を整備していくため、「浜中町立小中学校の適正配置にかかる基本方針」の策定に力を注ぐとともに、町立高校においては、地域研究や郷土の自然を学ぶ「浜中学」などの選択科目を設け、地域に密着した教育活動の推進と地域に根ざした人材の育成に取り組むなど、学校教育の充実発展に尽力した。

 また、防災教育の充実と危機管理体制の整備を図るため、組織的な行動マニュアルの策定に力を注ぎ、学校や地域の実態に応じ計画的に学習や訓練を実施するための防災体制を確立するなど、その実績は高く評価されている。

 さらに、全国市町村教育委員会連合会副会長や道町村教育委員会連合会会長などの要職を務め、本道の教育振興に貢献した功績は誠に大である。

(道・道教委 2017-10-04付)

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