「グローバルＧＡＰ」認証　道立高で初の取得目指す　岩見沢農業高が公開審査会

（学校 2017-10-05付）

生徒たちが審査に対応。道立高校で初の認証取得に向け、一歩を踏み出した

　【岩見沢発】岩見沢農業高校（畠山佳幸校長）は、農産物の生産工程の安全性を保証する国際規格「グローバルＧＡＰ」の認証取得を目指し取組を進めている。九月二十六・二十七日には同校で公開審査会を実施した。トマト、ほうれん草、米など九品目にわたる審査に対し、この日のために結成した「ＧＧＡＰチーム」の生徒一～三年生十七人が対応。結果は十一月以降に通知される予定で、認証が下りれば道立高校で初の取得となる。

　同校は、次世代の農業人材の育成を図るため、本年度から「グローバルＧＡＰ」の認証取得に向けた動きを進めている。

　これまで計四回のセミナーを実施し、生徒たちは農産物の安全性を保証する生産工程管理について理解を深めた。また、五月に農業科学科の生徒一～三年生で構成する「ＧＧＡＰチーム」を発足。「水稲班」「野菜班」「畑作班」「ＳＳＨ班」など役割を分担し、自主的な学習会の実施、資料づくりや日々の作業記録に取り組んだ。

　このほか、ガラスの飛散を防止する電球カバーの付け替えなど、安全な工程管理のための施設整備、整理整頓を徹底して実施。農薬については管理方法を整理し直し、万が一流出しても被害が出ないよう、ルールを改めた。

　審査の対象農産物は、トマト、ほうれん草、サツマイモ、たまねぎ、ながねぎ、大豆、にんにく、スイートコーン、米の九品目。関係者によると、初回で九品目同時の取得を目指すのは例がないという。

　九月二十六・二十七日の二日間、認証公開審査会を実施。ＳＧＳジャパン㈱の社員が審査員を務めた。審査員の質問には、すべて生徒たちが対応した。書類審査のほか、ほ場や施設を回る現場審査を実施し、審査員が肥料管理、農薬管理などをチェックした。

　審査終了後、生徒を代表して三年生の中澤遼太君があいさつ。一丸となって準備に当たった仲間たち、教員や審査員に感謝の言葉を述べ、東京五輪での食材提供を目指すよう、後輩たちに期待した。

　認証試験の結果は、十一月以降に通知される予定。認証が下りれば、道立高校で初めての取得となる。

　同校の高橋英明教諭は、取組を通して生徒の自主性やチームワーク、職業意識が向上したことを強調。「生徒と教師で協力し、十分な手応えを感じることができた。三年生が築いた成果を一・二年生が引き継ぎ、発展させてくれれば」と語った。

(学校 2017-10-05付)