函館市内で学力検査実施　町立奥尻高が道内初の委託型受験

（学校 2017-10-06付）

　【江差発】全国から生徒を募集している奥尻町立奥尻高校（俵屋俊彦校長）は、三十年度入学者選抜において、離島の高校入学選抜試験の学力検査を島外で実施する道内初の取組「奥尻型委託受験」を実施する。受験生や保護者の資金面や精神面の負担軽減にもつながることから、同校では、志望生徒の増加に期待している。

　同校は昨年度から、生徒の募集地域を全国に拡大。島外からの入学者を「島留学生」として受け入れている。町が留学生を対象とした補助金制度を設け、下宿代や昼食費、交通費に対して援助を行っている。

　一方、本年度の入学者選抜では、悪天候によるフェリーや飛行機の欠航に備え、試験日の三日前には来島するよう学校側が呼びかけた。生徒、保護者にとっては、宿泊費や精神的な負担がかかり、これを軽減することが課題となっている。

　課題の解消に向けて、同校は、「奥尻型委託受験」を考案。函館市教委に協力を依頼し、来年三月に実施される入学者選抜の学力検査を函館市立函館高校、面接・作文を函館市公民館で実施することが決定した。受験対象者は奥尻町在住者を除く、全受験者となる。

　同校の井上壮紀教頭は「函館市教委には感謝している」としながら、生徒の増加に期待している。

(学校 2017-10-06付)