高度医ケア等対応研修会―道教委　呼吸器の仕組みなど医師が解説　具体的な対応方法学ぶ

（道・道教委 2017-10-10付）

土畠氏が高度な医療的ケアを必要とする児童生徒への対応のポイントを説明

　道教委主催、札幌養護学校（藤根収校長）共栄分校主管による「高度な医療的ケア（高度医ケア）等に対応するための校内研修会」が四日、同分校で開かれた。同校および札幌市内の養護学校の教職員ら約三十人が参加。医師の土畠智幸氏が、高度医ケアを必要とする児童生徒への対応のポイント、人工呼吸器の仕組みや注意点を分かりやすく示した。

　道教委が本年度から取り組む「高度医ケア等に対応した校内支援体制充実事業」の一環。同校は、本年度モデル校としての指定を受けている。

　研修は、人工呼吸器などの管理など、高度医ケアを必要とする児童生徒の理解や具体的な対応に関する知識を習得することによって、校内支援体制の充実に資することがねらい。

　はじめに藤根校長があいさつ。医療的ケアを必要とする児童生徒が増加傾向にあると指摘し、緊急時を含めた医療的ケアの知識・技能を習得する重要性を挙げ「専門性を向上させる機会にしてほしい」と研修の成果に期待した。

　続いて、医療法人稲生会理事長、生涯医療クリニックさっぽろ院長で「高度医ケア等に対応した校内支援体制充実事業」の巡回指導医を務める土畠氏が「高度医ケア等を必要とする児童生徒の理解と対応」と題して講義した。

　土畠氏は、気管切開を受けている児童生徒に対する注意点、気管に空気を通し、痰を排出する気管カニューレの基本的な仕組みを説明。気管切開は「気管のみの術式」と「気管・食道を分離する術式」でそれぞれ対処の方法が異なること、研修を受けた職員にのみ認められるカニューレ吸引を行う際の注意点を伝えた。

　また、重症児の症状や対応、誤嚥を防ぐ姿勢について説明。経管によって胃の内部に栄養を取り入れる胃ろうカテーテルの仕組み、注意点や器具が外れた場合の対処法を示した。

　このあと、気管カニューレ、胃ろうカテーテルなどの器具を実際に手に取り、利用方法を体験。人形を使い人工呼吸器や心臓マッサージの方法について学習した。

(道・道教委 2017-10-10付)